ディジタル信号処理

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 ディジタル信号処理
科目番号 0086 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位II: 2
開設学科 電子情報工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 教科書:大類重範「ディジタル信号処理」(日本理工出版) 参考書:有木康雄「ディジタル信号処理」(オーム社)
担当教員 荒川 臣司

到達目標

1. フーリエ級数とフーリエ変換を理解する
2. 連続時間システムでの信号の入出力を理解する
3. 離散時間システムでの信号の入出力を理解する
4. 離散フーリエ変換とその基本的性質を理解する
5. ディジタルフィルタの概略を理解する

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1フーリエ級数とフーリエ変換を理解し、基本的な信号のフーリエ級数やフーリエ変換が計算できる。フーリエ級数とフーリエ変換を理解している。フーリエ級数とフーリエ変換を理解していない。
評価項目2連続時間システムでの信号の入出力を理解し、ラプラス変換によりシステムの特性が評価できる。連続時間システムでの信号の入出力を理解している。連続時間システムでの信号の入出力を理解していない。
評価項目3z変換および離散時間システムでの信号の入出力を理解し、離散畳込みなどによりシステムの特性が評価できる。z変換および離散時間システムでの信号の入出力を理解している。z変換および離散時間システムでの信号の入出力を理解していない。
評価項目4離散フーリエ変換とその基本的性質を理解し、基本的な信号の離散フーリエ変換が計算できる。離散フーリエ変換とその基本的性質を理解している。離散フーリエ変換あるいはその基本的性質を理解していない。
評価項目5 ディジタルフィルタの概略を理解し、基本的なフィルタの構成図が描ける。ディジタルフィルタの概略を理解している。ディジタルフィルタの概略を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B)(ハ) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (B)(ロ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ディジタル信号処理の基本事項を学ぶ。連続時間での信号処理を概観した後、離散時間信号およびそのシステムに関する基本概念や処理方法、離散フーリエ変換などについて学習する。ディジタル信号に関する細かな知識よりも、中心となる考え方や具体的な信号処理手順を身につける。
授業の進め方・方法:
共通科目であることを考慮し、まず連続時間信号とそれによるシステムの基本事項を概観する。そののちに、ディジタル信号(離散時間信号)とそれに基づくシステムを丁寧に扱う。理論の説明のみに終始せぬよう、可能な限り具体的な計算への適用で理解を深める。とくに離散フーリエ変換では机上での電卓による計算を通して、周波数領域での特性を詳しく考察する。講義ノートの内容を見直し、講義に関係する例題や演習問題を解いておくこと。次回授業予定の部分を予習しておくこと。
注意点:
ディジタル信号処理は、音声や映像などを扱うディジタル産業において最も基本的な技術の一つといえる。近年では、情報・通信分野はもちろんのこと,きわめて広範な分野でいっそう重要な役割を果たすようになってきている。ここで学んだ内容は、将来どのような専門分野に携わる場合でも有効に活かせると強く確信する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタル信号処理の概要 信号の分類を理解する
2週 連続時間信号とフーリエ変換(1) フーリエ級数を理解する
3週 連続時間信号とフーリエ変換(2) フーリエ変換を理解する
4週 連続時間信号とフーリエ変換(3) フーリエ変換を理解する
5週 連続時間信号とフーリエ変換(4) インパルス関数とフーリエ変換について理解する
6週 連続時間システム(1) 線形時不変システムとインパルス応答を理解する
7週 (中間試験)
8週 前期前半の復習 中間試験問題の解説により学習内容の理解を深める
2ndQ
9週 連続時間システム(2) 畳込み積分を理解する
10週 連続時間システム(3) ラプラス変換を理解する
11週 連続時間システム(4) システム関数と周波数特性を理解する
12週 連続時間信号の標本化 連続時間信号の標本化を理解する
13週 離散時間信号とz変換(1) 離散時間信号を理解する
14週 離散時間信号とz変換(2) z変換の定義を理解する
15週 (期末試験)
16週 前期後半の復習 期末試験問題の解説により学習内容の理解を深める
後期
3rdQ
1週 離散時間信号とz変換(3) 基本数列のz変換を理解する
2週 離散時間システム(1) 線形時不変システムとインパルス応答を理解する
3週 離散時間システム(2) 離散畳込み和を理解する
4週 離散時間システム(3) 離散畳込み和の計算方法を理解する
5週 離散時間システム(4) 伝達関数と離散時間システムを理解する
6週 離散時間システム(5) システム関数と周波数特性を理解する
7週 (中間試験)
8週 後期前半の復習 中間試験問題の解説により学習内容の理解を深める
4thQ
9週 離散フーリエ変換(1) 離散時間フーリエ変換と離散フーリエ変換の定義を理解する
10週 離散フーリエ変換(2) 離散フーリエ変換の性質を理解する
11週 離散フーリエ変換(3) 離散フーリエ変換の計算法を理解する
12週 高速フーリエ変換 高速フーリエ変換の基本原理を理解する
13週 ディジタルフィルタ(1) ディジタルフィルタの種類を理解する
14週 ディジタルフィルタ(2) FIR、IIRの各ディジタルフィルタの概要を理解する
15週 (期末試験)
16週 後期後半の復習 期末試験問題の解説により学習内容の理解を深める

評価割合

定期試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000