高分子材料工学

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 高分子材料工学
科目番号 0137 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位II: 2
開設学科 国際創造工学科 化学・生物・環境系 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 教科書:西敏夫、讃井浩平、東千秋、高田十志和 「高分子化学」(裳華房)  参考書:井上祥平、宮田清蔵 「高分子材料の化学」(丸善)、中條善樹 「高分子化学I 合成」(丸善)、松下裕秀 「高分子化学II 物性」(丸善)
担当教員 宮下 美晴

到達目標

1.高分子の特徴、および、代表的な高分子の種類とその性質を説明できる。
2.高分子の分子量、および、構造(一次構造から高次構造)を説明できる。
3.重縮合、重付加などの逐次重合を説明できる。
4.ラジカル重合(共重合を含む)、イオン重合(遷移金属触媒重合を含む)などの付加重合を説明できる。
5.開環重合を説明できる。
6.ブロック共重合、グラフト共重合、高分子反応を説明できる。
7.高分子の熱的・力学的性質を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
高分子とは何かを、低分子との違いを明確にしながら説明できる。また、代表的な高分子の種類とその性質を説明できる。高分子とは何かを概ね説明できる。また、代表的な高分子とその性質を挙げることができる。高分子とは何かを説明できない。代表的な高分子とその性質を説明できない。
高分子の数平均分子量、重量平均分子量を説明し、計算できる。また、高分子の一次構造から高次構造を、具体例を示しながら説明できる。高分子の数平均分子量と重量平均分子量を概ね説明できる。また、高分子の一次構造から高次構造を概ね説明できる。高分子の平均分子量を説明できない。また、一次構造から高次構造を説明できない。
重縮合、重付加などの逐次重合の特徴を、それぞれの相違点を明らかにしながら説明できる。重縮合、重付加を概ね説明できる。重縮合、重付加を説明できない。
ラジカル重合(共重合を含む)の特徴、素反応および速度論を説明できる。また、イオン重合(遷移金属触媒重合を含む)の特徴をラジカル重合と比較しながら説明できる。ラジカル重合およびイオン重合の特徴を概ね説明できる。ラジカル重合およびイオン重合の特徴を説明できない。
開環重合の特徴を、モノマーの反応性と関連づけながら説明できる。開環重合の特徴を概ね説明できる。開環重合の特徴を説明できない。
ブロック共重合とグラフト共重合の特徴を、両者の違いを明確にしながら説明できる。また、各種高分子反応(高分子の化学修飾)を具体例を示しながら説明できる。ブロック共重合とグラフト共重合を概ね説明できる。また代表的な高分子反応を挙げることができる。ブロック共重合、グラフト共重合、高分子反応を説明できない。
高分子の熱的性質を、構造と関連づけながら説明できる.また、高分子の力学的性質(強度・弾性率等)を説明できる。高分子の熱的性質および力学的性質を概ね説明できる。高分子の熱的性質および力学的性質を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
様々な製品や施設・設備として用いられる有機材料のうち、そのほとんどを占める高分子化合物(特に合成高分子)を対象とする。高分子とは何かをよく理解した上で、各種高分子の合成法を学ぶ。また、高分子の熱的性質を構造と関連づけながら理解する。さらに、高分子の力学的性質(強度等)を理解する。
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を行う。毎回の内容について黒板やスライドを使って解説する。また、その日の授業内容に関するミニレビューとQuizを提示する。
注意点:
受講する者は、有機化学および物理化学の基礎について理解していることが望ましい。
毎回の授業後には、ノートや教科書の対応部分等を見直して復習すること。また、次回予定の内容に関して教科書や参考書を利用して予習すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有機・高分子材料とは 有機・高分子材料とは何かを説明できる。また、高分子の命名および高分子の分類について説明できる。
2週 高分子の構造の基礎 高分子の化学構造、一次構造、二次構造、高次構造について説明できる。
3週 高分子の分子量と分子量分布 数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布について説明できる。
4週 高分子の生成 各種重合反応を分類して説明できる。
5週 重縮合1 重縮合の機構を説明できる。
6週 重縮合2 実際の重縮合の方法と、それによって得られる高分子について説明できる。
7週 中間試験
8週 重付加 重付加の機構と、工業的に重要な重付加の例について説明できる。
2ndQ
9週 ラジカル重合1 ラジカル重合の素反応を説明できる。
10週 ラジカル重合2 ラジカル重合の速度論を説明できる。
11週 ラジカル重合3 実際のラジカル重合の方法と、それによって得られる高分子について説明できる。
12週 ラジカル共重合1 ラジカル共重合における共重合組成を説明できる。
13週 ラジカル共重合2 ラジカル共重合におけるモノマー反応性比を説明できる。
14週 モノマーの構造と反応性 モノマーの構造とラジカル(共)重合の反応性の関係を説明できる。
15週 期末試験
16週 前期の復習 前期に学習した内容のまとめと復習
後期
3rdQ
1週 イオン重合1 イオン重合の機構と特徴を説明できる。
2週 イオン重合2 カチオン重合、アニオン重合の代表例を説明できる。
3週 遷移金属触媒重合 遷移金属触媒を用いた重合について説明できる。
4週 開環重合1 開環重合の機構と特徴について説明できる。
5週 開環重合2 開環重合の代表例を説明できる。
6週 ブロック共重合とグラフト共重合 ブロック共重合体およびグラフト共重合体の合成法について説明できる。
7週 中間試験
8週 高分子反応 高分子の化学修飾・誘導体化反応について説明できる。
4thQ
9週 高分子固体の構造と熱的性質1 高分子の状態変化(熱転移)の概略を説明できる。
10週 高分子固体の構造と熱的性質2 高分子の結晶状態および結晶の融解の熱力学を説明できる。
11週 高分子固体の構造と熱的性質3 高分子のガラス状態とガラス転移を説明できる。
12週 高分子の力学物性1 高分子材料における力と変形の関係について説明できる。
13週 高分子の力学物性2 高分子材料の強度や弾性率を説明できる。
14週 高分子の力学物性3 高分子のゴム弾性を説明できる。
15週 期末試験
16週 後期の復習 後期に学習した内容のまとめと復習

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00