有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 国際創造工学科 化学・生物・環境系 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:「有機化学 改訂第2版」奥山格、石井昭彦、箕浦真生(丸善出版)。加えて適宜参考書を紹介する。分子模型:HGS分子模型を購入することを強く勧める。
担当教員 江川 泰暢

到達目標

有機化学の基礎を理解する。具体的には次のとおりである。
1.有機化合物をルイス構造式に直すことができる。
2.官能基別有機化合物の基本的な構造を表記することができる。
3.IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。
4.特定の官能基を有する有機化合物の性質を、選択肢から選ぶことができる。
5.基本的な反応の、反応機構と生成物の構造式をかくことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1授業で取り上げていない有機化合物も、予想してルイス構造式をかくことができる。授業で取り上げた有機化合物のルイス構造式をかくことができる。授業で取り上げた有機化合物のルイス構造式をかくことができない。
評価項目2官能基別有機化合物の基本的な構造について、自ら例を挙げて表記することができる。官能基の名前を見て、具体的な構造を表記することができる。官能基別有機化合物の基本的な構造を表記することができない。
評価項目3IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換が瞬時にできる。IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができない。
評価項目4特定の官能基を有する有機化合物の性質を、説明することができる。特定の官能基を有する有機化合物の性質を、選択肢から選ぶことができる。特定の官能基を有する有機化合物の性質を、選択肢から選ぶことができない。
評価項目5基本的な反応の反応機構を自ら考えてかくことができ、生成物の構造式を正確に表記することができる。基本的な反応の、反応機構と生成物の構造式をかくことができる。基本的な反応の、反応機構と生成物の構造式をかくことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
炭素原子を含む化合物は(有機化合物)は私たちの身の回りに溢れており、それを扱う有機化学は化学の根幹をなす。本講義では、有機化合物の分類、命名法、物理的化学的性質、反応性などを中心に、有機化学の基礎知識を習得する。
授業の進め方・方法:
板書およびプリントを用いた講義形式で行う。学生の理解力確認および内容定着のために課題を課す。また、講義中に学生に発問することがある。主体的に講義に参加してもらいたい。
毎回の講義後には、該当箇所周辺を参考書・専門書で確認し自己学習をすること。およびプリントや講義中とったメモ、自己学習した内容をノートにまとめること。そのようにして自分だけの教科書をつくることを切望してやまない。
この一連の講義を通じ、自力で参考書や専門書を読破できる基礎力を身に着けてもらいたい。
質問はオフィスアワーに限らず、随時受け付ける。

注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
有機化学・有機化合物とは何か
様々な物質から有機化合物を選ぶことができる。
2週 化学結合と分子の成り立ち (1) 原子の電子配置、ルイス表記がかける。
3週 化学結合と分子の成り立ち (2) 化学結合(共有結合とイオン結合)の違いについて説明できる。
4週 化学結合と分子の成り立ち (3) 化合物の構造式とルイス構造式がかける。
5週 アルカン (1) アルカンを IUPAC 命名法で命名できる。
6週 アルカン (2) 枝分かれしたアルカンを命名できる。
7週 中間試験
8週 アルカンの立体配座 アルカンのNewman投影式がかける。
2ndQ
9週 シクロアルカン シクロアルカンを IUPAC 命名法で命名できる。
10週 アルケン アルケンの立体的な形をかける。アルケンを IUPAC 命名法で命名できる。
11週 元素分析(組成式、分子式の決定方法) 化合物を分子式、組成式、示性式で表記できる。元素分析から組成式、分子式を計算によって求めることができる。
12週 有機反応の基礎 (1) 形式電荷についてイメージをつかんでいる。形式電荷の計算方法がわかる。
13週 有機反応の基礎 (2) 分子またはイオンをルイス構造式で表すことができ、形式電荷があるかどうかを見分けることができる。
14週 有機反応の基礎 (3) 電子の流れを示す、巻矢印が示す反応の、生成物の構造式がかける。
15週 期末試験
16週 前期内容の復習 試験問題の間違った問題を自分でとけるようになる
後期
3rdQ
1週 アルキン アルキンの立体的な形をかける。アルキンを IUPAC 命名法で命名できる。
2週 ハロゲン化アルキル ハロゲン化アルキルが命名できる。ハロゲン化アルキルの性質を説明できる。代表的な反応の反応機構をルイス構造式と巻矢印を用いて説明できる。
3週 アルコール (1) アルコールを級数で分類できる。アルコールを IUPAC 命名法で命名できる。
4週 アルコール (2) アルコール合成反応である Grignard 反応の、試薬の調製方法が説明できる。反応生成物の構造式がかける。
5週 エーテル エーテルを命名できる。エーテルとアルコールの性質の違いを説明できる。
6週 アルデヒドとケトン (1) アルデヒドおよびケトンの命名ができる。
7週 中間試験
8週 アルデヒドとケトン (2) カルボニル還元反応の、生成物の構造式がかける。
4thQ
9週 カルボン酸とその誘導体 (1) カルボン酸の命名ができる。カルボン酸の性質の特徴について説明できる。
10週 カルボン酸とその誘導体 (2) カルボン酸の合成反応の、生成物の構造式を書くことができる。
11週 カルボン酸とその誘導体 (3) エステルの命名ができる。エステルを用いる代表的な反応の生成物の構造式を書くことができる。
12週 アミン アミンの命名と、級数の分類ができる。アミンの性質について説明ができる。
13週 芳香族化合物 (1) ベンゼンの共鳴安定化エネルギーについて説明することができる。芳香族化合物の慣用名が答えられる。
14週 芳香族化合物 (2) 芳香族求電子置換反応の、反応生成物の構造式がかける。
15週 期末試験
16週 総復習 試験問題の間違った問題を自分でとけるようになる

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000