応用微生物工学

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用微生物工学
科目番号 0112 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位II: 2
開設学科 国際創造工学科 化学・生物・環境系 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 久保 幹 他 「バイオテクノロジー」 (大学教育出版)
担当教員 横山 英樹

到達目標

1.微生物の分類や生活環を理解し、人間とどのように係わってきたのか説明できるようになること。
2.微生物を利用する発酵工業製品がどのように開発されているのか把握すること。
3.大腸菌を用いた遺伝子組換え技術を理解し、タンパク質を大量発現させる方法を説明できるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1真核微生物・原核微生物の種類と特徴について詳細に説明できる真核微生物・原核微生物の種類と特徴について説明できる真核微生物・原核微生物の種類と特徴について説明ができない
評価項目2微生物の増殖と培養について詳細に説明ができ安全対策も理解できる。微生物の増殖と培養について説明できる微生物の増殖と培養について理解ができない
評価項目3アルコール発酵、食品加工、抗生物質生産について詳細に説明ができるアルコール発酵、食品加工、抗生物質生産について説明できるアルコール発酵、食品加工、抗生物質生産について理解ができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人間は古くから微生物と関わり、発酵食品、医薬品などに利用してきた。また遺伝子工学、タンパク質工学などのバイオ技術は、生育が早く、コントロールしやすい微生物を用いている。本講義では、微生物とは何かから学び、その制御と応用について学習する。メーカーの医薬発酵研究部門での勤務経験のある教員が、その経験を生かして遺伝子組換技術や発酵工業の業界動向などについて講義をする。
授業の進め方・方法:
教科書の内容に加えて、最先端の情報等も加えながら資料配付と板書によって進める。理解度を高めるため、小テストやレポートを挟みながら進行させる。
注意点:
「生物化学」が基礎となりますので、十分に復習して内容を理解しておいてください。「生物工学」(5年前期)も受講するとより良く理解できます。講義ノートの内容を見直し、講義に関する課題等が出された時は、それを解いておいてください。講義で示した次回予定の部分を予習しておいてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 応用微生物工学とは
微生物の特徴
人間はどのようにして微生物と係わってきたのか把握する
微生物はどのような特徴を有するのかを説明できる
2週 微生物の培養 微生物の培養技術、特に増殖と環境因子について説明できる
3週 微生物の分類 ウイルス、原核微生物、真核微生物の違いを分子生物学的に説明できる
産業的に利用されている微生物の分類について理解する
4週 大量培養技術
バイオリアクター技術
微生物を取り扱う際の滅菌方法、スケールアップ等を説明できる。酵素、菌体の固定化でバイオリアクターが作られることを説明できる
5週 産業への応用
食品の腐敗と貯蔵法
微生物由来酵素の精製技術等を説明できる。腐敗も微生物が引き起こす。それを防ぐ貯蔵法を説明できる
6週 醸造発酵食品(飲料) アルコール発酵飲料の種類と製造法について説明できる
7週 (中間試験)
8週 醸造発酵食品(調味料等・乳製品等)
食品素材
みそ、醤油等の発酵調味料とチーズなど乳製品や乳酸飲料等の製造法を説明できる
微生物や酵素を利用して高機能化された食品の製造法を説明できる
4thQ
9週 発酵医薬品(抗生物質) 抗生物質の種類と応用について説明できる
抗生物質が効かない耐性菌の問題点を説明できる
10週 発酵医薬品(生理活性物質)
バイオハザード対策
微生物が生産する生理活性物質がどのように応用されているのか説明できる
微生物の封じ込め技術と法規制について説明できる
11週 バイオレメディエーション 微生物の力で環境を浄化するバイオレメディエーションを説明できる
排水処理など実際の応用例の検証と今後の展望を説明できる
12週 微生物のスクリーニングと同定、育種 どのようにして目的とした微生物を選び出すのか説明できる。16SrDNAによる同定方法を説明できる。
野生株(低生産)から工業生産株(高生産)への育種方法を説明できる
13週 大腸菌を用いた遺伝子組換え(1) 遺伝子組換えの基本原理とその手順と用いられる試薬酵素を説明できる
14週 大腸菌を用いた遺伝子組換え(2) 形質転換技術と組換え微生物の選択方法について説明できる
効率よくタンパク質を発現させる方法について説明できる
15週 (期末試験)
16週 総復習 理解度の確認、不足部分の復習をする

評価割合

試験発表相互評価態度レポート等その他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000