熱工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 熱工学Ⅰ
科目番号 0097 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 機械・制御系(機械コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:佐野正利,杉山均,永橋優純「基礎から学ぶ工業熱力学」(コロナ社)
担当教員 小堀 繁治

到達目標

1 熱力学の0,1,2法則を理解する.
2 理想気体の性質を理解する.
3 各種サイクルを理解する.
4 蒸気の性質と蒸気サイクルを理解する.
5 冷凍サイクルを理解する.
6 湿り空気を理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1定期試験とレポート課題を総合的に評価し、平均の成績が80点以上の点数がとれる。定期試験とレポート課題を総合的に評価し、平均の成績が60点以上80点未満の点数がとれる。定期試験とレポート課題を総合的に評価し、平均の成績が60点未満の点数しかとれない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 機械工学の重要な一部門である工業熱力学は,①熱エネルギーを機械的な仕事に変換する熱機関,②機械的な仕事により熱を低温部から高温部に移動させる冷凍機に関する基礎理論,③それらを構成する基礎的概念,を提供している.基礎的概念はエネルギー概念に,変化の不可逆性を反映したエントロピーの概念を取り入れて発展し,熱機関や冷凍機などの動作原理の基礎理論として幅広く使われている.
授業の進め方・方法:
 本講義に関して,タブレットやノートパソコンは一切使用せず,毎回黒板を使用し,板書で授業を進めます.ノートと筆記用具は必ず準備して下さい.たまに演習等も行いますので,電卓を常に持参して下さい.また課題を課すかもしれません.その場合は,定期試験の成績を80%,課題点を20%で成績評価を行います.
注意点:
・本科目は,エネルギー保存の法則を基本としているので,3年次までに履修した物理学,および関連科目などを十分に復習しておくと理解が深まります.
・提出課題に関して,他人が作成したレポート内容を写すという行為がここ数年続発かつ多発しています.余りに状況が酷い場合はレポート課題点をなくし,定期試験の得点だけで評価します.演習や宿題はもちろんのこと専門教育は何のため,誰のために行っているかをよく考えて下さい.他人の課題を丸写して提出する(それにより課題点を獲得する)行為は茨城高専で通用しても,社会,特に技術の世界では犯罪行為となり厳しい社会制裁が科せられます.またレポート期限までに提出しない者に対して,これまで授業担当者が行ってきた『レポートを提出して下さい』等のお願いは致しません.レポート未提出者には何かしらの信念があると思いますので,その信念を尊重致します.ただし,当然ながらレポート点を失うことになります.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学基本法則(1) 熱力学を学ぶ意義を明確にした後,熱と温度を学び,熱力学の第0法則を理解する.
2週 熱力学基本法則(2) 温度の測定法,熱量と比熱について理解する.
3週 熱力学基本法則(3) 閉じた系や開いた系,熱容量,圧力および単位について理解する.
4週 熱力学第1法則(1) エネルギー保存則を学び,熱力学第一法則を理解する.
5週 熱力学第1法則(2) 閉じた系のエネルギー式の考え方,求め方を理解する.
6週 熱力学第1法則(3) 開いた系についても同様のことを学び,あわせて絶対仕事と工業仕事を理解する.
7週 (中間試験) 中間試験を実施する.
8週 理想気体(1) 理想気体の状態方程式,内部エネルギー,エンタルピーおよび比熱を理解する.
2ndQ
9週 理想気体(2) 理想気体の状態変化の中で等温変化,等圧変化および等容変化を理解する.
10週 理想気体(3) 理想気体の状態変化の中で可逆断熱変化およびポリトロープ変化を理解する.
11週 理想気体(4) 理想気体の不可逆変化および混合気体を理解する.
12週 熱力学第2法則(1) 熱力学の第二法則,熱機関と冷凍機のサイクルの概念を理解する.
13週 熱力学第2法則(2) 可逆サイクル・不可逆サイクルを学んだ後,カルノーサイクルを理解する.
14週 熱力学第2法則(3) エントロピーおよび熱力学温度を理解する.
15週 (期末試験) 期末試験を実施する.
16週 総復習 前期の内容を総復習する.
後期
3rdQ
1週 ガスサイクル(1) 熱機関の分類を学んだ後,オットーサイクルとディーゼルサイクルを理解する.
2週 ガスサイクル(2) サバテサイクルとガスタービン(ブレイトン)サイクルを理解する.
3週 ガスサイクル(3) ジェットエンジンのサイクルを理解する.
4週 ガスサイクル(4) ジェットエンジンサイクルの理論熱効率を理解する.
5週 蒸気の性質(1) 水の蒸発過程,液体熱,蒸発熱,過熱熱を理解する.
6週 蒸気の性質(2) 湿り蒸気の性質,クラペイロン・クラウジウスの式を理解する.
7週 (中間試験) 中間試験を実施する.
8週 蒸気の性質(3) 蒸気の状態方程式,蒸気表・蒸気線図および状態変化を理解する.
4thQ
9週 蒸気サイクル(1) ランキンサイクルを理解する.
10週 蒸気サイクル(2) 再熱・再生サイクルの各サイクルを理解する.
11週 冷凍サイクル(1) 冷凍機,ヒートポンプおよびそれらの成績係数を理解する.
12週 冷凍サイクル(2) 蒸気圧縮式冷凍サイクルおよび冷媒を理解する.
13週 湿り空気(1) 湿度を理解する.
14週 湿り空気(2) 湿り空気線図および空気調和を理解する.
15週 (期末試験) 期末試験を実施する.
16週 総復習 一年間の内容を総復習する.

評価割合

試験課題相互評価合計
総合評価割合80200100
基礎的能力0000
専門的能力80200100
分野横断的能力0000