到達目標
著名な哲学者たちが提示してきた諸見解に実際に触れることで、哲学史上の基本的な事項を抑えると同時に、ものごとを多角的に検討する能力を涵養する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 哲学史上の様々な論点について正しく理解し、自分なりの見解をもつことができる。 | 哲学史上の様々な論点について正しく理解し、説明することができる。 | 哲学史上の様々な論点について正しく理解することができない。 |
評価項目2 | 一つの事がらについて、自力で、複数の観点から検討することができる。 | 一つの事がらについて、自らの見解と他者の見解を比較・検討することができる。 | 一つの事がらについて、固定された見解しかもちえない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
長い哲学史において議論されてきた様々な問題を検討することで、ものごとを多角的に検討する能力を涵養する。具体的には、古代ギリシャから近現代に至る西洋哲学を素材とし、哲学者たちの緻密で重層的な議論を辿っていく。
授業の進め方・方法:
本授業は、基本的には講義形式で行われる。受講の際には、言及される事がらについての一問一答的な暗記に終始するのではなく、一つの哲学的な見解が提示されるに至るまでの過程を重視してもらいたい。
注意点:
既存の知識や常識、他者の見解に無批判に追従しないこと。自分の見解に固執して他者の見解を根拠なく排斥しないこと。
※※本科目は、主に哲学のうちの実践的な分野(倫理学)を扱い、同系選択科目の「人間と世界Ⅰ」は、主に哲学のうちの理論的な分野(形而上学)を扱う。「人間と世界Ⅰ」を履修済である学生の履修も可能である。ただし、理論的(基礎的)なものであれ実践的(応用的)なものであれ一つの「哲学」には違いないのだから、ⅠとⅢとで部分的な重複が避けられないことを承知しておいてください。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンスと導入 |
本授業の運営に関する諸事について通知する。
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2週 |
哲学の歴史(1):哲学と学問 |
古代ギリシア哲学について講じ、哲学と学問との関係性を概観する。
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3週 |
哲学の歴史(2):哲学と宗教 |
西洋中世哲学について講じ、哲学と宗教との関係性を概観する。
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4週 |
哲学の歴史(3):哲学とルネサンス |
中世末期に西洋で興ったルネサンスについて講じ、近世という時代がいかにして誕生したのかを概観する。
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5週 |
哲学の歴史(4):哲学と近代科学 |
西洋近世哲学について講じ、哲学と科学との関係性を概観する。
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6週 |
予備日あるいは総括 |
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7週 |
(中間試験) |
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8週 |
答案の返却と解説 |
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2ndQ |
9週 |
ソクラテス:無知の知・問答法 |
古代ギリシアの哲学者ソクラテスによる倫理思想を概観する。
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10週 |
プラトン:死の練習・魂の三つの機能 |
ソクラテスの弟子プラトンによる倫理思想を概観する。
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11週 |
アリストテレス:徳・卓越・中庸 |
プラトンの弟子アリストテレスによる倫理思想を概観する。
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12週 |
快楽主義・ストア派 |
左記の諸学派による倫理思想を概観する。
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13週 |
自由意志と決定論:人間に自由意志はあるのか? |
中世哲学(キリスト教哲学)を題材に、人間の自由意志について論じる。
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14週 |
予備日あるいは総括 |
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15週 |
(期末試験) |
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16週 |
答案の返却と解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
近世の道徳論(1):デカルトの暫定的道徳 |
近世哲学および自然科学の発展に絶大な影響を与えた哲学者デカルトによる道徳論について講じる。。
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2週 |
近世の道徳論(2):社会契約説 |
近世の哲学者ホッブズやロックを題材に、近世に誕生した新しい思想的潮流である「社会契約説」について講じる。
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3週 |
カント倫理学(1):道徳法則・定言命法・仮言命法 |
近代の哲学者カントを題材に、左記の事がらについて講じる。
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4週 |
カント倫理学(2):友人を殺人鬼から守るためのウソは悪か? |
同じくカントを題材に、左記の問題について論じる。
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5週 |
実存主義(1):キリスト教の奴隷道徳とニーチェの君主道徳(超人思想) |
西洋の伝統であったキリスト教道徳に反旗を翻した哲学者ニーチェの倫理思想を概観する。
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6週 |
実存主義(2):ハイデガー、サルトル |
左記の哲学者たちの倫理思想を概観する。
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7週 |
(中間試験) |
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8週 |
答案の返却および解説 |
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4thQ |
9週 |
構造主義:レヴィ=ストロース、フーコー |
左記の哲学者たちを題材に、人間が自由と主体性をもつという従来の考え方に異議を唱えた「構造主義」について講じる。
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10週 |
功利主義:ベンサム、J・S・ミル、最大多数の最大幸福 |
効用や利益という観点から倫理道徳を論じる「功利主義」について講じる。
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11週 |
現代の倫理学(1):生命倫理学 |
現代の医療技術の発展によって生じた様々な倫理的問題に対処するために誕生した新しい倫理学分野である「生命倫理学」について講じる。
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12週 |
現代の倫理学(2):技術者倫理 |
具体的な事例を参考に、技術者が有しているべき倫理観について論じる。
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13週 |
現代の倫理学(3):トロッコ問題 |
著名な思考実験である「トロッコ問題」を参考に、困難な倫理的問題について自力で思考する訓練をおこなう。
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14週 |
予備日あるいは総括 |
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15週 |
(期末試験)
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16週 |
答案の返却と解説 |
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評価割合
| 試験 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力(前期) | 40 | 10 | 50 |
基礎的能力(後期) | 40 | 10 | 50 |