Japanology

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 Japanology
科目番号 0050 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 国際創造工学科 電気・電子系 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書は特に指定しない.参考文献等については授業の中で適宜紹介する.
担当教員 桐生 貴明,本田 謙介,坂内 真三,加藤 文彬,今田 充洋,久保木 祐生,井坂 友紀,平本 留理,大川 裕也,安藤 邦彬,大津 麻紀子

到達目標

1. 人文科学的見地から,日本の特質を説明できる.
2. 日本に固有の自然科学的営みについて,具体的事例をもとに説明できる.
3. 社会科学的見地から,日本の特質を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1人文科学的見地から,日本の特質を他国との比較を交えて説明できる.人文科学的見地から日本の特質を説明できる.人文科学的見地から日本の特質を説明できない.
評価項目2日本に固有の自然科学的営みについて,具体的事例をもとに,他国との比較を交えて説明できる.日本に固有の自然科学的営みについて,具体的事例をもとに説明できる.日本に固有の自然科学的営みについて,具体的事例をもとに説明できない.
評価項目3社会科学的見地から,日本の特質を他国との比較を交えて説明できる.社会科学的見地から日本の特質を説明できる.社会科学的見地から日本の特質を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 本科目のねらいの1つは自国理解の促進である.世界の様々な国や地域についての学びは今日ますます重要となっている.だが他国を理解する上での前提となるのは自国についての理解である.自国の文化や社会の特質を認識し相対化するという営みなくして,異文化(多文化)を真に理解し尊重することはできない.
 第2のねらいは留学生の日本理解の促進である.留学生は日々の生活や様々な体験・交流を通じて日本の文化や社会を「体感」している.だが日本の文化的・社会的特質を把握するためには,それらを形作ってきた言語,思想,知的探究,社会経済構造等についてのより深い理解が求められる.
 本科目では,一般教養部教員がそれぞれの専門分野の知見を活かしつつ,日本の文化や社会に関わる様々なトピックについて講義を行う.教科書的な「日本事情」とは一味違った学びの機会を提供したい.
授業の進め方・方法:
本科目は11名の一般科目教員による集中講義形式をとる.各担当教員は3コマの持ち時間の中で自身の専門分野に関わる1つのテーマを取り上げ,講義を行う.授業内容は当然のことながら全て「日本」に関わるものとなるが,人文・社会科学系だけでなく自然科学系のテーマも含まれる.成績評価は各担当教員から示される課題等の取り組みによって行われる.
注意点:
以下の「授業計画」は「前期」と「後期」に分けられているが,上述の通り本科目は集中講義形式をとる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 日本を英語で学ぶ(1)マリン・バイオテクノロジー 魚の輸送技術について書かれた英文を読み、理解することができる。
2週 日本を英語で学ぶ(2)新幹線の車内清掃 新幹線の車内清掃について書かれた英文を読み、理解することができる。
3週 日本を英語で学ぶ(3)日本人の海外移民 第2次世界大戦時の日系アメリカ人強制収容所について書かれた英文を読み、理解することができる。
4週 日本におけるスポーツ(1) 日本におけるスポーツについて歴史的背景を基に理解し,説明できる.
5週 日本におけるスポーツ(2) 主にオリンピックなどのスポーツイベントにおける日本の存在について理解し,説明できる.
6週 日本におけるスポーツ(3) 我が国で独自の発展を遂げた水泳である『日本泳法』について理解し,説明できる.(希望者にはプールにて実技指導を行うので水着,タオル等を準備すること)
7週 日本における神と仏(1) 記紀神話などに描かれる神々の姿を通して、日本における「神」のとらえ方を理解することができる。
8週 日本における神と仏(2) 説話などの文学を通して、日本における神仏習合の考え方を理解することができる。
2ndQ
9週 日本における神と仏(3) 仏教的思想と日本文学との関わりについて、その概要を理解することができる。
10週 日本語から外国語を見る 日本語(の文法)を知ることによって外国語(の文法)が理解できることがわかる。
11週 外国語から日本語を知る 外国語(の文法)を学ぶことがいかに日本語(の文法)の力を向上させるかがわかる。
12週 すべての言語に共通の文法はあるのか? すべての人間が持つ共通の文法―普遍文法(Universal Grammar)-について理解することができる
13週 「やまとことば」と「ドレミファソラシド」再考ーやっぱり歌謡曲は無敵なりー やまとことばを西洋の音楽形式にのせることに心血を注いだ先達の労苦を味わい、創造力を進化させる(創造力が進化する)ことは"Easier said than done"であることを改めて噛みしめることができる。
14週 「恋するフォーチュンクッキー」再考ーやっぱりカノン進行は無敵なりー AKB 48による「恋するフォーチュンクッキー」など、日本でヒットした大衆音楽に散見する共通点(どのような視点でも構わない)を発見し、その発見の喜びを分かち合うことができる。
15週 「パプリカ」再考ーやっぱりヨナ抜き音階は無敵なりー 「第61回輝く!日本レコード大賞」(2019年12月30日)において、Foorinによる「パプリカ」が「日本レコード大賞」を受賞した理由(どのような視点でも構わない)を堂々と発表することができる。
16週 日本の発酵食品(文化的視点から) 日本で日常的に食べられている発酵食品について,食卓に永く根付いてきた歴史的・地理的背景を説明することができる.
後期
3rdQ
1週 日本の発酵食品(科学的視点から) 代表的な発酵食品について,発酵する過程で起こる成分変化と生み出される成分の機能性を説明できる.
2週 和算(1) 和算の歴史について、世界の数学の流れと比較しながら理解できる。
3週 和算(2) 和算における現代の代数の範疇に関わる問題を和算の手法を用いて解くことができる。
4週 日本の数学者(1) 日本の数学者の業績について理解できる。
5週 和算(3) 和算で扱われていた研究対象について、当時の日本と西洋の手法を比較しながら理解できる。
6週 和算(4) 和算における図形的な問題について理解し、解くことができる。
7週 日本の数学者(2) 江戸時代以降の、主な日本の数学者の業績について理解できる。
8週 日本文学に於ける漢文受容(1)漢文とは何か 「漢文」がどの様なものであり、それをどの様に受容したのかについて理解し、説明できる。
4thQ
9週 日本文学に於ける漢文受容(2)懐風藻~漱石の漢詩 『懐風藻』以来、我が国で漢文・漢詩がどの様に発展したのか理解し、自らの読みを深める。
10週 日本文学に於ける漢文受容(3)懐風藻~漱石の漢詩 『懐風藻』以来、我が国で漢文・漢詩がどの様に発展したのか理解し、自らの読みを深める。
11週 国学について(契沖を中心に) 和学、古学などとも称される国学について、その概略を理解し、説明できる。
12週 国学について(賀茂真淵を中心に) 和学、古学などとも称される国学について、その概略を理解し、説明できる。
13週 国学について(本居宣長を中心に) 和学、古学などとも称される国学について、その概略を理解し、説明できる。
14週 日本経済の特質(1)金融・財政 日本の財政・金融の基本的特徴について,主要先進諸国との比較を交えて,説明できる.
15週 日本経済の特質(2)産業 90年代以降のものづくり産業の競争力低下について,「すり合わせ型」と「モジュール型」の概念等を用いて説明できる.
16週 日本経済の特質(3)労働 いわゆる「日本的経営」とその変化について,労働市場や労働法制の動向等と関連付けて説明できる.

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力00000100100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000