無機材料工学

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 無機材料工学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位II: 2
開設学科 物質工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 教科書:小原嗣朗「基礎から学ぶ金属材料」(朝倉書店)、柳田博明編著「セラミックスの化学」(丸善) 参考書:塩川二郎「入門無機材料」(化学同人)
担当教員 砂金 孝志

到達目標

1.金属の製法、代表的な結晶構造、ミラー指数、状態図が理解できるようになること。
2.金属の塑性変形、強化法、腐食機構が理解できるようになること。
3.セラミックスの代表的結晶構造、製法が理解できるようになること。
4.セラミックスの絶縁性、半導性、誘電性がバンド理論や結晶構造から理解できるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属の製法、結晶構造、ミラー指数、状態図をしっかりと理解できる。金属の製法、結晶構造、ミラー指数、状態図を理解できる。金属の製法、結晶構造、ミラー指数、状態図を理解できない。
評価項目2金属の塑性変形、強化法、腐食機構がしっかり理解できる。金属の塑性変形、強化法、腐食機構が理解できる。金属の塑性変形、強化法、腐食機構が理解できない。
評価項目3セラミックスの代表的結晶構造、製法がしっかり理解できる。 セラミックスの代表的結晶構造、製法が理解できる。 セラミックスの代表的結晶構造、製法が理解できない。
評価項目4セラミックスの絶縁性、半導性、誘電性がバンド理論や結晶構造からしっかり理解できる。セラミックスの絶縁性、半導性、誘電性がバンド理論や結晶構造から理解できる。セラミックスの絶縁性、半導性、誘電性がバンド理論や結晶構造から理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A)(イ) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (B)(ロ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在の先端技術は、材料の開発によって支えられているといっても過言ではない。ここでは、代表的な無機系材料である金属(前期)と、最近目覚ましい発展を遂げているセラミックス(後期)の基礎をできるだけ化学の言葉で平易に解説する。
授業の進め方・方法:
授業は、主に黒板による板書と教科書により進める。授業内容の理解を深めるために資料配付も行う。また、レポートも課す。
注意点:
興味をもった分野については、各自図書館などにある専門書でさらに勉強してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.金属の採取
・乾式製錬
鉱石から乾式製錬までを理解する。
2週 ・湿式製錬 湿式製錬を理解する。
3週 2.金属および合金
・結晶構造(1)
単位格子、7つの結晶系、ブラべ格子、ミラー指数などを理解する。
4週 ・結晶構造(2) 金属の最密充填構造を理解する。
5週 ・金属の融解、凝固 金属の融解、凝固、結晶粒などを理解する。
6週 ・塑性変形 結晶のすべり、転位の移動から塑性変形を理解する。
7週 中間試験
8週 ・金属の諸性質 金属の電気的性質、熱的性質を理解する。
2ndQ
9週 ・合金 二成分系合金の状態図を理解する。
10週 ・金属材料の強化 金属の強化法を理解する。
11週 ・鉄鋼材料と非鉄金属材料 鉄鋼材料と非鉄金属材料の種類と用途について理解する。
12週 3.腐食
・腐食機構
腐食の機構を理解する。
13週 ・腐食の形態 腐食の形態を理解する。
14週 ・防食技術 防食技術について理解する。
15週 期末試験
16週 総復習 前期分の総復習
後期
3rdQ
1週 1.序論
・セラミックスとは
セラミックスの定義、材料の中での位置付けなどを理解する。
2週 2.セラミックスの構造
・化学結合
イオン結合、共有結合などを理解する。
3週 ・配位数と結晶構造 配位数、イオンの充填方式からみた結晶構造を理解する。
4週 ・焼結体構造 焼結体の構造などを理解する。
5週 3.セラミックスの反応
・製法
単結晶、紛体、薄膜の製法を理解する。
6週 4.セラミックスの物性
・熱的性質(1)
融点などの熱的性質を理解する。
7週 中間試験
8週 ・熱的性質(2) 熱伝導や熱膨張を理解する。
4thQ
9週 ・絶縁体 バンド理論、価電子帯、伝導帯などを理解する。
10週 半導体(1) 真性半導体、n 型半導体、p 型半導体などを理解する。
11週 半導体(2) フェルミ順位、p-n 接合、太陽電池、半導体レーザなどを理解する。
12週 ・誘電体(1) 誘電体の種類と誘電分極の機構を理解する。
13週 ・誘電体(2) 圧電体、焦電体、強誘電体について理解する。
14週 ・磁性体 強磁性体、反強磁性体、フェリ磁性体について理解する。
15週 期末試験
16週 総復習 後期分の総復習

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000