有機合成化学

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 有機合成化学
科目番号 0114 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位II: 1
開設学科 国際創造工学科 化学・生物・環境系 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:1
教科書/教材 参考書:L. S. Starkey 著、伊藤喬 訳「基礎から学ぶ有機合成」(東京化学同人) 奥山格 他著「有機化学 改訂2版」(丸善出版)、 J. Clayden 他著, 野依良治 他訳 「ウォーレン有機化学」(東京化学同人)
担当教員 小林 みさと

到達目標

1.逆合成解析において結合切断部位がわかる。
2.逆合成解析に基づいた有機化合物の合成ルートの設計ができる。
3.ジアステレオ選択的な合成反応、エナンチオ選択的な合成反応の、生成物の立体を予測できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1逆合成解析において正しい結合切断部位が分かる。逆合成解析において結合切断部位が分かる。逆合成解析において結合切断部位が分からない。
評価項目2逆合成解析に基づいた有機化合物の合成ルートの設計が正しくできる。逆合成解析に基づいた有機化合物の合成ルートの設計ができる。逆合成解析に基づいた有機化合物の合成ルートの設計ができない。
評価項目3ジアステレオ選択的な合成反応、エナンチオ選択的な合成反応の、生成物の立体を正しく予測できる。ジアステレオ選択的な合成反応、エナンチオ選択的な合成反応の、生成物の立体を予測できる。ジアステレオ選択的な合成反応、エナンチオ選択的な合成反応の、生成物の立体を予測できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機合成化学とは、目的とする標的化合物があり、その構造を正確に組み立てる際に必要な技術ならびにその基礎となる化学のことである。これまでの副生成物をともなう有機合成から、目的物を選択的かつ効率的に合成する考え方に世界の動向は転換してきている。ここでは立体化学や反応機構も考慮に入れながら、有機合成化学について多面的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義はプリントを中心に行い、グループディスカッションを積極的に取り入れ理解を深める。指定の教科書以外に、参考書として有機化学の教科書を持参すると良い。自学自習時間として、予習復習時間、演習課題および試験のための勉強時間を含める。
注意点:
2~4年次の有機化学が基礎となっているので、「有機化学Ⅰ・Ⅱ」の内容を事前に復習しておくことが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 逆合成解析 (1) 逆合成解析とは何か説明できる。簡単な標的分子の逆合成解析における結合切断部位が分かる。
2週 逆合成解析 (2) 逆合成解析におけるシントンが何かわかる。シントンに対応する具体的な反応剤がわかる。
3週 逆合成解析 (3) 有機合成における官能基相互変換と保護基の利用の重要性が説明できる。
4週 官能基を1個有する標的分子の合成 (1) アルコール類の逆合成ができる。
5週 官能基を1個有する標的分子の合成 (2) ハロゲン化物の逆合成ができる。
6週 官能基を1個有する標的分子の合成 (3) アミン類の逆合成ができる。
7週 (中間試験)
8週 官能基を1個有する標的分子の合成 (4) アルケンの逆合成ができる。
2ndQ
9週 官能基を1個有する標的分子の合成 (5) アルデヒドおよびケトン類の逆合成ができる。
10週 官能基を2個有する標的分子の合成 (1) βーヒドロキシカルボニル、α、βー不飽和カルボニルの逆合成ができる。
11週 官能基を2個有する標的分子の合成 (2) 極性転換と呼ばれる合成手法について説明できる。
12週 立体化学の予測と制御 (1) ジアステレオ選択的な反応の生成物の立体配座を予測できる。
13週 立体化学の予測と制御 (2) アルドール反応におけるジアステレオ選択性を説明できる。
14週 立体化学の予測と制御 (3) エナンチオ選択的な反応の生成物の立体配座を予測できる。
15週 (期末試験)
16週 総復習 期末試験の解説と、これまでの総復習を行う。

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000