環境化学

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 環境化学
科目番号 0065 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位II: 1
開設学科 国際創造工学科 化学・生物・環境系 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 参考書:庄司良, 下ヶ橋雅樹「基礎からわかる環境化学」(森北出版)
担当教員 澤井 光

到達目標

1.環境化学における基本的なキーワードの意味を理解する。
2.地球環境・地域環境の汚染や問題点の現状を理解する。
3.各種環境問題の対策のための技術を理解する。
4.環境問題に対する技術者としての考え方を社会的観点から理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
環境化学における基本的なキーワードの意味を理解する。環境化学における基本的なキーワードを的確に説明できる環境化学における基本的なキーワードの意味を知っている環境化学における基本的なキーワードを把握できていない
地球環境・地域環境の汚染や問題点の現状を理解する。地球環境・地域環境の汚染や問題点の現状を的確に説明できる地球環境・地域環境の汚染や問題点の現状を知っている地球環境・地域環境の汚染や問題点の現状を把握できていない
環境問題に対する技術者としての考え方を社会的観点からも理解する。環境問題に対する技術者としての考え方を的確に説明できる環境問題に対する技術者としての考え方を知っている環境問題に対する技術者としての考え方を把握できていない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人類の発展と環境の汚損はトレードオフの関係にあるため,今日の技術者はこのバランスを適切にコントロールする努力を要請されています。環境化学は人類の活動に起因する自然界の諸問題を対象として,化学の観点に基づいて洞察を与え,その対策を模索する比較的新しい学問です。本講義では,近年の大気・水・土壌の環境汚染(地球規模・地域規模)の現状およびその対策のための取り組みを理解し,よりよい未来に向けて技術者が何をなすべきかを技術的・社会的観点から考える契機を提供します。担当教員は地方自治体(環境センター)での勤務を経験しており,実務経験に基づいて環境とその保全技術に関する講義を行ないます。
授業の進め方・方法:
一回の授業で多くの資料を紹介するため,講義は主にスライド投影によって行ないます。
環境化学で取り扱う事象は学者の間でも意見が分かれていたり,或いは社会的な立場の違いから異なった考え方が成り立つことが多々あります。また環境問題は市井の関心が高い一方で,様々な主張の中には科学的な妥当性に乏しい論説も散見されます。各自で興味を持った事柄については,講義ノートや教科書,或いはウェブサイト,図書,学術論文などで理解を深め,「この論説は妥当か」,「自分はどう考えるか」など常に能動的な態度で考えを巡らせる習慣をつけると良いでしょう。 
注意点:
成績の評価は期末試験(60%)とレポート(40%)で行い,60点以上の者を合格とする。
授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境化学とは 環境化学の位置づけ,必要性,環境問題と化学物質の関係について理解する。
2週 環境汚染物質 環境汚染物質の種類,発生源,生態系への影響,環境リスク,法的整備などについて理解する。
3週 エネルギーと資源(1) 人類の生活を支えるエネルギーについて,その種類,存在量や消費の動向,再生可能エネルギーについて学ぶ。
4週 エネルギーと資源(2) 文明を支える資源の変遷,成り立ち,採掘に伴う環境保全コスト,リスクについて学ぶ。
5週 廃棄物(1) 廃棄物の分類と動向,処理,法的整備の状況,リサイクルについて理解する。
6週 廃棄物(2) 廃棄物の分類と動向,処理,法的整備の状況,リサイクルについて理解する。
7週 水環境と水質汚濁(1) 水資源,水環境を概観し,化学物質との関係,法的規制,水質浄化技術について理解する。
8週 水環境と水質汚濁(2) 水質汚濁のケーススタディを通して,水環境の保全についての理解を深める。
2ndQ
9週 大気環境と大気汚染 大気の理化学的・地球科学的特性を概観し,化学物質との関係,法的規制,大気汚染の防止技術について理解する。大気汚染のケーススタディを通して,大気環境の保全についての理解を深める。
10週 土壌環境と土壌汚染(1) 土壌化学,水環境との関係を概観し,化学物質との関係,法的規制,土壌の汚染処理技術について理解する。
11週 土壌環境と土壌汚染(2) 土壌汚染のケーススタディを通して,土壌環境の保全についての理解を深める。
12週 地球規模,地域規模の環境問題(1) さまざまな時空間スケールの環境問題に関して,近年の事例(たとえば,海洋プラスチックごみ,廃棄物の越境移動,原子力事故に伴う環境汚染など)について理解を深める。
13週 地球規模,地域規模の環境問題(2) さまざまな時空間スケールの環境問題に関して,近年の事例(たとえば,海洋プラスチックごみ,廃棄物の越境移動,原子力事故に伴う環境汚染など)について理解を深める。
14週 地球規模,地域規模の環境問題(3) さまざまな時空間スケールの環境問題に関して,近年の事例(たとえば,海洋プラスチックごみ,廃棄物の越境移動,原子力事故に伴う環境汚染など)について理解を深める。
15週 (期末試験)
16週 まとめ 講義を振り返り,持続可能な社会を形成するための環境保全のあり方について確認する。

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力1010000020
専門的能力2020000040
分野横断的能力3010000040