電気回路

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気回路
科目番号 0032 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 電気・電子系 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:柴田尚志著「電気回路Ⅰ」(コロナ社):2学年で使用した教科書、 参考書:小郷寛原著、小亀・石亀共著「基礎からの交流理論」(電気学会)、雨宮好文著「基礎電気回路」( オーム社)
担当教員 皆藤 新一

到達目標

1.ガウス平面上のフェーザーを用いて正弦波交流回路の電圧、電流、電力を求められる。
2.キルヒホッフの法則や合成インピーダンス、分圧・分流の考え方を用いて交流回路の計算ができる。
3.任意の交流回路の有効電力、無効電力、複素電力を求められる。
4.各種回路解法(重ねの理、テブナンの定理、ループ電流法、節点電位法)を駆使して回路の計算ができる。
5.交流ブリッジ回路、直列共振、並列共振回路の計算ができる。
6.相互インダクタンスを含む回路の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
複素フェーザーを用いた回路解法ガウス平面上のフェーザーを用いて正弦波交流回路の電圧、電流、電力を求められる。ガウス平面上のフェーザーを用いて簡単な正弦波交流回路の電圧、電流、電力を求められる。ガウス平面上のフェーザーを用いて正弦波交流回路の電圧、電流、電力を求められない。
キルヒホッフの法則キルヒホッフの法則や合成インピーダンス、分圧・分流の考え方を用いて交流回路の計算ができる。キルヒホッフの法則を用いて簡単な交流回路の計算ができる。キルヒホッフの法則を用いて交流回路の計算ができない。
交流電力任意の交流回路の有効電力、無効電力、複素電力が計算できる。簡単な交流回路の有効電力、無効電力、複素電力が計算できる。交流回路の有効電力、無効電力、複素電力が計算できない。
各種回路解法各種回路解法(重ねの理、テブナンの定理、ループ電流法、節点電位法)を駆使して回路の計算ができる。各種回路解法(重ねの理、テブナンの定理、ループ電流法、節点電位法)を用いて回路の計算ができる。各種回路解法(重ねの理、テブナンの定理、ループ電流法、節点電位法)を用いて回路の計算ができない。
交流ブリッジ回路・共振回路交流ブリッジ回路や直列共振回路、並列共振回路の計算ができる。交流ブリッジ回路や直列共振回路、並列共振回路の基本的な計算ができる。交流ブリッジ回路や直列共振回路、並列共振回路の計算ができない。
相互インダクタンス相互誘導を説明し、相互誘導回路や理想変圧器を含む回路の計算ができる。相互誘導を説明し、相互誘導回路や理想変圧器を含む簡単な回路の計算ができる。相互誘導を説明し、相互誘導回路や理想変圧器を含む回路の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
2学年の電気回路の継続で、交流電力、交流回路の各種解法に習熟するとともに、交流ブリッジ回路、直列・並列共振回路を理解し、応用できるようにする。
授業の進め方・方法:
講義主体で授業は行う。
講義主体で授業は行い、評価は定期試験80%と課題を含めたノートの取りまとめ状況20%で行う。
注意点:
2学年で学んだ電気回路や数学で学んだ基礎的な知識が実際の交流回路の解法に生かされることになるので、三角関数や行列・行列式を中心に、これまで学んできた事項を復習しておくこと。
本教科は、卒業後,電気主任技術者の免状交付申請を行うために開設されている科目である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.記号法による交流回路の解法
(1)正弦波の特長
(2)複素数を用いた正弦波の和
正弦波の特長と複素数を用いた正弦波の和の求め方を習得する。
2週 (3)RLCの正弦波応答 R,L、Cの正弦波応答を復習し、jωとフェーザーを用いた記号法による交流回路の解析法の原理を復習する。
3週 (4)キルヒホッフの法則 記号法を用いたKCLやKVLを理解し、直列・並列接続された回路の合成インピーダンス、合成アドミタンスを求められるようにする。
4週 (5)直列接続・並列接続 分圧、分流の考えを用いて交流回路を解けるようにする。
5週 (6)記号法を用いた正弦波交流回路の解析法のまとめ 複素数を用いて電流、電圧の瞬時値を求める記号法を習得する。
6週 演習 演習を通して記号法による交流回路の解法を習得する。
7週 2.交流電力
(1)瞬時電力と有効電力
単相交流回路の瞬時電力、有効電力と力率とは何かを理解する。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 (2)無効電力
(3)複素電力
単相交流回路の皮相電力、無効電力とは何かを理解する。
単相交流回路の複素電力の意味を理解し、計算できるようにする。
10週 3.重ねの理
(1)電圧減と電流源
電圧源と電流源の概念を理解し、これらの等価変換ができるようにする。
11週 (2)重ねの理を用いた回路解法 重ねの理の意味を理解し、電圧源と電流源が混在する回路を重ねの理を用いて解析できるようにする。
12週 4.テブナンの定理 等価電源の定理としてのテブナンの定理の意味を理解し、テブナンの定理を用いた回路解法を習得する。
13週 テブナンの定理の演習 演習を通して重ねの理とテブナンの定理を用いた回路解法を習得する。
14週 5.交流ブリッジ 交流ブリッジ回路の解法と平衡条件を理解する。
15週 前期末試験
16週 総復習 これまでの総復習とまとめ
後期
3rdQ
1週 6.相互誘導回路 自己誘導と相互誘導を復習し、相互インダクタンスを含む回路が解析できるようにする。
2週 相互誘導回路の演習 演習を通して相互インダクタンスを含む回路を解析できるようにする。
3週 7.周波数特性 RL直列回路やRC直列回路などの簡単な交流回路について、周波数が変化したときの電圧、電流の大きさや位相の変化を解析できるようにする。
4週 フィルター RL直列回路、RC直列回路の周波数特性からハイパスフィルター、ローパスフィルターを理解する。
5週 8.共振回路
(1)直列共振
RLC直列共振回路を理解する。
6週 (2)並列共振 RLC並列共振回路を理解する。
7週 9.フェーザー軌跡 簡単な回路について周波数が変化したときのインピーダンスや電圧、電流のフェーザ軌跡を理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 10.回路のグラフ 電気回路のグラフ、木、補木の概念を理解し、グラフからループ方程式を効率的にたてる手法を理解する。
10週 11.ループ電流法 ループ方程式における係数行列の物理的な意味を理解してループ方程式をチェックできるようにし、ループ電流法を用いての回路解析を習得する。
11週 ループ電流法の演習 演習を通してループ電流法を用いた回路解析を習得する。
12週 ループ電流法の演習 演習を通してループ電流法を用いた回路解析を習得する。
13週 12.節点電位法 電気回路のグラフから節点方程式を効率的にたてる手法を理解する。
14週 節点電位法の演習 節点電位法を用いた回路解析を習得する。
15週 後期期末試験
16週 総復習 これまでの総復習とまとめ

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000