応用材料力学

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用材料力学
科目番号 0002 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 産業技術システムデザイン工学専攻 機械工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:堀内 良ら訳「材料工学入門」 (内田老鶴圃) 参考書:日本材料学会編「材料強度学」 (日本材料学会)
担当教員 金成 守康

到達目標

1.材料内部の原子の配置およびその挙動に基づいて,弾性率,転位の概念および降伏現象に対する強化法を理論的に説明できること.
2.急速破壊の概念を理論的に説明でき,材料の破壊靭性値から構造物の破壊応力を求められること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1材料内部の原子の配置およびその挙動に基づいて,弾性率,転位の概念および降伏現象に対する強化法を理論的に説明できる.材料内部の原子の配置およびその挙動に基づいて,弾性率,転位の概念および降伏現象に対する強化法を概ね説明できる.材料内部の原子の配置およびその挙動に基づいて,弾性率,転位の概念および降伏現象に対する強化法を説明できない.
評価項目2急速破壊の概念を理論的に説明でき,材料の破壊靭性値から構造物の破壊応力を求められる.急速破壊の概念を概ね説明でき,材料の破壊靭性値から構造物の破壊応力を求められる.急速破壊の概念を説明できず,材料の破壊靭性値から構造物の破壊応力を求められない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B) (ハ) 説明 閉じる
学習・教育目標 (B) (ロ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
弾性範囲を超えて起きる材料の破壊現象を理解することは,構造物を設計する上で重要である.講義では,外部応力に起因して材料内部で引き起こされる微視的な現象が,どのように構造物全体の塑性および急速破壊に影響を及ぼすのかを平易に説明し,材料強度学の基礎を身に付けることを目標とする.
授業の進め方・方法:
機械設計者に必要な材料工学上の知識を学習します.十分検討してから,履修するようにしてください.講義ノートの内容を見直し、講義に関する例題・演習問題を解いておいてください.講義で示した次回予定の部分を予習しておいてください.
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料強度学序論 材料強度学において扱う学問領域と材料力学,冶金学との違い.
2週 工業材料とその性質 工業材料の得失や価格とその用途や利用頻度を理解する.
3週 弾性率 応力,ひずみ,弾性率の定義とその工学的意義を理解する.
4週 原子間結合 1次結合,2次結合の種類と結合力の関係を理解する.
5週 固体における原子の充填 結晶中における原子充填の種類と面指数,方向指数の表記方法
6週 ヤング率の物理的基礎 原子の結合状態と弾性率との関係を理解する.
7週 ヤング率によって決まる設計のケーススタディ 材料のヤング率によって設計強度が決まる場合の設計方法を理解する.
8週 降伏強さ、引張り強さ、硬さおよび延性 弾性,塑性,擬弾性変形における応力-ひずみ曲線の種類を理解する.
2ndQ
9週 降伏条件 最大せん断応力説,せん断ひずみエネルギー説などの降伏条件を理解する.
10週 結晶における転位と降伏 転位の挙動と降伏強度との関係,刃状転位,螺旋転位の違いを理解する.
11週 強化法および多結晶の塑性 合金における固溶体強化,分散強化と加工硬化を理解する.
12週 降伏によって決まる設計のケーススタディ 材料の降伏応力によって設計強度が決まる場合の設計方法を理解する.
13週 急速破壊と靭性 急速破壊における破壊靭性値の物理的意味を理解する.
14週 疲労破壊 疲労破壊の機構と低サイクル,高サイクル疲労の概念を理解する.
15週 (期末試験)
16週 総復習

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000