錯体化学特論

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 錯体化学特論
科目番号 0003 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 産業技術システムデザイン工学専攻 応用化学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書: 柴田村治 「錯体化学入門」(共立出版) 増田・福住編著「生物無機化学」(三共)
担当教員 小松﨑 秀人

到達目標

1.錯体の構造、性質、反応性について理解できるようになること。
2.錯体の安定化要因について理解できるようになること。
3.錯体が生物無機化学の分野でどのように展開されているか理解できるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1錯体の構造や異性化現象、代表的な反応について、しっかりと理解し、説明することができる。錯体の構造や異性化現象、代表的な反応について、おおよそ理解している。錯体の構造や異性化現象、代表的な反応について、理解することができない。
評価項目2本講義で学んだ錯体の安定化要因について、しっかりと理解し、説明することができる。本講義で学んだ錯体の安定化要因について、おおよそ理解している。本講義で学んだ錯体の安定化要因について、理解することができない。
評価項目3生物無機化学の分野に錯体化学がどのように活かされているか、そして代表的なモデル錯体から得られた知見について、しっかりと理解している。生物無機化学の分野に錯体化学がどのように活かされているか、そして代表的なモデル錯体から得られた知見について、おおよそ理解している。生物無機化学の分野に錯体化学がどのように活かされているか、そして代表的なモデル錯体から得られた知見について、理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B) (ハ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科で学んだ錯体化学を基礎として、錯体の立体構造や電子状態、安定化要因、錯体の反応性などについて解説する。また、錯体化学の応用分野として最近展開されている生物無機化学の分野についても解説する。
授業の進め方・方法:
 金属錯体は、有機化合物や単純な無機化合物には見られない立体構造や反応機構、そして電子論的取扱いがあります。また、生物無機化学はこの30年で発展してきた分野です。興味のある方は是非受講してください。
 なお、受講者は4年次の無機化学Ⅱの復習をしておいて下さい。講義ノートの内容を見直し、よく復習をしておくこと。講義内容で示した次回分の内容を予習しておくこと。
注意点:
本科目は隔年開講となりますので、2年生の受講も可能です。開講される年度については、授業時間割で確認してください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 錯体の構造・異性化現象 配位子、錯体の基本的構造や異性化現象
2週 錯体の結合と電子状態(1) 結晶場理論、結晶場分裂エネルギー、電子配置(高スピン、低スピン)、分光化学系列
3週 錯体の結合と電子状態(2) 結晶場安定化エネルギー、配位子場理論、分子軌道法
4週 錯体の電子状態と磁性 錯体の磁気的性質
5週 錯体の安定性・反応性(1) 安定度定数、キレート効果、HSAB則
6週 錯体の安定性・反応性(2) Jahn-Teller効果、Irving-Williams系列、トランス効果
7週 錯体の反応性(1) 配位子置換反応
8週 錯体の反応性(2) 酸化・還元反応、酸化的付加、還元的脱離
2ndQ
9週 生物無機化学への展開(1) 生物無機化学の位置付け、酵素と補酵素、生体内配位子
10週 生物無機化学への展開(2) モデル錯体の種類と設計
11週 生物無機化学への展開(3) 非酸化還元酵素(加水分解酵素)とそのモデル錯体
12週 生物無機化学への展開(4) 酸素運搬体とそのモデル錯体
13週 生物無機化学への展開(5) 酸化還元酵素とそのモデル錯体
14週 無機薬品への応用 無機薬品としての金属錯体
15週 (期末試験は実施しない)
16週 総復習 錯体化学の総復習

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力200000020
専門的能力800000080
分野横断的能力0000000