応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0040 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位I: 2
開設学科 電子情報工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書:プリントを適宜配布
担当教員 三橋 和彦

到達目標

力学:質点の運動を微積分を用いて計算できる。保存則を適用できる。剛体の回転運動を定式化できる。
熱力学:第一法則と第二法則を説明できる。微積分を用いて熱力学量の計算ができる。熱機関の効率を計算で きる。
振動:減衰振動の運動方程式を立てて解くことができる。強制振動に定数変化法を適用できる。
前期量子論・放射線:量子効果を説明できる。放射線防護において科学とそれ以外の諸問題を区別できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
複数の物体の並進や回転運動を取り扱うことができる。並進や回転運動の運動方程式を微分方程式として立てて、初期条件の下で解くことができる。保存則を簡単な系に適用できる。並進や回転運動の運動方程式を微分方程式として立てることができない。
熱力学の法則を文章と式を用いて説明できる。物理量の計算に法則を適用できる。第一・二法則を説明できる。法則を簡単な過程に適用できる。熱機関の効率を計算で きる。法則を説明できない。熱効率が計算できない。
ガウスの法則やビオ-サヴァールの法則と微積分を用いて電場や磁場を計算できる。簡単な系にガウスの法則やビオ-サヴァールの法則を適用して電場や磁場の計算ができる。簡単な系の電場や磁場を計算できない。
簡単な量子系(光電効果など)を式を用いて説明できる。放射線の影響を科学的に論じることができる。量子効果を説明できる。放射線防護の基準を概説できる。量子現象を説明できない。放射線の単位を書けない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A)(イ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高等教育で学ぶ物理学の中で、力学、熱力学、前期量子論、放射線の各分野を学習する。また各学科の専門性を考慮し、機械・物質工学科では電磁気学を、電気・情報工学科では振動問題を学習する。特に力学、熱力学、電磁気学に関しては、物理量を微積分を用いて計算する手法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学を中心に授業を展開する。主な参考書:砂川重信著「力学の考え方」「熱・統計力学の考え方」「電磁気学の考え方」(岩波書店)
注意点:
この授業で向上させて欲しい能力は(1)新しい概念を理解する能力(2)理解した内容を自分の表現で説明できる能力(3)基本を例題とは幾分異なる系に適用できる能力です。試験問題もこの観点で作成します。(1)や(2)はできる ことを一度確認すれば良いかもしれませんが、(3)は自分で考え手を動かしながら(できれば問題を予想しながら )式を立て計算しないと身につきません。宿題等を通して独力でできるようになりましょう。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物体の運動と力 物体の運動が変化するとき力が働くことを理解できる。
2週 ニュートン力学の基本 ニュートン力学の三法則を理解できる。
3週 加速度をともなわない運動 つり合いや等速度運動の運動方程式を理解できる。
4週 加速度をともなう運動I:重力場における質点の運動:落下と投射 重力場におかれた質点について運動方程式を立てる方法と、微積分を用いて解く方法を理解できる。
5週 加速度をともなう運動II:接触をともなう物体の運動:摩擦と作用・反作用の法則 摩擦と垂直抗力がある場合の運動方程式の立て方を理解できる。作用・反作用の法則の当てはめ方を理解できる。
6週 保存則:運動量と運動エネルギー 物理量が保存される条件と何が保存されるかを理解できる。
7週 (中間試験)
8週 二体問題:重心運動と相対運動 重心運動と相対運動の運動方程式の立て方を理解できる。
2ndQ
9週 剛体の回転:回転の運動方程式 剛体の運動方程式の立て方を理解できる。
10週 熱とは何か?:熱力学第一法則 熱力学第一法則の内容と、その数学的表現を理解できる。
11週 熱理学第一法則と状態方程式 準静的過程において第一法則と状態方程式を組み合わせる方法を理解できる。
12週 熱伝導とは何か?:熱力学第二法則 熱力学第二法則の内容と、その数学的表現を理解できる。
13週 熱機関の解析モデル:カルノー機関 カルノー機関の各過程とそれらの数式表現を理解できる。
14週 第一法則と第二法則の適用 第一・二法則を簡単な過程に適用し計算する方法を理解できる。
15週 (期末試験)
16週 総復習
後期
3rdQ
1週 振動現象の物理モデル 振動現象の微分方程式を解く方法を理解できる。
2週 振動現象の基本モデルI:単振動 単振動を簡単な初期条件の下で解く方法を理解できる。
3週 振動現象の基本モデルII:減衰振動 減衰振動を簡単な初期条件の下で解く方法を理解できる。
4週 振動現象の基本モデルIII:強制振動 強制振動に定数変化法を適用する方法を理解できる。
5週 多体系の振動現象:連成振動 複数のバネと質点からなる系の運動方程式の立て方を理解できる。
6週 境界条件をともなう振動現象:弦の振動 弦の変位を初期条件と境界条件から求める方法を理解できる。
7週 (中間試験)
8週 電子と光:電子の発見と光電効果 電子の性質、光電効果と光量子仮説を理解できる。
4thQ
9週 量子効果の特徴:粒子性と波動性 量子効果が現れる系の特徴、粒子性と波動性を理解できる。
10週 物体の放つ光:黒体輻射と線スペクトル 物体の放つ光が持つ特徴を理解できる。
11週 ボーア模型:水素原子の線スペクトル ボーア模型を水素原子に適用する方法を理解できる。
12週 放射線と放射能 放射線と放射能の違いを理解できる。
13週 放射線の性質と検出 放射線の種類を挙げ、検出する方法を理解できる。
14週 放射線と安全 放射線防護において科学と他分野との関係を理解できる。
15週 (期末試験)
16週 総復習

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000