人間と世界Ⅰ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 人間と世界Ⅰ
科目番号 0059 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位II: 2
開設学科 国際創造工学科 電気・電子系 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 適宜プリントを配布する。
担当教員 田村 歩

到達目標

著名な哲学者たちが提示してきた諸見解に実際に触れることで、哲学史上の基本的な事項を抑えると同時に、ものごとを多角的に検討する能力を涵養する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1哲学史上の様々な論点について正しく理解し、自分なりの見解をもつことができる。哲学史上の様々な論点について正しく理解し、説明することができる。哲学史上の様々な論点について正しく理解することができない。
評価項目2一つの事がらについて、自力で、複数の観点から検討することができる。一つの事がらについて、自らの見解と他者の見解を比較・検討することができる。一つの事がらについて、固定された見解しかもちえない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
長い哲学史において議論されてきた様々な問題を検討することで、ものごとを多角的に検討する能力を涵養する。具体的には、古代ギリシャから近現代に至る西洋哲学を素材とし、哲学者たちの緻密で重層的な議論を辿っていく。
授業の進め方・方法:
本授業は、基本的には講義形式で行われる。受講の際には、言及される事がらについての一問一答的な暗記に終始するのではなく、一つの哲学的な見解が提示されるに至るまでの過程を重視してもらいたい。
注意点:
既存の知識や常識、他者の見解に無批判に追従しないこと。自分の見解に固執して他者の見解を根拠なく排斥しないこと。
なお、本年度の本科目の内容は、基本的に「人間と世界Ⅲ」と同等である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスと導入
2週 哲学とは何か? 右の問題について理解し、議論を辿る。
3週 〈万物の根源〉の探究と古代ギリシャ哲学 同上。
4週 〈思考の限界への挑戦〉としての古代ギリシャ哲学――パラドックス/原子論 同上。
5週 〈実践〉としての古代ギリシャ哲学――ソクラテス 同上。
6週 確実な認識と形而上学――プラトン 同上。
7週 1~6週までの総括
8週 存在論――アリストテレス 同上
2ndQ
9週 倫理学の発展 同上。
10週 哲学とキリスト教 同上。
11週 自由意志と決定論 同上。
12週 中世から近世へ 同上。
13週 8~13週までの復習
14週 全範囲の総括
15週 期末試験は行わない
16週 成績評価課題の返却と解説
後期
3rdQ
1週 近代科学の誕生 科学と哲学とはどのような関係にあるか?
2週 理性主義哲学――デカルトa 〈私〉とは何か?
3週 理性主義哲学――デカルトb 世界とはどのように存在しているのか?
4週 経験主義哲学――ロック
物体とはどのように存在しているのか?
5週 経験主義哲学――バークリー 世界とは〈私〉の意識の産物にすぎないのではないか?
6週 経験主義哲学――ヒューム 因果関係とは単なる前後関係にすぎないのではないか?
7週 (中間試験)
8週 答案の返却と解説
4thQ
9週 理性主義と経験主義との合流――カント 世界は三次元なのか?それとも単に人間には三次元にしか見えないだけなのか?
10週 道徳哲学――カント 殺人鬼から友人を庇うためにウソをつくことは悪である!?
11週 倫理学a 多数を救うために少数を犠牲にすることは許されるか?
12週 倫理学b 生存のための殺人は許されるか?
13週 倫理学c 検討中。
14週 予備日あるいは総括
15週 (期末試験)
16週 答案の返却と解説

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力(前期)050000050
基礎的能力(後期)500000050