到達目標
講義や演習を通じて、反応の特徴を深く理解し、やや複雑な有機化合物の合成に応用できる能力や、有機化学を総合的に把握できるようになることを目標とする。
1.目的とする化合物を効率良く合成することの大切さが理解できるようになる。
2.精密合成の基本原理である選択合成の体系が理解できる。
3.逆合成の視点から結合切断部位が理解できるようになる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
| 目的とする化合物を効率良く合成することの大切さがきちんと理解できる。 | 目的とする化合物を効率良く合成することの大切さが理解できる。 | 目的とする化合物を効率良く合成することの大切さが理解できない。 |
| 精密合成の基本原理である選択合成の体系がきちんと理解できる。 | 精密合成の基本原理である選択合成の体系が理解できる。 | 精密合成の基本原理である選択合成の体系が理解できない。 |
| 逆合成の視点から結合切断部位がきちんと理解できる。 | 逆合成の視点から結合切断部位が理解できる。 | 逆合成の視点から結合切断部位が理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
精密合成化学とは、目的とする標的化合物があり、その構造を正確に組み立てる際に必要な技術ならびにその基礎となる化学のことである。これまでの副生成物をともなう有機合成から、目的物を選択的かつ効率的に合成する考え方に世界の動向は転換してきている。ここでは立体化学や反応機構も考慮に入れながら、精密合成について多面的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義は教科書を中心に行う。反復的な学習が重要なので自宅での復習を必ず行うこと。
注意点:
3、4年次の有機化学が基礎となっているので、「有機化学Ⅰ・Ⅱ」の内容を事前に復習しておくことが望ましい。
毎回の授業後には、教科書の章末問題を解いて復習すること。また、次回予定の内容に関して、教科書を読むなどして予習すること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
逆合成解析 (1) |
逆合成解析、シントン、官能基変換相互変換について、概念を説明でき、簡単な化合物の逆合成の例を理解できる。
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2週 |
逆合成解析 (2) |
有機合成における保護基の必要性について説明でき、代表的な保護基の種類と、そのかけ方、外し方について反応機構がかける。
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3週 |
官能基を1個有する標的分子の合成 (1) |
アルコール類の逆合成ができる。
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4週 |
官能基を1個有する標的分子の合成 (2) |
ハロゲン化物の逆合成ができる。
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5週 |
官能基を1個有する標的分子の合成 (3) |
エーテル類の逆合成ができる。
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6週 |
官能基を1個有する標的分子の合成 (4) |
アミン類の逆合成ができる。
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7週 |
(中間試験) |
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8週 |
官能基を1個有する標的分子の合成 (5) |
アルケンの逆合成ができる。
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4thQ |
9週 |
官能基を1個有する標的分子の合成 (6) |
アルデヒドおよびケトン類の逆合成ができる。
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10週 |
官能基を2個有する標的分子の合成 (1) |
アルドール反応およびアルドール縮合、Mannich反応によるβーヒドロキシカルボニル、α、βー不飽和カルボニルの逆合成ができる。
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11週 |
官能基を2個有する標的分子の合成 (2) |
極性転換と呼ばれる合成手法について説明できる。極性転換を用いたαーヒドロキシカルボン酸、αーヒドロキシケトンの逆合成ができる。
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12週 |
立体化学の予測と制御 (1) |
キラルおよびジアステレオ選択性の制御について、例を挙げて説明できる。
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13週 |
立体化学の予測と制御 (2) |
カルボニル基への付加、Felkin-Anhモデルについて理解する。
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14週 |
立体化学の予測と制御 (3) |
エノラートへの付加、Zimmerman-Traxlerモデルについて理解する。
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15週 |
(期末試験) |
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16週 |
総復習 |
期末試験の解説と、これまでの総復習を行う。
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評価割合
| 試験 | 課題 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |