電磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電磁気学Ⅰ
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 国際創造工学科 機械・制御系(制御コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:安達三郎、大貫繁雄「電磁気学」(森北出版)、参考書:安達三郎、大貫繁雄「演習 電気磁気学」(森北出版)、小塚洋二 「電磁気学~その物理像と詳論~」(森北出版)
担当教員 佐藤 誠

到達目標

この科目では電気・電子工学の基礎となる静電界や電流と磁界などの電磁現象に関する法則を理解、説明できるようになることを目的とする。
・静電界における電荷、電界、電位等を説明でき、それらを計算できる。
・導体、誘電体の性質について説明できる。
・静電容量について説明でき、それらを計算できる。
・電流による磁界を説明でき、各種法則を用いて磁界の計算ができる。
・電磁誘導を説明でき、誘導起電力についての計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
静電界クーロンの法則およびガウスの法則の意味を理解し、それらを応用した一般的なモデルの計算に適用できる。クーロンの法則およびガウスの法則の意味を理解し、それらを用いた簡単な計算ができる。クーロンの法則およびガウスの法則の意味を理解しておらず、それらを用いて簡単な計算ができない。
導体と誘電体導体、誘電体の性質について説明でき、導体表面の電荷密度や電界の計算ができる。導体、誘電体の性質について説明できる。導体、誘電体の性質を理解しておらず説明できない。
静電容量静電容量について説明でき、直列・並列に接続されたコンデンサに蓄えられた静電エネルギーを計算できる。静電容量について説明でき、コンデンサに蓄えられた静電エネルギーを計算できる。静電容量について理解しておらず、静電容量の計算ができない。
静磁界電流により磁界が生じることを説明でき、アンペールの法則やビオ・サバールの法則を応用してコイルや導体を流れる電流によって作られる磁界の計算ができる。電流により磁界が生じることを説明でき、アンペールの法則やビオ・サバールの法則を用いて単純な磁界の計算ができる。電流により磁界が生じることを理解しておらず、アンペールの法則やビオ・サバールの法則を用いた単純な磁界の計算ができない。
電磁誘導電磁誘導を説明でき、磁界中を運動する導体による起電力などの計算ができる。電磁誘導を説明でき、誘導起電力についての単純な計算ができる。電磁誘導を理解しておらず、誘導起電力についての単純な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電界や磁界が、電荷や電流からどのように得られるかを学び、基本的な電気・磁気現象について理解する。
授業の進め方・方法:
授業は配布資料をもとに進めます、教科書は毎回の授業の予習・復習に活用してください。
注意点:
この科目では基本的な数学の知識が必要になります、簡単な微分・積分やベクトルの計算について必ず復習を行なってください。
また、電磁気学を理解するには、演習問題をたくさん解くことが役立つと言われています。教科書や参考書の演習問題をできる限り解いて、勉強した法則などの理解を深めてください。
理解した法則を式で表すことができる他に、その式が示す意味を言葉で簡単に表現できるようになると理解が深まります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論 なぜ電磁気学を学ぶ必要があるのか理解する。
2週 電荷 物質における電荷について理解する。
電荷の間に働く力をクーロンの法則を用いて理解する。
3週 真空中の静電界(1) 点電荷が周囲に電界を作ることを理解し、電界によって電荷に働く力を理解する。複数の電荷がある場合に生じる電界について理解する。
4週 真空中の静電界(2)
電界の強さ・広がりを電気力線で表す方法を理解する。
電位差と電位の考え方について理解する。
5週 真空中の静電界(3) 等電位面と電位の傾きについて理解する。
ガウスの法則を理解する。
6週 真空中の静電界(4) 帯電導体の電荷分布と電界について理解する。
7週 (中間試験)
8週 導体系と静電容量(1) 複数の導体によって構成される導体系における電位の考え方について電位係数を用いて理解する。
2ndQ
9週 導体系と静電容量(2) 導体系における、静電しゃへいについて容量係数・誘導係数を用いて理解する。
10週 導体系と静電容量(3) 静電容量の定義を理解する。
平行平板、導体球間の静電容量の考え方をガウスの法則をもとに理解する。
11週 導体系と静電容量(4) 直列・並列接続されてた平行平板コンデンサの静電容量について理解する。
コンデンサに蓄えられるエネルギー、エネルギーと帯電導体に働く力について理解する。
12週 誘電体(1) 誘電体の性質と分極について理解する。
誘電体中の電界、電束密度について理解する。
13週 誘電体(2) 誘電体中の電界の考え方をガウスの法則をもとに理解する。誘電率の異なる誘電体の境界面にガウスの法則を適用し電気力線と電束の屈折現象を理解する。
14週 誘電体(3) 誘電体中に蓄えられるエネルギーと境界面に働く力を理解する。
15週 (期末試験)
16週 総復習
後期
3rdQ
1週 電流と磁界(1) 電界と磁界の違いを理解する。
2週 電流と磁界(2) 電流によって磁界が作られることを理解する。
次回の強さを表す磁束密度を理解する。
3週 電流と磁界(3) 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。
4週 電流と磁界(4) 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。
5週 電流と磁界(5) 電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。
6週 電流と磁界(6) 電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。
7週 (中間試験)
8週 電流と磁界(7) 磁界中の電流に作用する力を説明できる。ローレンツ力を説明できる。
4thQ
9週 磁性体(1) 磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。
10週 磁性体(2) 強磁性体のヒステリシスループ、磁気エネルギーを理解する。
11週 磁性体(3) ソレノイドコイルに蓄えられる磁界のエネルギーを理解する。
12週 電磁誘導(1) 電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。
13週 電磁誘導(2) 自己誘導を説明でき、自己インダクタンスを求めることができる。
14週 電磁誘導(3) 相互誘導を説明でき、相互インダクタンスを求めことができる。
15週 (期末試験)
16週 総復習

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000