到達目標
現代における哲学的・倫理学的な諸問題を検討することで、ものごとを多角的に検討する能力を涵養する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 倫理・環境・技術などに関して現代社会において問題たりうるところを正しく理解し、説明することができる。 | 倫理・環境・技術などに関して現代社会において問題たりうるところを正しく理解することができる。 | 倫理・環境・技術などに関して現代社会において問題たりうるところを正しく理解することができない。 |
評価項目2 | 一つの事がらについて、自力で、複数の観点から検討することができる。 | 一つの事がらについて、自らの見解と他者の見解を比較・検討することができる。 | 一つの事がらについて、固定された見解しかもちえない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
現代における哲学的・倫理学的な諸問題を検討することで、ものごとを多角的に検討する能力を涵養する。具体的には、科学・技術・医療・経営・環境等に関する実際的な諸問題を理解し、それらについての説得的で重層的な議論を行っていく。
授業の進め方・方法:
本授業は、基本的には講義形式で行われる。受講の際には、言及される事がらについての一問一答的な暗記に終始するのではなく、一つの哲学的な見解が提示されるに至るまでの過程を重視してもらいたい。
※受講生の関心や授業の進捗状況等によって授業内容に変更の生じる可能性があります。
注意点:
既存の知識や常識、他者の見解に無批判に追従しないこと。自分の見解に固執して他者の見解を根拠なく排斥しないこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス 哲学の歴史(1):哲学と学問 |
現代思想に入る前の入門として、古代ギリシア哲学から近世哲学までの哲学史を概観する。(これを欠けば、「現代」思想を理解することは不可能である。)
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2週 |
哲学の歴史(2):哲学と宗教 |
同上。
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3週 |
哲学の歴史(3):哲学とルネサンス |
同上。
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4週 |
哲学の歴史(4):哲学と近代科学 |
同上。
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5週 |
現代思想への橋渡し(1):デカルトの自我論 |
現代思想をより良く理解するために、いわばその反対項といえるデカルト(17th)の自我論について講じる。
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6週 |
現代思想への橋渡し(2):カントの認識論 |
現代思想をより良く理解するために、同じくその反対項といえるカント(18th)の認識論について講じる。
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7週 |
実存主義(1):キリスト教の奴隷道徳とニーチェの君主道徳(超人思想) |
西洋の伝統であったキリスト教道徳に反旗を翻した哲学者ニーチェの倫理思想を概観する。
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8週 |
実存主義(2):ハイデガー、サルトル |
左記の哲学者たちによる、自我および世界に関する哲学思想を概観する。
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4thQ |
9週 |
構造主義:ソシュール、レヴィ=ストロース ポスト構造主義:フーコー |
左記の哲学者たちを題材に、人間が自由と主体性をもつという従来の考え方に異議を唱えた「構造主義」、およびその発展型である「ポスト構造主義」について講じる。
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10週 |
社会主義 宗教社会学 |
一般的に経済学分野において扱われるマルクスの「社会主義」を哲学の観点から講じる。また、ウェーバーの「宗教社会学」について講じる。
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11週 |
科学の問題と哲学 |
意識や自由意志の実在といった、(脳)科学と哲学のあいだに横たわっているといえる諸問題について論じる。
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12週 |
生命倫理学 |
現代の医療技術の発展によって生じた様々な倫理的問題に対処するために誕生した新しい倫理学分野である「生命倫理学」について講じる。
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13週 |
技術者倫理・経営倫理 |
具体的な事例を参考に、技術者および経営者が有しているべき倫理観について論じる。
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14週 |
予備日あるいは総括 |
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15週 |
(期末試験) |
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16週 |
答案の返却および解説 |
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評価割合
| 試験 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 0 | 80 |
基礎的能力 | 0 | 20 | 20 |