無機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 無機化学Ⅰ
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 化学・生物・環境系 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:荻野博・飛田博実・岡崎雅明「基本無機化学第3版」(東京化学同人) 参考書:リー「無機化学」(東京化学同人)、浜口博「基礎無機化学(改訂版)」(東京化学同人)、コットン他、中原勝厳訳「基礎無機化学」(培風館)、平尾・田中・中平ら共著「無機化学-その現代的アプローチ-(第2版)」(東京化学同人)
担当教員 小松﨑 秀人

到達目標

1.無機化合物の化学式・反応式をきちんと書けるようになること。
2.クーロンの法則、電気陰性度等の概念に基づいて化学事象を理論的に説明できること。
3.化学結合、酸・塩基、酸化還元の概念から、物質の性質や反応を理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1代表的な無機化合物の化学式・反応式をしっかりと理解し正確に書けるようになる。代表的な無機化合物の化学式・反応式を書けるようになる。代表的な無機化合物の化学式・反応式を理解できず、書くこともできない。
評価項目2無機化合物について、クーロンの法則等の概念に基づいて化学事象を理論的に説明することができる。無機化合物について、クーロンの法則等の概念に基づいて化学事象を概ね理解することができる。無機化合物について、クーロンの法則等の概念に基づいて化学事象を理解することができない。
評価項目3化学結合、酸・塩基、酸化還元の概念から、物質の性質や反応をよく理解することができる。物質の性質や反応を概ね理解することができる。物質の性質や反応を理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
2年生で学んだ無機化学を基礎に、周期表の意味、各族元素の性質、化学結合の本質、酸と塩基、酸化と還元などを基本的な原理・法則に基づいて理論的・定量的に取扱い、無機化学のいろいろな事象に対する理論的な思考力並びに問題解決能力を養成する。
授業の進め方・方法:
授業は、主に黒板による板書で説明していく。授業内容の理解を深めるために資料配付も行う。
注意点:
この講義は理論的・論理的に無機化学の事象を考える能力を養成することを目的とする。この講義により、今後、無機化学の自発的な学習や問題解決に大いに役立つはずである。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.周期表の化学
 周期表と電子配置①
量子数、電子軌道の形、元素の電子配置について理解する。
2週  周期表と電子配置② パウリの排他原理、フントの規則について理解する。
3週  元素の分類と周期表の特徴 典型・遷移元素、金属・半金属・非金属元素、原子量について理解する。
4週  電気陰性度の理論的取扱い 電気陰性度の定義、スレーターの規則について理解する。
5週 2.各族元素の性質
 1族元素の性質 
水素の同位体、スピン異性体、アルカリ金属の性質について理解する。
6週  2族元素の性質 Be, Mgとアルカリ土類金属の違い、アルカリ土類金属の性質について理解する。
7週 (中間試験)
8週  13族元素の性質① ホウ素の化学、酸性・塩基性酸化物、ルイス酸・塩基について理解する。
2ndQ
9週  13族元素の性質② アルミニウム化合物の諸性質について理解する。
10週  14族元素の性質 炭素の同素体、ケイ素化合物、Sn・Pb化合物について理解する。
11週  15族元素の性質① 窒素の酸化物、窒素酸化物について理解する。
12週  15族元素の性質② リンの同素体、酸化物、リン酸化物について理解する。
13週  16族元素の性質① 酸素の同素体、酸素分子の分子軌道法について理解する。
14週  16族元素の性質② イオウの同素体、イオウ酸化物について理解する。
15週 (期末試験)
16週 総復習 前期分の総復習を行う。
後期
3rdQ
1週  17族元素の性質 ハロゲン単体、ハロゲン酸化物について理解する。
2週  18族元素の性質 希ガスが不活性の理由、Kr・Xeの化合物と構造について理解する。
3週  遷移元素の性質① 遷移元素の分類と性質、金属錯体の形成について理解する。
4週  遷移元素の性質② d-d分裂、分光化学系列、ランタノイド収縮について理解する。
5週 3.電子軌道と化学結合
 初期の量子論と波動方程式
水素の原子スペクトル、ライマン系列、ボーアモデルの概要について理解する。
6週  化学結合の理論 原子価結合法と分子軌道法について理解する。
7週 (中間試験)
8週  化学結合の種類とその本質① イオン結合、共有結合モデル、金属結合モデルについて理解する。
4thQ
9週  化学結合の種類とその本質② 水素結合モデル、Van der Waals 力モデルについて理解する。
10週 4.酸と塩基 酸・塩基の定義、酸・塩基反応について理解する。
11週 5.酸化と還元
 酸化と還元の定義
酸化・還元の定義、酸化・還元反応の成り立ちについて理解する。
12週  半反応式と酸化還元反応式 半反応式、酸化・還元反応式の作り方、標準電極電位について理解する。
13週  ネルンストの式、電気分解 ネルンストの式、電池の起電力計算、電気分解反応について理解する。
14週 6.結晶化学 結晶の種類、格子エネルギーについて理解する。
15週 (期末試験)
16週 総復習 後期分の総復習を行う。

評価割合

試験小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000