有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0059 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 国際創造工学科 化学・生物・環境系 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:奥山・石井・箕浦ら著「有機化学(改訂2版)」(丸善)、参考書:マクマリー「有機化学概説(第6版)」(東京化学同人) 、蝦名・小松崎共編「有機化学テキスト」(茨城高専・物質工学科)、ウェイド「有機化学」(丸善)
担当教員 小松﨑 秀人

到達目標

1.官能基の化学(性質・反応性)を理解する。
2.電子の流れを意識して、有機反応・反応機構を考える。
3.有機反応を反応別(付加、置換など)に分類できるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機化合物について、官能基の化学(性質・反応性)をしっかりと理解している。有機化合物について、官能基の化学(性質・反応性)を概ね理解している。有機化合物について、官能基の化学(性質・反応性)を理解していない。
評価項目2有機反応について、電子移動を基に考え、反応生成物を答えることができる。有機反応について、電子移動を基に概ね考えることができる。有機反応について、電子移動を理解できず、それを基に有機反応を考えることができない。
評価項目3有機反応を各反応に分類し、それぞれを理解した上で反応を組み立てることができる。有機反応を各反応に分類し、概ね反応を組み立てることができる。有機反応を反応別に分類できず、反応を組み立てることもできない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学は炭素、窒素、酸素など生物内に見出される原子が関係する化学である。最近はその発展がめざましく、複雑な構造を有する化合物の合成へと展開されるようになった。しかし、どんなに素晴らしい反応が開発されても、基本を身に付けていなければ、それを理解することは出来ない。本講義では、3年次で習得した有機反応を電子論と官能基の性質に基づいて学び、全体的に有機化学の基本と応用を習得できるように解説する。
授業の進め方・方法:
授業は、主に黒板により行う。授業内容の理解を深めるために、演習も取り入れていく。
注意点:
有機化学は”暗記教科”ではなく、各官能基の化学や電子論や反応パターンがわかれば、かなり理解できるはずである。そんな一面を感じて欲しい。
3年生の講義内容の応用になるので、毎回しっかり復習しておくこと。講義ノートの内容を見直し、講義に関する例題や演習問題を解いておくこと。講義内容で示した次回分の内容を予習しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有機化合物の官能基による分類と命名(1)
官能基ごとに有機化合物を分類する。有機化合物の命名を復習しながら習得する。
2週 有機化合物の官能基による分類と命名(2)
異性体も含め命名をついて分類し、理解する。
3週 有機化合物の結合
有機反応の分類
σ結合、π結合を理解する。
付加、置換、脱離、転位、酸化還元について理解する。
4週 アルケンの反応(1)
電子論に基づいて、求電子付加、Markovnikov則、アルコール合成などを理解する。
5週 アルケンの反応(2)

電子論に基づいて、オゾン分解、エポキシ化、Diels-Alder反応などを理解する。
6週 アルキンの反応 電子論に基づいて、求電子付加、Markovnikov則、、ケト-エノール互変異性などを理解する。
7週 (中間試験)
8週 アルデヒド、ケトンの反応性(1)
電子論に基づいて、求核付加、Grignard試薬、アセタール化、イミン合成などを理解する。
2ndQ
9週 アルデヒド、ケトンの反応性(2) 電子論に基づいて、いろいろな還元反応、Wittig反応などを理解する。
10週 アルデヒド、ケトンの反応性(3) 電子論に基づいて、エノラートイオンが関与する反応などを理解する。
11週 高分子化合物(1) 高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を理解する。
12週 高分子化合物(2) 高分子の熱的性質を理解する。
13週 高分子の合成(1) ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の特徴、違いについて理解する。
14週 高分子の合成(2) ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の各反応について理解する。
15週 (期末試験)
16週 総復習 前期の総まとめを行う。
後期
3rdQ
1週 付加環化 Diels-Alder反応などについて理解する。
2週 置換反応(1) 電子論に基づいて、求核置換反応などを理解する。
3週 置換反応(2) 電子論に基づいて、求電子置換反応などを理解する。
4週 置換反応(3) 電子論に基づいて、配向性から求電子置換反応などを理解する。
5週 脱離反応(1) 脱離反応の概念、置換反応との競争について理解する。
6週 脱離反応(2) ザイツェフ則、ホフマン分解による脱離形式について理解する。
7週 (中間試験)
8週 転位反応(1) 電子論に基づいて、カチオンの安定性が関与する反応などを理解する。
4thQ
9週 転位反応(2) 電子論に基づいて、人名反応を理解する。
10週 酸化還元反応(1) 電子論に基づいて、いろいろな酸化反応を理解する。
11週 酸化還元反応(2) 電子論に基づいて、いろいろな還元反応を理解する。
12週 縮合反応 電子論に基づいて、いろいろな縮合反応を理解する。
13週 反応の総復習(1) これまでの学習をもとに、原料から標的物質の合成経路を考え、理解する。
14週 反応の総復習(2) これまでの学習をもとに、原料から標的物質の合成経路を考え、理解する。
15週 (期末試験)
16週 総復習 後期の総まとめを行う。

評価割合

試験小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力200000020
専門的能力800000080
分野横断的能力0000000