加工工学

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 加工工学
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 機械・制御系(制御コース) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 平井三友ほか著「機械工作法」(コロナ社)
担当教員 長谷川 勇治

到達目標

各種加工法の特徴を理解し、工作物に対して適切な加工方法を選択できる素養を得る。また技術者として重要な技術者倫理(知的財産、法令順守)、国際貢献・地域貢献について認識する。
1.砂型鋳造の鋳型の要件および鋳型の作り方・種類を得られる鋳物の特徴を理解し、その知識を問題解決に適用できる。
2.溶接法を分類でき、ガス溶接および代表的なアーク溶接の接合方法を溶接部の特徴を理解し、その知識を問題解決に適用できる。
3.各塑性加工法の特徴を主要方式の原理を理解し、その知識を問題解決に適用できる。
4.切削加工の原理や切り屑の形態などを理解し、その知識を問題解決に適用できる。
5.研削加工の原理および砥石の三要素・五因子、砥石の種類と用途を理解し、その知識を問題解決に適用できる。
6.技術者の役割と責任、使命と重要性、また国際社会・地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割を理解する。
7.知的財産に関する基本的な事項、法令順守の重要性を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
鋳造砂型鋳造の鋳型の要件および鋳型の作り方・種類を得られる鋳物の特徴を理解し、その知識を問題解決に適用できる。砂型鋳造の鋳型の要件および鋳型の作り方・種類を得られる鋳物の特徴を理解し、その知識を使用できる。砂型鋳造の鋳型の要件および鋳型の作り方・種類を得られる鋳物の特徴を理解できない。
溶接溶接法を分類でき、ガス溶接および代表的なアーク溶接の接合方法を溶接部の特徴を理解し、その知識を問題解決に適用できる。溶接法を分類でき、ガス溶接および代表的なアーク溶接の接合方法と特徴を理解し、その知識を使用できる。溶接法を分類でき、ガス溶接および代表的なアーク溶接の接合方法と特徴を理解できない。
塑性加工各塑性加工法の特徴を主要方式の原理を理解し、その知識を問題解決に適用できる。各塑性加工法の特徴を理解し、その知識を使用できる。各塑性加工法の特徴を理解できない。
切削加工切削加工の原理や切り屑の形態などを理解し、その知識を問題解決に適用できる。切削加工の原理や切り屑の形態を理解し、その知識を使用できる。切削加工の原理や切り屑の形態を理解できない。
研削加工研削加工の原理および砥石の三要素・五因子、砥石の種類と用途を理解し、その知識を問題解決に適用できる。研削加工の原理、砥石の三要素・五因子を理解し、その知識を使用できる。研削加工の原理、砥石の三要素・五因子を理解できない。
精密加工精密加工・特殊加工を理解し、その知識を問題解決に適用できる。精密加工・特殊加工を理解し、その知識を使用できる。精密加工・特殊加工を理解できない。
樹脂加工樹脂加工を理解し、その知識を問題解決に適用できる。樹脂加工を理解し、その知識を使用できる。樹脂加工を理解できない。
技術者倫理、技術史と持続可能性、法令遵守、国際貢献・地域貢献技術者倫理と法令遵守、持続可能性などについて説明できる。技術者倫理と法令遵守、持続可能性などについて理解できる。技術者倫理と法令遵守、持続可能性などについて理解できない。
情報倫理、知的財産情報倫理、知的財産などについて説明できる。情報倫理、知的財産などについて理解できる。情報倫理、知的財産などについて理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学の原点は「ものづくり」であると考えることができる。機械技術者は、製作図を元に各種の工作機械を使用し、「ものづくり」、すなわち素材から様々な製品を生産する。この素材から製品を製作する生産過程で要求される必要な知識、すなわち、基本的な各種の加工方法を学ぶ。
また、技術者倫理と法令遵守、知的財産に基づく技術者の役割やふさわしい行動を学び、科学技術が国際貢献・地域貢献に果たせる役割についても学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業はスライドを用いて進める。教科書の解説・補足を主とし、一部教科書に掲載のないテーマについても取り扱う。定期試験のほかに、小テストによる確認テストを行い、評価の対象とする。
注意点:
プレゼン資料は自宅からインターネットで閲覧することが可能なので、次回講義回予定の部分を予習しておくこと。また、講義中にメモしたサブノートを見直し、自宅で講義ノートを作成してください。また、2年次の「電子制御実験」で学んだ加工法を復習してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械材料の機械的性質1 機械材料の引張強さ、硬さを理解する。
2週 機械材料の機械的性質2
機械材料の種類
機械材料の靱性、疲労、クリープ強さを理解する。
各種の機械材料の種類と用途を理解する。
3週 鋳造1 鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を理解する。
4週 鋳造2 精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を理解する。
5週 鋳造3 鋳物の欠陥や鋳物用材料を理解する。
6週 塑性加工1 鍛造・転造を特徴を理解する。
7週 中間試験
8週 塑性加工2 圧延およびその他の塑性加工を理解する。
2ndQ
9週 塑性加工3 プレス加工およびその他の塑性加工を理解する。
10週 溶接1 各種の溶接法を理解し分類できる。
11週 溶接2 アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を理解する。
12週 溶接3 ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを理解する。
13週 技術者倫理、技術史と持続可能性、法令遵守、国際貢献・地域貢献 科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の行動に関する基本的な責任事項、技術者倫理観に基づいて、持続可能性の社会を目指した、取るべきふさわしい行動と法令順守の重要性、国際貢献・地域貢献の必要性について理解する。
14週 情報倫理、知的財産 情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの知的財産について理解する。
15週 期末試験
16週 総復習
後期
3rdQ
1週 切削加工1 切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を理解する。
2週 切削加工2 切削工具材料の条件と種類および切削速度、送り量、切込みなどの切削条件選定を理解する。
3週 切削加工3 バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を理解する。
4週 切削加工4 フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を理解する。
5週 切削加工5 ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を理解する。
6週 研削加工1 砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを理解する。
7週 中間試験
8週 研削加工2 研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を理解する。
4thQ
9週 研削加工3 そのほかの研削加工方式を理解する。
10週 精密加工および特殊加工1 機械的エネルギーによる特殊加工などを理解する。
11週 精密加工および特殊加工2 物理化学的エネルギーによる特殊加工法などを理解する。
12週 プラスチック加工1 プラスチック材料の種類について理解する。
13週 プラスチック加工2 加工の各加工法の特徴を理解する。
14週 プラスチック加工3 その他の加工法、3Dプリンタによる加工方法の特徴を理解する。
15週 期末試験
16週 総復習

評価割合

定期試験小テストレポート合計
総合評価割合70300100
基礎的能力010010
専門的能力7020090
分野横断的能力0000