到達目標
著名な哲学者たちが提示してきた諸見解に実際に触れることで、哲学史上の基本的な事項を抑えると同時に、ものごとを多角的に検討する能力を涵養する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 哲学史上の様々な論点について正しく理解し、自分なりの見解をもつことができる。 | 哲学史上の様々な論点について正しく理解し、説明することができる。 | 哲学史上の様々な論点について正しく理解することができない。 |
評価項目2 | 一つの事がらについて、自力で、複数の観点から検討することができる。 | 一つの事がらについて、自らの見解と他者の見解を比較・検討することができる。 | 一つの事がらについて、固定された見解しかもちえない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
長い哲学史において議論されてきた様々な問題を検討することで、ものごとを多角的に検討する能力を涵養する。具体的には、古代ギリシャから近現代に至る西洋哲学を素材とし、哲学者たちの緻密で重層的な議論を辿っていく。
授業の進め方・方法:
本授業は、基本的には講義形式で行われる。受講の際には、言及される事がらについての一問一答的な暗記に終始するのではなく、一つの哲学的な見解が提示されるに至るまでの過程を重視してもらいたい。
注意点:
※各試験は全問論述形式とする(4~5つの大問をA3サイズ裏表の答案用紙に論述してもらう)。
※※本科目は、主に哲学のうちの理論的な分野(形而上学)を扱い、同系選択科目の「人間と世界Ⅲ」は、主に哲学のうちの実践的な分野(倫理学)を扱う。哲学を真剣に基礎から学ぶことを望む学生には本科目(Ⅰ)の履修を推薦する。もっとも、ⅠとⅢは独立科目なので、4年次にⅠを履修せずに5年次にⅢのみを履修することも可能である(そしてもちろん、4年次にⅠを履修したうえで5年次にⅢを履修することも可能である)。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンスと導入ーー哲学とは何か |
本授業の運営に関する諸事について通知する。
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2週 |
哲学の誕生 |
古代ギリシア哲学を題材に、哲学はいかにして誕生したのか、哲学は他の学問といかなる関係にあるのか、という点について講じる。
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3週 |
〈万物の根源〉の探求と古代ギリシャ哲学 |
同上。
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4週 |
〈実践〉としての古代ギリシャ哲学――ソクラテス |
古代ギリシアの哲学者ソクラテスの「無知の知」や「対話法」について講じる。
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5週 |
確実な認識と形而上学――プラトン |
ソクラテスの弟子プラトンの「イデア論」について講じる。
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6週 |
存在論――アリストテレス |
プラトンの弟子アリストテレスの「存在論」について講じ、何かが存在するとはどのような事態であるのかを論じる。
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7週 |
(中間試験) |
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8週 |
答案の返却と解説 |
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2ndQ |
9週 |
倫理学の発展 |
快楽主義やストア学派といった古代ギリシアの諸学派による倫理思想を概観する。
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10週 |
中世哲学――哲学とキリスト教 |
古代ギリシア哲学とキリスト教とが融合して発展した西洋中世の哲学を概観し、「神の存在証明」といった中世哲学の主要問題について論じる。
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11週 |
自由意志と決定論 |
人間は自由意志をもっているか?という問題を論じる。
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12週 |
中世から近世へ |
中世末期に興ったルネサンスという文芸運動について講じる。
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13週 |
近代科学の誕生:科学・哲学・宗教はどのような関係にあるか? |
ガリレオやニュートンを題材に、科学・哲学・宗教の関係性について講じる。
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14週 |
予備日あるいは総括 |
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15週 |
(期末試験) |
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16週 |
答案の返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
理性主義哲学――デカルト(前):〈私〉とは何か? |
近世哲学の父と称されるデカルトの哲学について講じ、左記の問題について論じる。
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2週 |
理性主義哲学――デカルト(後):世界とはどのように存在しているのか? |
同上。
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3週 |
経験主義哲学――ロック:物体とはどのように存在しているのか? |
同じく近世の代表的哲学者であるロックの哲学について講じ、左記の問題について論じる。
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4週 |
経験主義哲学――バークリー:世界とは〈私〉の意識の産物にすぎないのではないか? |
同じく近世の代表的哲学者であるバークリーの哲学について講じ、左記の問題について論じる。
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5週 |
経験主義哲学――ヒューム:〈私〉とは単なる知覚の寄せ集めではないのか? |
同じく近世の代表的哲学者であるヒュームの哲学について講じ、左記の問題について論じる。
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6週 |
予備日あるいは総括 |
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7週 |
(中間試験) |
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8週 |
答案の返却と解説 |
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4thQ |
9週 |
理性主義と経験主義との合流――カントの認識論(前):世界は三次元なのか?それとも単に人間には三次元にしか見えないだけなのか? |
理性主義哲学(デカルト etc.)と経験主義哲学(ロック、バークリー、ヒューム)とを統合したとされるカントの哲学について講じ、左記の問題について論じる。
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10週 |
理性主義と経験主義との合流――カントの認識論(後) |
同上
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11週 |
カントの道徳哲学(前):殺人鬼から友人を庇うためにウソをつくことは悪である!? |
同上。
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12週 |
カントの道徳哲学(後) |
同上
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13週 |
現代哲学への橋渡し:実存主義・構造主義 |
サルトルやレヴィ=ストロースといった20世紀の哲学者たちを頼りに、実存主義および構造主義といった現代の哲学思想を概観する。。
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14週 |
予備日あるいは総括 |
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15週 |
(期末試験) |
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16週 |
答案の返却と解説 |
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評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
基礎的能力(前期) | 50 | 50 |
基礎的能力(後期) | 50 | 50 |