情報理論

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 情報理論
科目番号 0014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 情報系 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 滝沢 陽三

到達目標

1.情報理論を構成する基礎概念を学ぶ。
2.情報理論の応用分野について理解を深める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1小数表現を含むn進数を理解し表現・演算できると共に,基数変換を行うことができる.また,n進数を扱う問題に対して適切な演算・変換方法を選択して活用できる.小数表現を含むn進数を理解し表現・演算できると共に,基数変換を行うことができる.小数表現を含むn進数の理解が不十分であり,表現・演算することができず,基数変換を行うことができない.
評価項目2集合の基本的な考え方を理解し記号や図で表現できると共に,差集合を含む集合演算を行うことができる.また,数え上げ可能な対象を集合として表現し,必要な演算を行うことができる.集合の基本的な考え方を理解し記号や図で表現できると共に,差集合を含む集合演算を行うことができる.集合の基本的な考え方が理解できず記号や図で表現できない.また,差集合を含む集合演算を行うことができない.
評価項目3様々な事柄の確率を,条件付き確率を含めて表現できる.また,ベイズの定理に基づく事後確率の意味を説明でき,計算して求めることができる.更に,実例に基づく確率表現・計算を行うことができる.様々な事柄の確率を,条件付き確率を含めて表現できる.また,ベイズの定理に基づく事後確率の意味を説明でき,計算して求めることができる.様々な事柄の確率について,条件付き確率を含めて表現できない.また,ベイズの定理に基づく事後確率の意味を説明できず,計算して求めることができない.
評価項目4確率変数,期待値,分散と標準偏差について理解し,現実の統計情報に適用して求めることができる.また,現実の統計情報に対して散布図を作成し,その結果を考察し活用できる.確率変数,期待値,分散と標準偏差について理解し,統計情報に適用して求めることができる.また,散布図を作成し,その結果を考察し活用できる.確率変数,期待値,分散と標準偏差について理解できず,統計情報に適用して求めることができない.また,散布図を作成できず,その結果を考察することも活用することもできない.
評価項目5自己情報量と平均情報量の意味を理解して説明できると共に,現実の問題に対して計算して活用することができる.また,平均情報量と情報エントロピーの関係を他の専門分野との関連付けで説明でき,様々な問題に適用できる.自己情報量と平均情報量の意味を理解して説明できると共に,計算して求めることができる.また,平均情報量と情報エントロピーの関係を説明でき,様々な問題に適用できる.自己情報量と平均情報量の意味を説明できるず,計算して求めることができない.また,平均情報量と情報エントロピーの関係を説明できず,様々な問題に適用することができない.
評価項目6情報源と通信路のモデルについて現実の事例に沿って説明できる.符号化について説明でき,複数の符号化について具体例を作成することができる.情報源と通信路のモデルについて説明できる.符号化について説明でき,符号化の具体例を作成することができる.情報源と通信路のモデルについて説明できない.符号化について説明できず,符号化の具体例を作成することができない.
評価項目7誤りの検出と訂正について説明でき,複数の検出・訂正手法を理解し問題に適用できる.誤りの検出と訂正について説明でき,検出・訂正手法を問題に適用できる.誤りの検出と訂正について説明できず,検出・訂正手法を問題に適用できない.
評価項目8暗号の意味と社会的役割を現実の諸問題と関連させて説明でき,複数の暗号方式のアルゴリズムを説明・適用できると共に,ディジタル署名について説明できる.暗号の意味と社会的役割を説明でき,複数の暗号方式を説明・適用できると共に,ディジタル署名について説明できる.暗号の意味と社会的役割を説明できず,暗号方式を説明・適用できない.ディジタル署名について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータや通信技術に用いられているディジタル情報の表現方法やその応用について,基本的な考え方や問題点を理解する.
授業の進め方・方法:
講義および机上演習で進める.教科書はなく,講義内容や演習問題は各時間ごとに示す.
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタル情報理論の考え方 ディジタル情報を扱う際に必要な知識,情報理論の応用分野の概要を知り,説明できる.
2週 2進数の基礎(1) n進数の表現及び演算方法を理解し計算できると共に,基数変換できる.
3週 2進数の基礎(2) n進数の小数表現について説明でき,表現できると共に,基数変換できる.
4週 集合と確率 差集合を含む集合に関する知識・演算方法について説明でき,記号や図で表現し演算できる.
5週 確率による表現 確率で表現される事柄を理解して説明できると共に,具体的な事柄について確率を表現・計算できる.
6週 条件付き確率の定義と応用(1) 互いに関連する事柄の間の確率としての条件付き確率について説明でき,様々な問題に適用して表現できる.
7週 (中間試験)
8週 条件付き確率の定義と応用(2) 事例に基づいて条件付き確率を表現し,計算できる.
2ndQ
9週 ベイズの定理の定義と応用(1) 事前確率と事後確率についてそれぞれの意味や相互の関係を説明でき,具体的な問題に適用して表現できる.
10週 ベイズの定理の定義と応用(2) 複数の事例にベイズの定理に基づく計算を行い結果を求めることができる.
11週 確率と統計(1) 確率変数,期待値について説明でき,期待値を計算して求めることができる.
12週 確率と統計(2) 分散と標準偏差について説明でき,計算して求めることができる.また,散布図を作成し,その結果を考察し活用できる.
13週 情報量(1) 自己情報量の意味を理解し,その定義について説明できる.
14週 情報量(2) 様々な事柄の自己情報量を計算して求めることができる.
15週 (期末試験)
16週 総復習
後期
3rdQ
1週 平均情報量(1) 平均情報量とは何かを説明し,定義を述べることができる.具体的な問題に沿って平均情報量を示すことができる.
2週 平均情報量(2) 簡単な例に基づく平均情報量の計算を行うことができ,その計算結果の意味を活用できる.
3週 平均情報量と情報エントロピー 平均情報量と情報エントロピーの関係を説明でき,具体的な問題に適用できる.
4週 情報源と通信路のモデル(1) 通信に必要な要素と関係を,シャノンのモデルに沿って理解して説明できる.
5週 情報源と通信路のモデル(2) 情報源と通信路における符号化の役割と意味について説明できる.
6週 符号化(1) 情報の伝達に必要な記号化について理解し説明できる.
7週 (中間試験)
8週 符号化(2) 符号化の例を理解し,その意味を説明できる.
4thQ
9週 符号化(3) 符号化を通信に用いる場合の例を理解し,符号化方法の活用方法を説明できる.
10週 誤りの検出と訂正(1) ディジタル情報における誤りについて説明できる.
11週 誤りの検出と訂正(2) ひとつ以上の誤り検出の方法について理解し,問題に適用できる.
12週 誤りの検出と訂正(3) ひとつ以上の誤り訂正の方法について理解し,問題に適用できる.
13週 暗号(1) 暗号の基礎について理解すると共に,社会的役割について説明できる.
14週 暗号(2) 各種の暗号方式を理解し簡単な問題に適用できると共に,ディジタル署名について説明できる.
15週 (期末試験)
16週 総復習

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力1010
専門的能力9090
分野横断的能力00