応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0080 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 電気・電子系 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:小寺平治著「微分方程式」(共立出版)、高遠節夫ほか「新応用数学」(大日本図書)
担当教員 田辺 隆也

到達目標

1. 1階微分方程式ならびに線形微分方程式の各種解法を習得する。
2. ベクトル関数を用いて曲線、曲面を表現し、これらに関する各種の量を求められる。
3. スカラー場・ベクトル場における勾配・発散・回転などの演算に習熟するとともに積分定理を理解し、これらを応用できる。
4. フーリエ級数、フーリエ変換の基本的な演算手法を習得し、工学と関連付けて応用できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11階微分方程式、線形微分方程式を解くことができる。簡単な1階微分方程式、線形微分方程式を解くことができる。1階微分方程式、線形微分方程式を解くことができない。
評価項目2ベクトル関数を用いて曲線、曲面を表現でき、これらに関する各種の量を求められる。ベクトル関数を用いて簡単な曲線、曲面を表現でき、これらに関する各種の量を求められる。ベクトル関数を用いて曲線、曲面を表現できず、これらに関する各種の量を求められない。
評価項目3勾配・発散・回転を求めることができ、積分定理を応用できる。勾配・発散・回転を求めることができる。勾配・発散・回転を求めることができない。
評価項目4周期関数のフーリエ級数、ならびに関数のフーリエ展開が求めることができ、信号解析などの応用について説明できる。周期関数のフーリエ級数、ならびに関数のフーリエ展開が求められる。周期関数のフーリエ級数、ならびに関数のフーリエ展開が求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
自然科学や工学におけるさまざまな現象を記述するのに用いられる微分方程式ならびにベクトル解析の初歩を、これまで学んだ微分積分学の復習・発展の観点から学ぶ。
授業の進め方・方法:
シラバス、教科書、配布プリントを参考に、次回の内容を予習しておくこと。また、復習として講義後に提示される演習問題を自ら解いて自分のものとすること。
注意点:
選択科目であるが、卒業までに修得すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.1階微分方程式
(1) 変数分離形微分方程式
微分方程式とは何かを理解する。
変数分離形微分方程式の解法を習得する。
2週 (2) 同次形微分方程式 同次形微分方程式の解法を習得する。
3週 (3) 1階線形微分方程式 1階線形微分方程式の解法を習得する。
4週 (4) 1階線形に変形できる微分方程式 Bernoulli形微分方程式の解法を習得する。
5週 Riccati形微分方程式の解法を習得する。
6週 (5) 完全微分形方程式 完全微分形方程式の解法(積分因数を含む)を習得する。
7週 2.線形微分方程式
(1) 線形微分方程式の解の性質
線形微分方程式の解の性質と関数の一次独立性のWronskian判定法を理解し、同次線形微分方程式の基本解とは何かを理解する。
8週 (2) 同次線形微分方程式 同次線形微分方程式の解法を習得する。
2ndQ
9週 (3) 非同次線形微分方程式 非同次線形微分方程式の一般解と同次方程式の一般解の関係と重ね合わせの原理を理解する。
10週 未定係数法による非同次線形微分方程式の特殊解の求め方を習得する。
11週 定数変化法による非同次線形微分方程式の特殊解の求め方を習得する。
12週 初期条件が与えられた場合の非同次線形微分方程式の特殊解の求め方を習得する。
13週 (4) 定数係数線形微分方程式 線形微分方程式に対する演算子を理解する。
14週 定数係数同次線形微分方程式の解法を習得する。
15週 レポートにより評価
16週 総復習 これまでの総復習とまとめ
後期
3rdQ
1週 4.ベクトル関数
(1) ベクトル関数
空間ベクトル、内積・外積、ベクトル関数の定義を理解する。
2週 (2) ベクトル関数の導関数 ベクトル関数の導関数を求められるようにする。
3週 (3) 曲線 ベクトル関数を用いた曲線の表現を理解し、曲線の接線ベクトル・曲線の長さの求め方を習得する。
4週 (4) 曲面 ベクトル関数を用いた曲面の表現を理解し、曲面の法線ベクトル・接平面・面積の求め方を習得する。
5週 5.スカラー場・ベクトル場
(1) スカラー場、ベクトル場とは
(2) スカラー場の勾配
スカラー場・ベクトル場の概念を理解し、スカラー場の方向微分と勾配を求められるようにする。
6週 (3) ベクトル場の発散と回転 ベクトル場に対する指力線と発散の概念を理解し、ベクトル場における回転を求められるようにする。
7週 中間試験
8週 5.線積分・面積分と積分定理
(1) 線積分
スカラー場、ベクトル場の線積分とは何かを理解し、各線積分を求められるようにする。
4thQ
9週 (2) 面積分 スカラー場、ベクトル場の面積分とは何かを理解し、各面積分を求められるようにする。
10週 (3) 積分定理 グリーンの定理、ガウスの発散定理、ストークスの定理およびその物理的意味を理解し、積分定理を応用した計算ができるようにする。
11週 (4) マクスウェル方程式 積分定理とマクスウェル方程式について理解する。
12週 6.フーリエ解析
(1) フーリエ級数
フーリエ級数を理解し、非正弦波を複数の正弦波に分解できるようにする。
13週 (2) 複素フーリエ級数 複素フーリエ級数について理解し、様々な周期関数の級数展開ができるようにする。
14週 (3) フーリエ変換 フーリエ変換の概念を理解し、代表的な関数のフーリエ変換を計算できるようにする。
15週 後期期末試験
16週 総復習 これまでの総復習とまとめ

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合404000020100
基礎的能力0000000
専門的能力404000020100
分野横断的能力0000000