応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0100 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位I: 2
開設学科 国際創造工学科 化学・生物・環境系 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書: 原康夫著「第5版 基礎物理学」学術図書出版
担当教員 佐藤 誠

到達目標

力学: 微積分を用いて、質点や剛体の運動や振動を解析できる。エネルギー保存則や運動量保存則を用いて運動を解析できる。
電磁気学: ガウスの法則、ビオ-サヴァールの法則、電磁誘導の法則等を説明し、それらを応用できる。
量子力学: フォトン、電子波に関する物理現象を説明できる。波動関数、シュレディンガー方程式を説明し、簡単な問題に応用できる。水素原子の構造を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力学質点や剛体の運動を解析し、その特徴を説明できる。質点や剛体の運動方程式を立て、それを解くことができる。保存則を説明し、応用できる。質点や剛体の運動方程式を微分方程式として立てることができない。また、保存則を説明できない。
電磁気学電場、磁場等を解析し、その特徴を説明できる。Gaussの法則やBiot-Savartの法則等を説明し、電場や磁場等の計算ができる。基本法則を説明できない。
量子力学古典物理学との違いを理解し、ミクロな世界の特徴を説明できる。フォトンや物質波等に関係する物理現象等を説明し、エネルギーや波長などを計算できる。光電効果や電子波等を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
微積分やベクトル等の数学を応用して、力学、電磁気学、量子力学の各分野を学修する。力学では剛体の運動や減衰振動等について論じる。電磁気学では、Gaussの法則や電磁誘導の法則等の基本法則とその応用について論じる。量子力学は入門の位置づけで、光電効果やコンプトン効果等の古典物理学では説明できない現象を扱う。また、これらの分野と化学分野の結びつきを紹介しながら、化学分野を専攻する学生にも、この科目が重要性であることを説明する。
授業の進め方・方法:
座学を中心に授業を展開する。主な参考書:JEARL WALKER "Fundamental of Physics 10th edition" (WILEY) 最初の授業でリストを配布します
注意点:
講義資料は、専用のWebサイトからダウンロードしてください。URLは授業の時にお知らせします。
理解を深めるために、自学学習用の演習問題も同サイトにアップしますので、積極的に活用してください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学分野における物理学の関わり
1次元上の運動
① 事例をとおして、化学分野における物理学の重要性を理解すること。
② 位置と変位を説明し、数学的に記述できること。
③ 1次元上の運動において、速度と加速度を導関数で記述できること。
④ 1次元上の運動を解析できること。
2週 2次元及び3次元上の運動 ① 位置、速度、加速度をベクトルを用いて記述できること。
② 2次元及び3次元上運動を解析できること。
3週 力と運動Ⅰ ① Newtonの法則を説明できること。
② 重力場での質点の運動を微積分を用いて解析できること。
4週 力と運動Ⅱ ① 運動する座標系での質点の運動を解析できること。
② 等速円運動を微積分を用いて解析できること。
5週 力と運動Ⅲ ① 運動量と力積の関係を説明できること。
② 運動量保存則を説明できること。
6週 力と運動Ⅳ ① 質量が変化する場合の運動を解析できること。
7週 (中間試験)
8週 仕事とエネルギー ① 仕事の定義を拡張して、仕事を微積分・ベクトルを用いて記述できること。
② 運動エネルギーと位置エネルギーを記述できること。また、保存力を説明できること。
③ エネルギー保存則を理解し、応用できること。
2ndQ
9週 万有引力と重力 ① 万有引力の特徴を説明できること。
② 重ねの理を説明できること。
③ 地球表面及び内部での重力を説明できること。
10週 質点系の運動(2体問題) ① 質点系の重心を求められること。
② 重心運動と相対運動の運動方程式を説明できること。
③ 重心運動エネルギーと相対運動エネルギーを説明できること。
11週 剛体の運動Ⅰ ① 剛体の定義を説明できること。
② 力のモーメントとつり合いを説明し、応用できること。
12週 剛体の運動Ⅱ ① 重心や慣性モーメントを計算できること。
② 角運動量を説明し、回転の運動方程式を記述できること。
13週 剛体の運動Ⅲ ① 回転の運動方程式を応用できること。
14週 振動 ① 調和振動子の振動を解析できること。
② 強制振動を解析できること。
③ 減衰振動を解析できる。
15週 (期末試験)
16週 総復習 前期の復習
後期
3rdQ
1週 静電場 ①  Coulomb力をベクトルを用いて記述できること。
② 重ねの理を説明し、それを応用できること。
③ 電気双極子を説明できること。
2週 Gaussの法則とその応用 ① 電気力線と電場の関係を説明できること。
② ガウスの法則を説明し、応用できること。
③ 平行平板電極間の電場を説明できること。
3週 電位 ① 電位を説明できること。
② 平行平板キャパシタのキャパシタンスを説明できること。
4週 電流がつくる静磁場 ① Biot-Savartの法則を説明し、応用できること。
② Ampereの法則を説明し、応用できること。
5週 電磁力と荷電粒子の運動 ① 電流間にはたらく電磁力を説明できること。
② Lorentz力を説明できること。
③ 電磁場中の荷電粒子の運動を解析できること。
6週 演習 演習をとおして、これまでの理解を深めること。
7週 (中間試験)
8週 電磁誘導の法則 ① 電磁誘導の法則を説明し、誘導起電力等を計算できること。
4thQ
9週 物質中の電場と磁場 ① 分極を説明できること。
② 比誘電率や比誘電率を説明できること。
10週 フォトンと物質波 ① 黒体放射の特徴を説明し、放射光のエネルギーが最大となる波長等を計算できること。
② 光電効果やコンプトン効果を理解し、電磁波をフォトンとして捉えれれ、そのエネルギー等を計算できること。
11週 電子と物質波 ① 電子が波として振る舞うことを説明し、その波長等を計算できること。
② エネルギーや運動量の観点から、粒子性と波動性を説明できること。
③ Bohrの水素原子モデルを説明し、電子の軌道とエネルギーを計算できること。
12週 量子力学の基礎Ⅰ ① 波動関数、Schrodinger方程式を説明できること。
② Schrodinger方程式を簡単な問題に応用できること。
13週 量子力学の基礎Ⅱ ① 不確定性原理を説明できること。
② Shrodinger方程式の解の結果として、水素原子の特徴を説明できること。
14週 演習 演習をとおして、これまでの理解を深めること。
15週 (期末試験)
16週 総復習 後期の復習

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000