熱工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 熱工学Ⅰ
科目番号 0098 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 機械・制御系(機械コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:佐野正利,杉山均,永橋優純「基礎から学ぶ工業熱力学」(コロナ社)
担当教員 小堀 繁治

到達目標

1.熱力学の0,1,2法則を理解する.
2.理想気体の性質を理解する.
3.各種サイクルを理解する.
4.蒸気の性質と蒸気サイクルを理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1レポート課題や提出課題を総合的に評価し、平均の成績が80点以上の点数がとれる。レポート課題や提出課題を総合的に評価し、平均の成績が60点以上80点未満の点数がとれる。レポート課題や提出課題を総合的に評価し、平均の成績が60点未満の点数しかとれない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学の重要な一部門である工業熱力学は,熱エネルギーを機械的な仕事に変換する熱機関や機械的な仕事によって熱を低温部から高温部に移動させる冷凍機に関する基礎理論,およびそれらを構成する基礎的概念を提供している.基礎的概念は,熱力学的概念,力学的概念および両者の統一としてのエネルギー概念に変化の不可逆性を反映したエントロピーの概念を取り入れて発展し,熱機関や冷凍機などの動作原理の基礎理論として幅広く使われている.
授業の進め方・方法:
タブレットやノートパソコンは一切使用せず,毎回黒板を使用し,板書で授業を進めます.ノートと筆記用具は必ず準備して下さい.たまに演習等も行いますので,電卓を常時持参して下さい.またレポートを課すかもしれません.その場合は,定期試験の成績を80%,レポート点を20%で成績評価を行います.
注意点:
本科目は,エネルギー保存の法則を基本としているので,3年次までに履修した物理学,および関連科目などを十分に復習しておくと理解が深まります.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学基本法則(1) 熱力学を学ぶ意義を明確にした後,熱と温度を学び,熱力学の第0法則を理解する.
2週 熱力学基本法則(2) 温度の測定法,熱量と比熱について理解する.
3週 熱力学基本法則(3) 閉じた系や開いた系,熱容量,圧力および単位について理解する.
4週 熱力学第1法則(1) エネルギー保存則を学び,熱力学第一法則を理解する.
5週 熱力学第1法則(2) 閉じた系のエネルギー式の考え方,求め方を理解する.
6週 熱力学第1法則(3) 開いた系についても同様のことを学び,あわせて絶対仕事と工業仕事を理解する.
7週 (中間試験)
8週 理想気体(1) 理想気体の状態方程式,内部エネルギー,エンタルピーおよび比熱を理解する.
2ndQ
9週 理想気体(2) 理想気体の状態変化の中で等温変化,等圧変化および等容変化を理解する.
10週 理想気体(3) 理想気体の状態変化の中で可逆断熱変化およびポリトロープ変化を理解する.
11週 理想気体(4) 理想気体の不可逆変化および混合気体を理解する.
12週 熱力学第2法則(1) 熱力学の第二法則,熱機関と冷凍機のサイクルの概念を理解する.
13週 熱力学第2法則(2) 可逆サイクル・不可逆サイクルを学んだ後,カルノーサイクルを理解する.
14週 熱力学第2法則(3) エントロピーおよび熱力学温度を理解する.
15週 (期末試験)
16週 総復習 前期の内容を総復習する.
後期
3rdQ
1週 ガスサイクル(1) 熱機関の分類を学んだ後,オットーサイクルとディーゼルサイクルを理解する.
2週 ガスサイクル(2) サバテサイクルとガスタービン(ブレイトン)サイクルを理解する.
3週 ガスサイクル(3) ジェットエンジンのサイクルを理解する.
4週 ガスサイクル(4) ジェットエンジンサイクルの理論熱効率を理解する.
5週 蒸気の性質(1) 水の蒸発過程,液体熱,蒸発熱,過熱熱を理解する.
6週 蒸気の性質(2) 湿り蒸気の性質,クラペイロン・クラウジウスの式を理解する.
7週 (中間試験)
8週 蒸気の性質(3) 蒸気の状態方程式,蒸気表・蒸気線図および状態変化を理解する.
4thQ
9週 蒸気サイクル(1) ランキンサイクルを理解する.
10週 蒸気サイクル(2) 再熱・再生サイクルの各サイクルを理解する.
11週 冷凍サイクル(1) 冷凍機,ヒートポンプおよびそれらの成績係数を理解する.
12週 冷凍サイクル(2) 蒸気圧縮式冷凍サイクルおよび冷媒を理解する.
13週 湿り空気(1) 湿度を理解する.
14週 湿り空気(2) 湿り空気線図および空気調和を理解する.
15週 (期末試験)
16週 総復習 一年間の内容を総復習する.

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000