伝送回路

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 伝送回路
科目番号 0036 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位I: 2
開設学科 電気電子システム工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書:遠藤 勲、鈴木 靖「電気回路II」(コロナ社)
担当教員 皆藤 新一

到達目標

1.2端子対回路の各種パラメータを求めることができ、それらを用いて各種伝送量の計算ができること。
2.電気回路の過渡現象を、微分方程式を解くことで説明でき、物理的な解釈ができること。
3.分布定数回路における電信方程式を解くことができ、その結果を解釈できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.2端子対回路2端子対回路の各種パラメータを求めることができ、それらを用いて各種伝送量を求めることができる。簡単な2端子対回路の各種パラメータを求めることができ、それらを用いて各種伝送量を求めることができる。2端子対回路の各種パラメータを求めることができ、それらを用いて各種伝送量を求めることができない。
2.過渡現象過渡現象を微分方程式を解くことで説明でき、物理的な解釈ができる。簡単な回路に対して過渡現象を微分方程式を解くことで説明でき、物理的な解釈ができる。過渡現象を微分方程式を解くことで説明できない。
3.分布定数回路分布定数回路における電信方程式を解くことができ、その結果を解釈できる。簡単な分布定数回路における電信方程式を解くことができ、その結果を解釈できる。分布定数回路における電信方程式を解くことがでない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A)(イ) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (B)(ロ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年次までに学んだ電気回路の知識を基礎として、電気通信、情報伝送などの学問の基礎となる2端子対回路、過渡現象、および分布定数回路の取り扱いを学ぶ。
授業の進め方・方法:
・2端子対回路では行列と行列式、逆行列、過渡現象では線形微分方程式の解法、分布定数回路では、偏微分及び微分方程式について予習しておくこと。
・毎回与えられる課題を中心に講義ノートを見直すことで復習すること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.ループ方程式と節点方程式 ループ電流法と節点電位法の復習
2週 2.2端子対回路
(1)2端子対回路の行列表現
(2)Y行列
2端子対回路の行列表現としてのY行列と各要素を求める方法、可逆の定理を理解する。
3週 (3)Z行列 Z行列の定義と各要素を求める方法を理解する。
4週 (4)その他の行列表 F、H行列の定義と各要素を求める方法を理解する。
5週 (5)2端子対回路の接続 2端子対回路の直列、並列接続を理解する。
6週 2端子対回路の縦続接続、直並列接続・並直列接続を理解する。
7週 前期中間試験
8週 3.信号伝送と2端子対回路
(1)伝送回路
伝送回路と2端子対回路の関係を理解し、伝送回路を表す量として何が用いられるかを理解する。
2ndQ
9週 (2)入力インピーダンス・出力インピーダンス 入力インピーダンス、出力インピーダンスとは何かを理解し、それらを各種パラメータを用いて求められるようにする。
10週 (3)伝送係数 伝送係数と伝送量とは何かを理解する。また、電圧伝送係数、電流伝送係数の定義と求め方を習得する。
11週 最大電力供給条件と反射係数を理解し、電力の伝送係数として
の動作伝送係数と反響伝送係数の定義と求め方を習得する。
12週 Sパラメータの定義と求め方を習得する。
13週 4.電気回路の過渡現象
(1)過渡現象と微分方程式
定数係数線形微分方程式の解法の復習と回路の過渡現象への応用
14週 (2)RL直列回路 RL直列回路に電源を印加したときの微分方程式、初期条件、時定数などを通してRL直列回路の過渡現象を理解する。
15週 前期期末試験
16週 総復習 これまで学んだことの総復習
後期
3rdQ
1週 RL直列回路から電源を除去したときの過渡現象を理解する。
2週 (3)RC直列回路 RC直列回路の過渡現象を理解する。
3週 (4)RLC直列回路 RLC直列回路の過渡現象を理解する。
4週 (5)交流回路の過渡現象 簡単な回路の交流過渡現象の解法を理解する。
5週 (6)電荷量不変の理と磁束鎖交数不変の理 特殊な回路に対して初期条件を得るための電荷量不変の理と磁束鎖交数不変の理を理解する。
6週 5.分布定数回路
(1)分布定数回路の基本式
分布定数回路の基本式を導き、基本式から電信方程式に至る過程を理解する。
7週 後期中間試験
8週 (2)無損失線路と波動方程式 無損失線路における電信方程式が波動方程式になることを理解し、その一般解であるダランベールの解の意味を理解する
4thQ
9週 (3)線路の不連続点と反射 線路の不連続点で起こる反射と透過を理解し、無損失線路の反射係数や透過係数の求め方を理解する。
10週 (4)正弦波定常状態 正弦波定常状態に対する複素形式の基本式と電信方程式を理解する。
11週 正弦波定常状態を扱う際の伝搬定数と特性インピーダンスの意味を理解する。
12週 有限長伝送線路の取り扱い方と任意の位置での入力インピーダンス、多重反射について理解する。
13週 (5)無損失線路の正弦波定常状態 有限長無損失線路の反射係数、定在波の発生を理解し、反射係数と定在波比との関係を理解する。
14週 いくつかの終端インピーダンスに対する電圧、電流の定在波分布と任意の位置でのインピーダンスの変化を理解する。
15週 後期期末試験
16週 総復習 スミスチャートの紹介とこれまで学んだことの総復習

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000