電子回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子回路Ⅱ
科目番号 0061 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位I: 2
開設学科 国際創造工学科 電気・電子系 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 高木茂孝,鈴木憲次 他 電子回路(3年生で利用した教科書)、配布資料
担当教員 成 慶珉,長洲 正浩

到達目標

1. 回路の周波数特性とダイオードの動作特性説明できる。
2. トランジスタによる増幅回路の動作原理が説明できる。
3. 演算増幅器を用いた基本増幅回路と演算回路が説明できる。
4. CPLD, FPGAによるプログラマブルディジタルICの設計が理解できる。
5. ハードウェア記述言語による回路設計が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
回路の周波数特性とダイオードの動作特性回路の周波数特性とダイオードの動作特性が説明できる。回路の周波数特性とダイオードの動作特性が理解できる。回路の周波数特性とダイオードの動作特性が理解できない。
トランジスタのバイアス回路と増幅の原理トランジスタのバイアス回路と増幅の原理が説明できる。トランジスタのバイアス回路と増幅の原理が理解できる。トランジスタのバイアス回路と増幅の原理が理解できない。
演算増幅器演算増幅器を用いた基本増幅回路と演算回路が説明できる。演算増幅器を用いた基本増幅回路と演算回路が理解できる。演算増幅器を用いた基本増幅回路と演算回路が理解できない。
回路シミュレータによる計算SPICEを用いて様々な電子回路の設計、計算ができ、説明ができる。SPICEを用いて様々な電子回路の設計、計算ができる。SPICEを用いた電子回路の設計、計算ができない。
A/D変換、D/A変換A/D変換、D/A変換の動作原理が理解でき、様々な方法について説明できる。A/D変換、D/A変換の動作原理が理解できる。A/D変換、D/A変換の動作原理が理解できない。
プログラマブルディジタルICの設計FPGAの設計方法が理解でき、簡単なディジタル機能が実現できる。FPGAの設計方法が理解できる。FPGAの設計方法が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期では、第3学年で学んだ電子回路Ⅰをもとにコンピュータによる電子回路シミュレータ(SPICE)を用いて半導体素子の特性と電子回路の動作原理を理解する。電子回路シミュレーションではDC、AC、過渡解析の解析方法を学び、自ら電子回路を解析できる能力を養う。ダイオードによる整流回路とトランジスタによる基本増幅回路をシミュレーションする。さらに演算増幅による増幅回路と基本的な演算回路を計算し、最後に発振回路の動作原理を学ぶ。
後期では、現在広く使用されるディジタル集積ICであるFPGA(Field Programmable Gate Array)について学ぶ。FPGAの基本構造と設計方法を理解し、主な設計法である回路図入力法とハードウェア記述言語(Hardware Description Language)による設計法を習得する。さらに自ら設計した回路を評価ボードに実装し、その動作を確認する。
授業の進め方・方法:
個人のパソコンを用いて回路シミュレータとFPGAの総合開発ソフトウェアによる実習と、座学による理論説明を並行しながら授業を行う。
実習では与えられた電子回路をSPICEを通して解析し、その結果と課題を文章でまとめ提出する。
後期、FPGA設計では開発用ソフトウエアの使い、自ら電子回路の設計ができることを目指す。
注意点:
実習において、課題が提示され、次週までにまとめ提出することとなる。学修単位であるため、授業時間内に終わらない課題は自学自習を行うこと。
前期と後期で定期試験と実習課題の評価割合が異なるので注意すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子回路のガイダンスとSPICEの使い方 授業の進め方を理解しする。
SPICEのインストールし、直流回路を組み使い方を学ぶ。
2週 受動素子RLC回路によるシミュレーション DC、AC、過渡解析ができる。
3週 共振特性とフィルタリング特性の解析ができる。
4週 2週、4週の結果をまとめ報告できる。
5週 整流回路 全波整流回路のシミュレーション解析ができる。
6週 6週の結果をまとめ報告できる。
7週 増幅回路の周波数特性 トランジスタによる増幅回路 トランジスタによるエミッタ接地増幅回路、およびエミッタ抵抗による負帰還増幅回路の原理を理解する。
負帰還により、周波数特性が改善されることを解析できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 7週の結果をまとめ報告できる。
10週 電力増幅回路 電力増幅回路であるB級増幅回路の動作原理を理解する。
11週 差動増幅回路 差動増幅回路の動作原理を理解する。
12週 演算増幅器 オペアンプICによる様々な回路の計算ができる。
13週 10週、11週、12週の結果をまとめ報告できる。
14週 発振回路 発振回路のシミュレーションによる設計と動作原理を理解する。
15週 期末試験
16週 総復習 14週の結果をまとめ報告する
後期
3rdQ
1週 真空管から集積回路 電子回路が集積化に進んだ背景を理解する。
2週 DTL集積回路 DTL( Diode-Transistor Logic )集積回路による基本論理回路を理解する。
3週 TTL集積回路 TTL( Transistor-Transistor Logic )集積回路による基本論理回路を理解する。
4週 CMOS CMOSインバータの動作原理と、CMOSによる基本ゲート回路の動作を理解する。
5週 CMOS集積回路 LTspiceによる複雑なロジック回路の設計ができる。
6週 アナログとデジタル アナログとデジタル量、標本化とサンプリング定理、量子化と量子化誤差を理解し、A/D変換の原理を理解する。
7週 D/A変換 様々なD/A変換回路方式を理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 プログラマブルICの紹介と設計法 PLD(Programable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)の構造や設計方法を理解する。
10週 プログラマブルICの回路図入力による設計と動作確認 プログラマブルICにおける基本ゲート回路の入力と動作確認ができる。
11週 HDLによる回路設計 HDL(Hardware Description Language)による回路設計とシミュレーションによる動作確認ができる。
12週 HDLの文法 HDLの基本文法を理解し、加算回路等の簡単なデジタル回路の設計が理解できる。
13週 評価ボードへの実装と動作確認 FPGAによる評価ボードへの実装ができ、作成した回路の動作確認ができる。
14週 順序回路 組み合わせ回路と順序回路のHDL記述を理解する。両方の設計法による回路の動作が確認できる。
15週 期末試験
16週 総復習 これまでのまとめ

評価割合

前期 定期試験前期 実習課題後期 定期試験後期 実習課題合計
総合評価割合60405050200
基礎的能力00000
専門的能力60405050200
分野横断的能力00000