電子材料

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子材料
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 中沢達夫 他 電気・電子系教科書シリーズ「電気・電子材料」コロナ社
担当教員 弥生 宗男

到達目標

1.電子について、基本的な物理現象から各種材料での電気伝導を説明できる。
2.半導体の性質とデバイスの動作を説明できる。
3.誘電体や磁性体の性質とその応用を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1 電子物性基礎電子の性質と物理現象から各種材料における電気伝導を説明できる。電子の性質と基本的な物理現象を説明できる。電子の性質と基本的な物理現象を説明できない。
2 半導体半導体の性質からデバイスの動作特性を説明できる。半導体の性質を説明できる。半導体の性質およびデバイスの動作を説明できない。
3 誘電体・磁性体誘電体・磁性体の性質から応用デバイスの特性を説明できる。誘電体・磁性体の性質を説明できる。誘電体・磁性体の性質および応用を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A)(イ) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (B)(ロ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
固体中の電子の振る舞いを利用した電子デバイスの基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
はじめに電子材料工学の基盤となる物理について学び、その後に半導体デバイスと誘電体や磁性体などの電子物性を座学形式で学ぶ。
注意点:
電子材料は、力学や電磁気学などの基礎物理学全般を基盤にしているので、これらをしっかりと習得すること。また数式で覚えるのではなく、物理的イメージを描き自分の言葉で理解できるように努力すること。授業中はノートを素早くとり、復習のために、まとめノート(A4版)を丁寧に作成すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子の性質 電子は質量と電荷量をもつ粒子であることを説明できる。
2週 電子材料を理解するための物理(1) 電子の運動を理解するために、速度や運動方程式などの力学の基礎を説明できる。
3週 電子材料を理解するための物理(2) 静電場中での電子運動などを理解するために、電磁気学の基礎を説明できる。
4週 電子材料を理解するための物理(3) 電子に作用する力とエネルギーの関係を説明できる。
5週 粒子性と波動性 光電効果をとおして、光の二重性や仕事関数などを説明でき、光電子のエネルギーや波長などを計算できる
6週 水素原子とボーアの量子仮説 ボーアの量子仮説と水素原子内の電子状態などを説明できる。
7週 (中間試験)
8週 単原子内の電子状態 単原子内の電子状態と電子波を説明できる。
2ndQ
9週 結晶構造とエネルギーバンド構造 代表的な結晶構造、エネルギー・バンド構造、フェルミ・ディラック分布などを説明できる。
10週 金属、半導体、絶縁体 エネルギーバンド図から、金属、半導体、絶縁体の違いなどを説明できる。
11週 熱力学・統計力学の基礎 気体分子の運動と熱エネルギーを説明できる。
12週 金属の電気伝導(1) 金属中の電子の運動からオームの法則を導出し、導電率や移動度などの計算ができる。
13週 金属の電気伝導(2) 電子の散乱などを説明できる。
14週 電子放出 金属からの電子放出を説明できる。
15週 (期末試験)
16週 真性半導体 半導体の特徴や伝導電子・ホールの生成などを説明できる。
後期
3rdQ
1週 不純物半導体 不純物半導体について説明できる。
2週 半導体の電気伝導 ドリフト電流と拡散電流などを説明できる。
3週 pn接合 pn接合における、空乏層の形成過程を説明できる。
4週 pn接合の順方向特性 エネルギー・バンド図を用いてpn接合の順方向特性を説明できる。
5週 pn接合の逆方向特性 pn接合の逆方向特性とブレークダウンを説明できる。
6週 バイポーラトランジスタ エネルギー・バンド図を用いてバイポーラトランジスタの電気伝導を説明できる。
7週 (中間試験)
8週 MOS構造 MOS構造、反転層の形成などを説明できる。
4thQ
9週 MOSFET MOSFETの動作を説明できる。
10週 誘電体の電磁気学 電気双極子や比誘電率などを説明できる。
11週 電気分極 電子分極、イオン分極、配向分極を説明できる。
12週 強誘電体 強誘電体の特徴などを説明できる。
13週 磁性体の電磁気学 磁気モーメントや比透磁率などを説明できる。
14週 常磁性体と強磁性体 常磁性体と強磁性体の特徴などを説明できる。
15週 (期末試験)
16週 総復習

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00