化学工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学工学Ⅱ
科目番号 0129 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位II: 2
開設学科 国際創造工学科 化学・生物・環境系 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 小管人志  他監修「化学工学」(実教出版)、教材:プリント配布
担当教員 Luis Guzman

到達目標

1.実規模での各種単位操作に必要な数値計算は、演習を通して習熟する。式の誘導も自力で行う。
2.品質管理・工程管理・熱管理の重要性を理解する。
3.化学プラント・安全に関する知識・心構えを身につけ、エンジニアとしての素養を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1演習を通して実規模での各種単位操作に必要な数値計算が十分にできる。また、式の誘導も自力で行う。演習を通して実規模での各種単位操作に必要な数値計算ができる。演習を通して実規模での各種単位操作に必要な数値計算ができない。
評価項目2品質管理・工程管理・熱管理の重要性を理解することが十分にできる。品質管理・工程管理・熱管理の重要性を理解することができる。品質管理・工程管理・熱管理の重要性を理解することができない。
評価項目3化学プラント・安全に関する知識・心構えを身につけ、エンジニアとしての素養を十分に習得することができる。化学プラント・安全に関する知識・心構えを身につけ、エンジニアとしての素養を習得することができる。化学プラント・安全に関する知識・心構えを身につけ、エンジニアとしての素養を習得することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
4年次の「化学工学Ⅰ」に引続き、熱(蒸発・空調など)および物質移動(蒸留・抽出など)に関する単位操作について学習する。後半はプラントの設計・防災対策について習得する。合わせて品質管理・工程管理・安全と環境等についても理解する。
授業の進め方・方法:
成績の評価は定期試験の成績80%、および小テスト・課題・宿題の成績20%で行い、合計の成績が60点以上の者を合格とする。
注意点:
4年生の続き。実験の装置や操作・原理をよく理解し、プロセス全体を正しく把握することは、将来化学技術の仕事に携わる上でいかに大切であるかを知って欲しい。授業内容を教科書・ノートを使って予習復習しましょう。演習、宿題、小テストあり。課題解決型学習を心がけて欲しい。電卓を必ず携行すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学工業と熱(水蒸気の力) 熱の発生と有効利用・水蒸気のエンタルピー等の計算ができる。
2週 熱交換器(熱を伝える方式) 熱交換器の流量と温度の関係,伝熱機構と伝熱速度の関係を理解する。
3週 伝導伝熱(固体壁間の熱の伝わり方) フーリエの法則と熱伝導度の関係の計算ができる。
4週 対流伝熱(流体間の熱の伝わり方) 境膜伝熱係数・総括伝熱係数・対数平均温度差・有効温度差をりかいする。
5週 放射(輻射)伝熱(高温での熱の伝わり方) 高温物体からの熱放射(輻射)、ステファンボルツマンの法則等を理解する。
6週 まとめと演習 熱移動に関する演習問題を解き、全体像を理解する
問題集の利用。
7週 中間試験は実施しない (復習)
8週 試験問題の解答と評価 定期試験の内容について理解を深め、理解不足部分をを修正する。
2ndQ
9週 蒸留(加熱して分ける原理) 気液平衡・ラウールの法則・ドルトンの法則・還流等による蒸留の原理を理解し、単蒸留と連続精留との比較を行う。
10週 蒸留(精留における操作線)(1) 濃縮操作線・回収操作線を利用できるようにする(1)。 
11週 蒸留(精留における操作線)(2) 濃縮操作線・回収操作線を利用できるようにする(2)。
12週 蒸留(階段作図)(1) q線の方程式・還流比等による精留塔の設計およびマッケイブ・シーレ法による階段作図を行う(1)。
13週 蒸留(階段作図)(2) q線の方程式・還流比等による精留塔の設計およびマッケイブ・シーレ法による階段作図を行う(2)。
14週 蒸留(特殊蒸留)
真空蒸留・共沸蒸留法について理解する。
共沸混合物・共沸蒸留・抽出蒸留・水蒸気蒸留の原理を学ぶ。
15週 期末試験は実施しない (復習)
16週 試験問題の解答と評価・総復習 定期試験の内容について理解を深め、理解不足部分をを修正する。
後期
3rdQ
1週 吸収(原理) 吸収の目的およびヘンリーの法則について具体例(脱硫・脱硝等)を通して理解する。
2週 吸収(吸収のプロセス) 気体の溶解度・吸収のプロセスについて具体的に理解する。
3週 抽出(原理)
吸収(操作線)
溶解度曲線からの操作線の作図・最小溶媒量等を算出する。
4週 抽出(応用) 3成分系溶解度曲線を利用して抽出率の計算を行う。
5週 抽出(三角図法)(1) 液液抽出における3成分溶解度曲線を理解し、抽出率・組成等を作図によって求める(1)。
6週 抽出(三角図法)(2) 液液抽出における3成分溶解度曲線を理解し、抽出率・組成等を作図によって求める(2)。
7週 (中間試験)
8週 試験問題の解答と評価 定期試験の内容について理解を深め、理解不足部分をを修正する。
4thQ
9週 その他の分離・精製法(最近の分離工学) 吸着・イオン交換・逆浸透圧・分子ふるい・透析を理解する。
10週 その他の分離・精製法、まとめ 超臨界抽出・膜分離について理解し、まとめを行う。
11週 計測と制御(1) 化学プラントの運転管理・プロセス変量(温度等)について。
12週 計測と制御(2) 調節計と操作部・プロセス自動制御の原理・実例を理解する。
13週 反応装置(1) バッチ式と連続式反応装置。
14週 反応装置(2) バッチ式と連続式反応装置の特徴や用途を理解
15週 (期末試験)
16週 総復習
定期試験の内容について理解を深め、理解不足部分をを修正する。

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050
分野横断的能力000