人間と世界Ⅲ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 人間と世界Ⅲ
科目番号 0089 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位II: 2
開設学科 電気電子システム工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 参考書:前原昭二「記号論理入門」日本評論社、D.van Dalen, Logic and Structure, Springer-Verlag
担当教員 神山 和好

到達目標

1.論理法則、論理的に正しい推論とは何かを理解する 論理的に正しい推論の型、正しくない推論の型を確認する 
2.論理学の基本的な骨組み(形式言語,意味論,構文論,完全性定理)を理解する
3.論理が理論において果たす役割を理解する(理論とは何かを理解する)
4.five paragraph essayの作成に習熟する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1論理学の骨格をよく理解している論理学の骨格をおおむね理解している論理学の骨格を理解していない
評価項目2論理法則、推論が論理的に正しいことの定義、論理的に正しい論証の型/正しくない推論の型をよく理解している論理法則、推論が論理的に正しいことの定義、論理的に正しい論証の型/正しくない推論の型をおおむね理解している論理法則、推論が論理的に正しいことの定義、論理的に正しい論証の型/正しくない推論の型を理解していない
評価項目3興味深いfive paragraph essayを書くことができるfive paragraph essayを書くことができるfive paragraph essayを書くことができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (E)(ト) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
論理学の初等的講義。命題論理学と述語論理学の概要を講義する。演繹体系としてはゲンツエンの自然演繹法を使う。論理的証明の習熟や論理学の骨組みの解説に重点を置き、完全性定理の証明等は省略する。なお、論理的思考のトレーニングのため、小論文(five paragraph essay)の作成、提出を求める。
授業の進め方・方法:
基本的に板書(講義)により行う。随時演習を行う。
注意点:
論理なしには科学や数学は展開できませんから(できたらすごい)、論理学は合理的思考に関心あるすべての人にフィットする科目だと思います。教科書は使わないので、必ずノートをとること。随時演習問題(宿題)を課します。演習問題の大部分は参考書「記号論理入門」の中にあります。各定理の証明を見たい人はLogic and Structureを見てください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション 論理学は論証の構造の研究である 形式言語
2週 命題論理 論理語:かつ、または、もしーならば、ではない
3週 形式言語Ls Lsの記号の規則、形成規則、解釈の規則
4週 トートロジーと意味論的帰結 2重否定則、対偶則、排中律、ド・モルガン則、他
5週 トートロジーと意味論的帰結 妥当な推論とは、前提の正しさを結論に保存する推論である
6週 推論の分析 簡単な推論の分析
five paragraph essayの書き方
7週 (中間試験)
8週 演繹体系NKs 自然演繹法NKs
2ndQ
9週 NKsの演繹 演繹可能性 NKsにおける証明
10週 形式的証明の習熟 NKsにおいていろいろなトートロジーを証明する
11週 形式的証明の習熟 NKsにおいていろいろなトートロジーを証明する
12週 置き換え定理 証明の簡略化
13週 完全性定理(NKsの完全性) NKsは健全かつ完全である
14週 まとめ 命題論理のまとめ
15週 (期末試験)
16週 総復習 総復習
後期
3rdQ
1週 述語論理 命題論理の限界 言語の拡張の必要性 第一階の述語論理 
2週 形式言語L  第一階の述語言語 「すべて」、「存在する」
3週 諸命題のLによる表現 さまざまな命題をLで表現する
4週 恒真式と意味論的帰結 トートロジー、意味論的帰結の拡張
5週 演繹体系NK 「すべて」と「存在する」に関する4つの推論規則の追加
6週 NKの演繹,演繹可能性 NKにおける証明
7週 (中間試験)
8週 NKの演繹,演繹可能性 NKにおける証明
4thQ
9週 完全性定理(NKの完全性) NKは健全かつ完全である
10週 推論の分析 NKを用いて具体的推論を分析する
11週 初等的理論:(例)自然数論 論理学から見たとき理論とは何か
12週 自然数論 理論のなかで論理はいかに機能するか
13週 前途瞥見 ゲーデルの不完全性定理 集合論のパラドクス 公理的集合論 非古典論理
14週 まとめ まとめ
15週 (期末試験)
16週  総復習 総復習

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000