電気回路

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気回路
科目番号 0009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気電子システム工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:柴田尚志著「電気回路Ⅰ」(コロナ社):2学年で使用した教科書、 参考書:小郷寛原著、小亀・石亀共著「基礎からの交流理論」(電気学会)、雨宮好文著「基礎電気回路」( オーム社)
担当教員 皆藤 新一

到達目標

1.記号法を用いた正弦波交流回路の各種解法をマスターし、定常状態における基本的な交流回路が解けるようにする。
2.平衡三相交流回路の特長を理解し、三相回路の電圧、電流、電力を求められるようにして、電力工学の基礎知識を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
キルヒホッフの法則や合成インピーダンス、分圧・分流の考え方を用いて交流回路の計算ができる。キルヒホッフの法則を用いて簡単な交流回路の計算ができる。キルヒホッフの法則を用いて交流回路の計算ができない。
各種回路解法(重ねの理、テブナンの定理、ループ電流法、節点電位法)を駆使して回路の計算ができる。各種回路解法(重ねの理、テブナンの定理、ループ電流法、節点電位法)を用いて回路の計算ができる。各種回路解法(重ねの理、テブナンの定理、ループ電流法、節点電位法)を用いて回路の計算ができない。
交流ブリッジ回路や直列共振回路、並列共振回路の計算ができる。交流ブリッジ回路や直列共振回路、並列共振回路の基本的な計算ができる。交流ブリッジ回路や直列共振回路、並列共振回路の計算ができない。
相互誘導を説明し、相互誘導回路や理想変圧器を含む回路の計算ができる。相互誘導を説明し、相互誘導回路や理想変圧器を含む簡単な回路の計算ができる。相互誘導を説明し、相互誘導回路や理想変圧器を含む回路の計算ができない。
各種平衡三相回路の電圧、電流、電力を求められる。簡単な平衡三相回路の電圧、電流、電力を求められる。平衡三相回路の電圧、電流、電力を求められない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A)(イ) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (B)(ロ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
2年次での電気回路の継続で、まず記号法による交流回路の各種解法に習熟する。次に三相回路について学び、4年次以降で学ぶ電気機器、エネルギー変換工学、電力システム工学などの電力工学の基礎知識を修得する。
授業の進め方・方法:
講義主体で授業は行い、評価は定期試験と課題を含めたノートの取りまとめ状況で行う。
注意点:
2学年までに電気回路や数学で学んだ基礎的な知識が実際の交流回路の解法に生かされることになるので、三角関数や行列を含め、これまで学んできた事項を復習しておくこと。
本教科は、卒業後,電気主任技術者の免状交付申請を行うために開設されている科目である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.記号法による交流回路の解法(1) 2学年で学んだ正弦波交流の特徴とjωを用いた交流回路の解法(記号法)と交流電力を復習する。
2週 1.記号法による交流回路の解法(2) 記号法を用いたKCLやKVLを理解するとともに、合成インピーダンス、合成アドミタンスの概念や交流回路における分圧、分流を理解する。
3週 1.記号法による交流回路の解法(3) 電圧源と電流源の概念を理解し、これらの等価変換ができるようにする。
4週 2.重ねの理(1) 線形回路の特徴としての重ねの理を理解し、重ねの理を用いた回路解法を習得する。
5週 2.重ねの理(2) 電圧源と電流源が混在する回路を重ねの理を用いて解析できるようにする。
6週 演習 理解不足な部分を演習を通して確実なものとする。
7週 中間試験
8週 3.テブナンの定理 等価電源の定理としてのテブナンの定理の意味を理解し、テブナンの定理を用いた回路解法を習得する。
2ndQ
9週 4.交流ブリッジ(1) 交流ブリッジ回路の解法と平衡条件を理解する。
10週 4.交流ブリッジ(2) 相互誘導を復習し、相互インダクタンスや理想変圧器を含むブリッジ回路が解析できるようにする。
11週 5.周波数特性 RL直列回路やRC直列回路などの簡単な交流回路について周波数が変化したときの電圧、電流の大きさや位相の変化を解析できるようにする。
12週 6.共振回路 RLC直列共振、並列共振回路を理解する。
13週 7.フェーザー軌跡 簡単な回路について周波数が変化したときのフェーザ軌跡を理解する。
14週 演習 理解不足な部分を演習を通して確実なものとする。
15週 前期末試験
16週 総復習 これまでの総復習とまとめ
後期
3rdQ
1週 8.回路のグラフ 電気回路のグラフ、木、補木の概念を理解し、グラフからループ方程式を効率的にたてる手法を理解する。
2週 9.ループ電流法 ループ方程式における係数行列の物理的な意味を理解してループ方程式をチェックできるようにし、ループ電流法を用いての回路解析を習得する。
3週 10.節点電位法(1) グラフから節点方程式を効率的にたてる手法を理解する。
4週 10.節点電位法(2) 節点電位法を用いて回路を解けるようにする。
5週 11.三相回路の特徴 三相交流とはどのようなものであるかを理解する。
6週 12.三相回路の結線 Y結線、Δ結線における線間電圧と相電圧、線電流と相電流の関係を理解する。
7週 後期中間試験
8週 13.平衡三相回路(1) 平衡三相回路の1つであるY-Y回路、Δ-Δ回路の解法を理解する。
4thQ
9週 13.平衡三相回路(2) 電源と負荷の結線方式が異なる場合(Y-Δ回路、Δ-Y回路
)を電源のY-Δ変換によって求める方法を理解する。
10週 13.平衡三相回路(3) インピーダンスのY-Δ変換を用いたY-Δ回路、Δ-Y回路の
解法を理解する。
11週 14.平衡三相回路の電力 平衡三相回路の電力の特殊性を理解し、平衡三相回路の電力を計算できるようにする。
12週 15.不平衡三相回路の解法 不平衡三相回路の回路解法を理解する。
13週 16.不平衡三相回路の電力と測定法 不平衡三相回路の電力の算出法を理解する。ブロンデルの定理と二電力計による三相電力の測定法を理解する。
14週 17.対称座標法 対称座標法による電圧、電流の表示法と対称分を用いた不平衡三相回路の解法を理解する。
15週 後期期末試験
16週 総復習 これまでの総復習とまとめ

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000