応用数学Ⅰ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用数学Ⅰ
科目番号 0091 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 電気・電子系 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:田中聡久著「書き込み式 工学系の微分方程式入門」(コロナ社)、浜松芳夫著「ベクトル解析の基礎から学ぶ電磁気学」(森北出版)
担当教員 若松 孝,服部 綾佳

到達目標

1. 1階微分方程式ならびに線形微分方程式の各種解法を習得する。
2. ベクトルの基礎演算(スカラー積、ベクトル積)や微分演算(勾配、発散、回転)を理解し、これらの演算ができる。
3. 円柱座標や球座標と直角座標との関係、およびそれら座標系における微分演算を理解し、これらの演算ができる。
4. フーリエ級数展開やフーリエ変換法の基本的な方法を習得し、信号解析へ応用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目11階微分方程式、線形微分方程式を解くことができる。簡単な1階微分方程式、線形微分方程式を解くことができる。1階微分方程式、線形微分方程式を解くことができない。
評価項目2ベクトルの基礎演算(スカラー積、ベクトル積)や微分演算(勾配、発散、回転)に関する演算ができる。ベクトルの基礎演算(スカラー積、ベクトル積)や微分演算(勾配、発散、回転)に関する簡単な演算ができる。ベクトルの基礎演算(スカラー積、ベクトル積)や微分演算(勾配、発散、回転)に関する簡単な演算ができない。
評価項目3円柱座標と球座標系における各種の微分演算ができる。円柱座標と球座標系における各種の簡単な微分演算ができる。円柱座標と球座標系における各種の簡単な微分演算ができない。
評価項目4周期関数のフーリエ級数、及び関数のフーリエ展開が求めることができ、信号解析へ応用できる。周期関数のフーリエ級数、及び関数のフーリエ展開が求められる。周期関数のフーリエ級数、及び関数のフーリエ展開が求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
自然科学や工学におけるさまざまな現象を記述するのに用いられる微分方程式ならびにベクトル解析の初歩を、これまで学んだ微分積分学の復習・発展の観点から学ぶ。
授業の進め方・方法:
シラバス、教科書、配布プリントを参考に、次回の内容を予習しておくこと。また、復習として講義後に提示される演習問題を自ら解いて自分のものとすること。
注意点:
選択科目であるが、4年で必ず修得すること。
前期は試験8割、課題2割で評価する。
後期は課題(小テスト含む)100%で評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 1階線形微分方程式
(1) 変数分離形微分方程式
微分方程式とは何かを理解する。
変数分離形微分方程式の解法を習得する。
2週 (2) 同次形微分方程式 同次形微分方程式の解法を習得する。
3週 (3) 1階線形微分方程式 1階線形微分方程式の解法を習得する。
4週 (4) 1階線形微分方程式に帰着できる方程式 ベルヌーイ方程式、リッカチ方程式の解法を習得する。
5週 (5) 完全微分方程式 完全微分方程式の解法(積分因数を含む)を習得する。
6週 2. 2階斉次線形微分方程式
(1) 線形微分方程式の解の性質
線形微分方程式の解の性質と関数の一次独立性のWronskian判定法を理解し、斉次線形常微分方程式の基本解とは何かを理解する。
7週 中間試験
8週 (2) 定数係数 定数係数の2階斉次線形微分方程式の解法を習得する。
2ndQ
9週 (3) 変数係数 変数係数のの2階斉次線形微分方程式の解法を習得する。
10週 3. 2階非斉次線形微分方程式
(1) 非斉次線形微分方程式の一般解
非斉次線形微分方程式の一般解と斉次方程式の一般解の関係と重ね合わせの原理を理解する。
11週 (2) 未定係数法 未定係数法による非斉次線形微分方程式の特殊解の求め方を習得する。
12週 (3) 演算子法 演算子法による非斉次線形微分方程式の特殊解の求め方を習得する。
13週 (4) 定数変化法 定数変化法による非斉次線形微分方程式の特殊解の求め方を習得する。
14週 4. 連立微分方程式 連立微分方程式の解法を習得する。
15週 期末試験
16週 総復習 これまでの総復習とまとめ
後期
3rdQ
1週 ベクトル解析とは
電磁気学で使用するベクトルについて理解する。
2週 ベクトルの定義 ベクトルの構造とベクトルの成分について理解する。
3週 ベクトルの演算 スカラー積とベクトル積を理解し、それらの演算ができる。
4週 ベクトルの微分演算 スカラー関数の勾配を理解し、それらの演算ができる。
5週 スカラー関数の偏導関数とベクトル場 スカラー関数の偏導関数とベクトル場の関係を理解し、それらの計算ができる。
6週 ベクトル場の発散 ベクトル場の発散を理解し、その計算ができる。
7週 ベクトル場の回転 ベクトル場の回転を理解し、その計算ができる。
8週 円柱座標と微分要素 円柱座標と直角座標との関係を理解し、微分線分、微分面素及び微分体積から円柱座標系におけるそれぞれ線分、面積及び体積を求めることができる。
4thQ
9週 球座標と微分要素 球座標と直角座標との関係を理解し、微分線分、微分面素及び微分体積から球座標系におけるそれぞれ線分、面積及び体積を求めることができる。
10週 円柱座標と球座標における微分演算 円柱座標と球座標表示の勾配、発散、回転を理解し、それらの計算ができる。
11週 非正弦周期波と周波数成分 非正弦周期(ひずみ)波とその周波数成分を理解する。
12週 フーリエ級数展開 周期関数のフーリエ級数展開を理解し、非正弦周期(ひずみ)波のフーリエ係数を計算できる。
13週 複素フーリエ級数 複素フーリエ級数について理解し、周期関数の複素フーリエ級数展開ができる。
14週 フーリエ変換 代表的な関数のフーリエ変換を計算できる。
15週 (後期期末試験) 実施しない。
16週 総復習 これまでの総復習とまとめ

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合40600000100
基礎的能力0000000
専門的能力40600000100
分野横断的能力0000000