分析化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 分析化学Ⅱ
科目番号 0043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位I: 1
開設学科 物質工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 教科書:井村久則・樋上照男 「基礎から学ぶ分析化学」(化学同人)
担当教員 須田 猛

到達目標

1.化学分析法の体系を把握し、それぞれの化学分析法のポイントを理解する。
2.それぞれの化学分析法の背景となる理論的な考え方を理解する。
3.理論的考察に基づく計算に習熟する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
熱力学的概念を理解し、複雑な系においてもイオン強度や活量係数を計算できる。熱力学的概念は理解しているが単純な系でのみイオン強度や活量係数の計算ができる。熱力学的概念の理解が乏しく、単純な系でもイオン強度や活量係数の計算ができない。
応用力が必要な複雑な溶液系においてもpH計算ができ、滴定における量的関係が理解できている。単純な酸塩基溶液系においてのみpH計算ができ、滴定の量的関係を理解できている。酸と塩基の概念が理解できない。pH計算ができない。
錯体形成反応の概念を理解し、説明ができ平衡定数を用いた計算やキレート滴定の諸計算ができる。錯体形成反応の概念を理解し、説明ができ平衡定数を用いた計算ができる。錯体形成反応の概念について、説明ができない。平衡定数を用いた計算ができない。
酸化還元電極電位の]計算ができる。平衡定数と電極電位の関係を説明できる。酸化還元の概念を理解し、ネルンストの式を使って酸化還元電極電位の]計算ができる。酸化還元の概念を理解できていない、ネルンストの式を使って酸化還元電極電位の]計算ができるない。
溶解度積と沈殿生成・溶解の関係を説明できる。溶解度積を用いて諸計算ができる。溶解度積と沈殿生成・溶解の関係を説明できる。溶解度積を用いて単純な系での計算ができる。溶解度積と沈殿生成・溶解の関係を説明できない。溶解度積を用いて単純な系での計算もできない。
溶媒抽出の概念を 理解している。分配定数を用いて分配量の計算ができる。溶媒抽出による分離濃縮法を考案できる。溶媒抽出の概念を 理解している。分配定数を用いて分配量の計算ができる。溶媒抽出の概念の 理解が不足している分配定数を用いて分配量の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A)(イ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
分析化学の基礎となる化学反応とその原理を学習して、分析化学へ応用される理論的な理解力を養うとともに、それが濃度計算、pH計算、実際の容量分析(滴定分析法),溶媒抽出法などへどのように利用されるかについて、実用的な観点から学ぶ。
授業の進め方・方法:
教科書を中心に講義により授業を進める。学修単位科目であるので、自己学習のためにe-ラーニング教材を作成している(http://gp-lms.ibaraki-ct.ac.jp)。必ずアクセスして予習復習に利用すること。なお、このコンテンツの確認テストは最終評価の対象とする。
注意点:
第2学年分析化学Ⅰ、第3学年化学ゼミナールの内容を発展させたものであるので、これらの復習もかかさないようにすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 溶液の濃度 多様な濃度表現があることを理解し、相互変換ができるようになること。
2週 溶液内化学平衡と熱力学(1) 可逆化学反応と活量・活量係数について理解し、熱力学的平衡定数を理解する。
3週 溶液内化学平衡と熱力学(2) イオン強度の概念を理解し、デバイーヒュッケル式による活量係数の計算を理解する。
4週 溶液内化学平衡と熱力学(3) 化学平衡とギブスエネルギーの関係を理解する。
5週 酸塩基平衡論(1) 酸と塩基の定義について復習し、BL酸塩基の解離定数について理解する。
6週 酸塩基平衡論(2) BL酸塩基の解離定数を用いた溶液のpH計算に習熟する。
7週  中間試験
8週 酸塩基平衡論(3) 中和滴定曲線の作成方法を学び、スプレッドシートソフトによる滴定曲線の作成を理解する
2ndQ
9週 酸塩基平衡論(4) 中和滴定における指示薬変色の理論を理解する。
10週 錯形成平衡論(1) 錯体の構造、配位子の種類、錯体生成反応の平衡定数について理解する。
11週 錯形成平衡論(2) 金属錯体の生成と安定性、および影響要因について理解する。
12週 錯形成平衡論(3) キレート試薬について学びキレート生成反応について理解する。
13週 錯形成平衡論(4) キレート滴定法について学び、定量計算方法を理解する。
14週 酸化還元平衡論(1) 酸化還元反応と半電池・半反応・電極電位について理解する。
15週 期末試験
16週 総復習
後期
3rdQ
1週 酸化還元平衡論(2) ネルンストの式を用いた電池の起電力の計算方法を理解する。
2週 酸化還元平衡論(3) 酸化還元平衡定数とネルンストの式・標準電極電位の関係を理解する
3週 酸化還元平衡論(4) 酸化還元滴定と滴定溶液内の電位変化について理解する。
4週 酸化還元平衡論(5) 酸化還元滴定法の種類と計算方法を理解する。
5週 沈殿生成平衡論(1) 沈殿の生成・溶解の平衡と溶解度積との関係を理解する。
6週 沈殿生成平衡論(2) 溶解度積を用いた難溶性化合物の沈殿生成の計算方法を理解する。
7週 中間試験
8週 沈殿生成平衡論(3) 難溶性化合物を溶解する方法と溶解度積の関係を理解する。
4thQ
9週 沈殿生成平衡論(4) 沈殿滴定法による塩化物イオンの定量方法について理解する。
10週 沈殿生成平衡論(5) 沈殿滴定法の応用と計算方法について理解する。
11週 溶媒抽出平衡論(1) 溶媒抽出における分配法則・分配比・抽出率・抽出方法について理解する。
12週 溶媒抽出平衡論(2) 分配係数を用いて物質の液ー液分配平衡における計算について理解する。
13週 溶媒抽出平衡論(3) 金属イオンの溶媒抽出法について理解する。
14週 イオン交換反応 イオン交換樹脂を用いた分離濃縮法法について理解する。
15週 期末試験
16週 総復習

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000