無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0042 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位I: 1
開設学科 物質工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 教科書:渡部、矢野、碇屋ら共著「錯体化学の基礎」(講談社) 参考書:平尾、田中、中平ら共著「無機化学-その現代的アプローチ-(第2版)」(東京化学同人)、柴田村治「錯体化学入門」(共立出版)
担当教員 砂金 孝志

到達目標

1.金属錯体の立体化学が理解できるようになること。
2.金属錯体の色と磁性が立体構造と結晶場理論を基に理解できるようになること。
3.工業的に重要な均一系触媒反応が理解できるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属錯体の基本的用語、命名法、異性現象がしっかり理解できるようになる。金属錯体の基本的用語、命名法、異性現象が理解できるようになる。金属錯体の基本的用語、命名法、異性現象が理解できない。
評価項目2金属錯体の色、磁性、反応性を電子配置からしっかり理解することができる。金属錯体の色、磁性、反応性を電子配置から理解することができる。金属錯体の色、磁性、反応性を電子配置から理解することができない。
評価項目3有機金属錯体の安定性、不安定性を18電子則からしっかり理解できるようになる。有機金属錯体の安定性、不安定性を18電子則から理解できるようになる。有機金属錯体の安定性、不安定性を18電子則から理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A)(イ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
金属を含んだ分子は、化学の全分野で重要性を増している。ここでは、金属錯体の基本的用語、立体構造、吸収スペクトル、磁性、反応性、さらに、工業的に重要な触媒作用について解説する。
授業の進め方・方法:
授業は、主に黒板による板書と教科書により進める。授業内容の理解を深めるためにレポートも課す。
注意点:
毎回講義ノートの内容を見直し、教科書でも復習を行ってください。また、次回予定の予習を行ってください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.金属錯体の基礎
(1)序論
ウェルナー型錯体と非ウェルナー型錯体の違いを理解する。
2週 (2)金属錯体と我々のかかわり 身近にある金属錯体を理解する。
3週 (3)命名法① 金属錯体の基本的用語を理解する。
4週 命名法② 金属錯体の命名法を理解する。
5週 (4)金属錯体の立体化学① 金属錯体の立体配置と配位数を理解する。
6週 金属錯体の立体化学② 金属錯体の異性現象、結合異性、幾何異性を理解する。
7週 中間試験
8週 金属錯体の立体化学③ 光学異性、対象要素を理解する。
2ndQ
9週 金属錯体の立体化学④ 旋光性、直線偏光、円偏光二色性について理解する。
10週 (5)金属錯体の色① 人の色覚、色と吸収極大の関係を理解する。
11週 金属錯体の色② 結晶場理論、八面体の場における d 軌道の分裂を理解する。
12週 金属錯体の色③ 四面体場と平面正方場における d 軌道の分裂を理解する。
13週 金属錯体の色④ 代表的なコバルト(Ⅲ)錯体の吸収を電子配置から理解する。
14週 (6)金属錯体の磁性① 物質の磁性について理解する。
15週 期末試験
16週 総復習 前期分の総復習をする。
後期
3rdQ
1週 金属錯体の磁性② 磁気モーメントを理解する。
2週 金属錯体の磁性③ 高スピン錯体と低スピン錯体を理解する。
3週 (7)金属錯体の反応性① 配位子置換反応、置換活性、置換不活性を理解する。
4週 金属錯体の反応性② 金属錯体の安定度定数を理解する。
5週 金属錯体の反応性③ 酸・塩基の “かたさ” と “やわらかさ” 、HSAB則を理解する。
6週 (8)金属錯体の構造決定 元素分析、モル比法、連続変化法、熱分析を使った金属錯体の構造決定法を理解する。
7週 中間試験
8週 2.有機金属化学の基礎
(1)典型金属の有機金属化合物
分類、合成法、性質を理解する。
4thQ
9週 (2)遷移金属の有機金属化合物
金属カルボニル化合物
合成法、性質を理解する。
10週 金属アルケン化合物 合成法、性質、命名法を理解する。
11週 18電子則 18電子則、錯体の安定・不安定を理解する。
12週 (3)触媒反応 有機金属錯体の基本的反応を理解する。
13週 工業用触媒① オキソ法、ワッカー法を理解する。
14週 工業用触媒② モンサント法、Ziegler-Natta触媒を理解する。
15週 期末試験
16週 総復習 後期分の総復習をする。

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000