応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0062 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位I: 2
開設学科 電気電子システム工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書:プリントを適宜配布 参考書:小暮陽三ほか「高専の応用物理」(森北出版)、砂川重信著「力学の考え方」「熱・統計力学の考え方」(岩波書店)
担当教員 久保木 浩功

到達目標

力学:質点の運動や2体問題、剛体の回転、振動現象に関する運動方程式を立てて解くことができる。
熱力学:熱力学の第一法則と第二法則をもとに、基礎的な熱力学量を計算できる。
前期量子論・放射線:量子効果を説明できる。放射線防護において科学とそれ以外の諸問題を区別できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力学質点の運動や2体問題、剛体の回転、振動現象に関する運動方程式を立てて基本問題を解き、それらの現象を定量的に説明できる。質点の運動や2体問題、剛体の回転、振動現象に関する運動方程式を立てて、基本問題を解くことができる。質点の運動や2体問題、剛体の回転、振動現象に関する運動方程式を立てられない。
熱力学熱力学の第一・第二法則をもとに基礎的な熱力学量を計算し、その現象を定量的に説明できる。熱力学の第一・第二法則を用いて、基礎的な熱力学量を計算できる。熱力学の第一・第二法則を説明できない。基礎的な熱力学量を計算できない。
前期量子論・放射線簡単な量子系(光電効果など)を式を用いて説明できる。放射線の影響を科学的に論じることができる。量子効果を説明できる。放射線防護の基準を概説できる。量子現象を説明できない。放射線の単位を書けない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A)(イ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
力学(質点の力学、二体問題、剛体の回転、振動現象)、熱力学、前期量子論、放射線の各分野を学習する。
授業の進め方・方法:
座学と演習を組み合わせたスタイルで授業を進める。
自ら演習問題に取り組み、微積分の物理応用に慣れるとともに物理的センスを磨く努力を重ねること。
注意点:
講義スライドやノートの内容を見直し、指示された例題や演習問題(課題)を解いておくこと。講義で示した次回予定の部分を予習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物体の運動と力 物体の運動が変化するとき力が働くことを説明できる。
2週 ニュートン力学の基本 ニュートン力学の三法則を説明できる。
3週 加速度をともなわない運動 つり合いや等速度運動の運動方程式を立てて基本問題を解ける。
4週 加速度をともなう運動:重力場における質点の運動 重力場におかれた質点について運動方程式を立て、微積分を用いて基本問題を解ける。
5週 加速度をともなう運動:接触をともなう物体の運動 摩擦と垂直抗力がある場合の運動方程式を立て、作用・反作用の法則の当てはめて基本問題を解ける。
6週 保存則:運動量と運動エネルギー 運動量や運動エネルギーの保存則を用いた基本問題を解ける。
7週 (中間試験)
8週 二体問題:重心運動 重心運動の運動方程式を立てられる。
2ndQ
9週 二体問題:相対運動 相対運動の運動方程式を立てられる。
10週 剛体の回転:回転の運動方程式 剛体の回転の運動方程式を立てられる。
11週 振動現象の物理モデル 振動現象の微分方程式を解く方法を説明できる。
12週 振動現象の基本モデルI:単振動 単振動を簡単な初期条件の下で解ける。
13週 振動現象の基本モデルII:減衰振動 減衰振動を簡単な初期条件の下で解ける。
14週 振動現象の基本モデルIII:強制振動 強制振動に定数変化法を適用する方法を説明できる。
15週 (期末試験)
16週 総復習
後期
3rdQ
1週 熱の移動 対流、熱伝導、熱放射を説明できる。
2週 気体の状態と分子運動 理想気体の状態方程式や気体の内部エネルギーを説明できる。
3週 熱力学第一法則 熱力学第一法則と状態方程式を用いて準静的過程における基礎的な気体の状態変化を計算できる。
4週 熱力学第二法則 熱力学第二法則、エントロピーを説明できる。
5週 熱機関の解析:カルノーサイクル 基礎的なカルノーサイクルにおいて、熱機関の効率を計算できる。
6週 熱機関の解析:エントロピー 基礎的な熱機関でのエントロピーの変化を計算できる。
7週 (中間試験)
8週 電子と光:電子の発見と光電効果 電子の性質、光電効果と光量子仮説を説明できる。
4thQ
9週 量子効果の特徴:粒子性と波動性 量子効果が現れる系の特徴、粒子性と波動性を説明できる。
10週 物体の放つ光:黒体輻射と線スペクトル 物体の放つ光が持つ特徴を説明できる。
11週 ボーア模型:水素原子の線スペクトル ボーア模型を水素原子に適用する方法を説明できる。
12週 放射線と放射能 放射線と放射能の違いを説明できる。
13週 放射線の性質と検出 放射線の種類を挙げ、検出する方法を説明できる。
14週 放射線と安全 放射線防護において科学と他分野との関係を説明できる。
15週 (期末試験)
16週 総復習

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオ発表合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000