電気回路

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気回路
科目番号 0009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 国際創造工学科 電気・電子系 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:柴田尚志・皆藤新一「電気基礎」(コロナ社)、柴田尚志「電気回路Ⅰ」(コロナ社)
担当教員 山口 一弘,澤畠 淳二

到達目標

1.直流回路において、オームの法則、キルヒホッフの法則、重ねの理等の基本的事項を説明できる。
2.直流回路の計算ができる。
3.正弦波交流の振る舞いについて理解し、瞬時値やフェーザーを用いて電圧、電流を求められる。
4.R、L、C素子が直列接続、並列接続された交流回路の解法に習熟する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.直流回路についてオームの法則、キルヒホッフの法則、重ねの理等の基本的事項オームの法則、キルヒホッフの法則、重ねの理等の基本的事項を、これらの法則が適用されない場合も含めて、分かりやすく説明できる。オームの法則、キルヒホッフの法則、重ねの理等の基本的事項を説明できる。基本的事項を説明できない。
2.直流回路の計算適切な回路計算法を選択して直流回路の計算ができる。直流回路の計算ができる。直流回路の計算ができない。
3.正弦波交流と交流回路の計算に関する基本的事項正弦波交流の振る舞いについて理解し、瞬時値、フェーザー、複素数を用いて電圧、電流を求めることができる。正弦波交流の振る舞いについて理解し、瞬時値、フェーザー、複素数を用いて簡単な回路の電圧、電流を求めることができる。正弦波交流の振る舞いについて理解し、瞬時値、フェーザー、複素数を用いて電圧、電流を求めることができない。
4.交流回路の計算R、L、C素子が直列接続、並列接続された交流回路を解析でき、その結果を応用できる。R、L、C素子が直列接続、並列接続された交流回路を解析できる。R、L、C素子が直列接続、並列接続された交流回路を解析できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
まず、電気回路の初歩である直流回路について学びながら電圧、電流、抵抗、電力の概念、および電気回路に関する基本的な法則を習得する。
つぎに、交流回路の基礎と回路解法について学び、以降の電気・電子工学の学習に資することを目的とする。
授業の進め方・方法:
直流回路、正弦波交流回路は、電気工学を学ぶうえで最も基礎となる科目の一つである。演習の時間を多く採り入れるよう構成してあるので、問題はすべて自力で解き、着実に理解していくよう心がけること。
前期の授業について 1)講義資料は、指定するサイトからダウンロードし、授業では、それをPC等で閲覧しながら学習することになる。2)授業形態は、アクティブ・ラーニングで行い、学習内容を解説した後、グループ学習を主体として演習・振り返り等を行う。
注意点:
本教科は、卒業後、電気主任技術者の免状交付申請を行うために開設されている科目である。
評価方法は、定期試験の成績70%、小テストや課題、レポート等の成績30%で評価する。
科目の評価は、前期成績と後期成績の平均点を用いる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・大きい数と小さい数の表し方
・起電力、電圧、電流
・直流回路を学ぶ目的を説明できる。
・大きい数と小さい数の表し方を説明できる。
・起電力、電圧、電流の概念を説明できる。
2週 ・Ohm(オーム)の法則
・電気抵抗の形状依存性と温度依存性
・比例関係と物理量の関係を説明できる。
・Ohmの法則と電気抵抗を説明できる。
・抵抗率や導電率の定義を説明し、抵抗体の形状と電気抵抗からそれらを算出できる。また、その温度特性を説明できる。
3週 ・Kirchhoff(キルヒホッフ)の法則 ・Kirchhoffの法則を説明できる。
4週 ・回路方程式 ・Ohmの法則とKirchhoffの法則に基づいて、回路方程式を立て計算できる。
5週 ・分圧則と分流則 ・分圧則と分流則を説明し、回路計算に応用できる。
6週 ・等価回路と合成抵抗 ・等価回路の考え方を説明し、合成抵抗を求められる。
7週 前期中間試験
8週 ・重ねの理 ・重ねの理を説明し、回路計算に応用できる。
2ndQ
9週 ・電源と内部抵抗
・電圧源、電流源、内部抵抗を説明できる。

10週 ・電気エネルギーⅠ ・電力、電力量、電気エネルギーの関係を説明し、それらの量を計算できる。
11週 ・電気エネルギーⅡ ・電気回路において、電力や電力量の計算ができる。
12週 ・ループ電流法 ・ループ電流法を説明し、直流回路の計算に応用できる。
13週 ・電位と節点電流法 ・節点電流法を説明し、直流回路の計算に応用できる。
14週 ・直流回路の応用 ・ブリッジ回路などの応用例を説明できる。
15週 前期期末試験
16週 直流回路のまとめと総復習 前期の内容について、振り返りができる。
後期
3rdQ
1週 ・正弦波交流の特徴と周波数、位相 正弦波の特徴を理解し、周波数、位相と位相差の概念について理解を深める。
2週 ・正弦波の最大値と実効値、平均値 正弦波交流で実効値が使われる理由を理解する。
3週 ・正弦波交流の発生について 電磁誘導現象や交流発生の原理が理解できる。
4週 ・抵抗における電圧と電流の関係
・コイルにおける電圧と電流の関係
オームの法則の交流への拡張を理解する。
インダクタンスの定義を理解する。
コイルに正弦波を印加したときの電圧と電流の関係を理解する。
5週 ・.コンデンサにおける電圧と電流の関係 キャパシタンスの定義を理解する。
コンデンサに正弦波を印加したときの電圧と電流の関係を理解する。
6週 ・瞬時値を用いた交流回路の計算
瞬時値を用いてRL、RC、RLC並列及び直列回路の電流を求めることができる。
7週 後期中間試験
8週 ・抵抗、コイル、コンデンサの直列、並列接続 抵抗、コイル、コンデンサを直列、並列接続した場合の合成抵抗、インダクタンス、キャパシタンスを求めることができる
4thQ
9週 ・フェーザと正弦波交流の関係
・フェーザを用いた作図による回路計算
フェーザと正弦波交流の関係を理解する。
フェーザを用いて、RL、RC、RLC並列回路の電流を求めることができる。
10週 ・フェーザを用いた作図による回路計算 フェーザを用いて、RL、RC、RLC直列回路、直並列回路の電流を求めることができる。
11週 ・複素数
・複素数の四則演算
複素数が理解できる。
複素数が計算できる。
12週 ・複素数を用いた交流回路の計算(1) 複素数を用いて、RL直列、RC直列、RLC直列回路の電流を求めることができる。
13週 ・複素数を用いた交流回路の計算(2) 複素数を用いて、RL並列、RC並列、RLC並列回路の電流を求めることができる。
14週 ・複素数を用いた交流回路の計算(3) RLC直並列回路の合成複素インピーダンス・アドミッタンス、分圧・分流を求めることができる。
15週 後期期末試験
16週 これまでのまとめと総復習

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト・課題など合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000