有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0044 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位I: 2
開設学科 物質工学科(2016年度以前入学生) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書:奥山格監修「有機化学」(丸善)、参考書:マクマリー「有機化学概説(第6版)」(東京化学同人) 、蝦名・小松崎共編「有機化学テキスト」(茨城高専・物質工学科)、ウェイド「有機化学」(丸善)
担当教員 小松﨑 秀人

到達目標

1.官能基の化学(性質・反応性)を理解する。
2.電子の流れを意識して、有機反応・反応機構を考える。
3.有機反応を反応別(付加、置換など)に分類できるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機化合物について、官能基の化学(性質・反応性)をしっかりと理解している。有機化合物について、官能基の化学(性質・反応性)を概ね理解している。有機化合物について、官能基の化学(性質・反応性)を理解していない。
評価項目2有機反応について、電子移動を基に考え、反応生成物を答えることができる。有機反応について、電子移動を基に概ね考えることができる。有機反応について、電子移動を理解できず、それを基に有機反応を考えることができない。
評価項目3有機反応を各反応に分類し、それぞれを理解した上で反応を組み立てることができる。有機反応を各反応に分類し、概ね反応を組み立てることができる。有機反応を反応別に分類できず、反応を組み立てることもできない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (A)(イ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学は炭素、窒素、酸素など生物内に見出される原子が関係する化学である。最近はその発展がめざましく、複雑な構造を有する化合物の合成へと展開されるようになった。しかし、どんなに素晴らしい反応が開発されても、基本を身に付けていなければ、それを理解することは出来ない。本講義では、3年次で習得した有機反応を電子論と官能基の性質に基づいて学び、全体的に有機化学の基本と応用を習得できるように解説する。
授業の進め方・方法:
授業は主に黒板による板書で行う。授業内容の理解を深めるために、演習も取り入れていく。
注意点:
有機化学は”暗記教科”ではなく、各官能基の化学や電子論や反応パターンがわかれば、かなり理解できるはずである。そんな一面を感じて欲しい。
3年生の講義内容の応用になるので、毎回しっかり復習しておくこと。講義ノートの内容を見直し、講義に関する例題や演習問題を解いておくこと。講義内容で示した次回分の内容を予習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子論に基づいた炭化水素の合成と反応性 炭化水素の合成、電子論に基づいた反応性について理解する。
2週 電子論に基づいた炭化水素の反応性 電子論に基づいた環状炭化水素の反応性について理解する。
3週 電子論に基づいたハロゲン化アルキルの合成 ハロゲン化アルキルの合成法について理解する。
4週 電子論に基づいたハロゲン化アルキルの反応性 電子論に基づいたハロゲン化アルキルの反応性について理解する。
5週 電子論に基づいたアルコールの合成 アルコールの合成法について理解する。
6週 電子論に基づいたアルコールの反応性 電子論に基づいたアルコールを用いた反応性について理解する。
7週 (中間試験)
8週 電子論に基づいたカルボニル化合物の合成 カルボニル化合物の合成法について理解する。
2ndQ
9週 電子論に基づいたカルボニル化合物の反応性 電子論に基づいたカルボニル化合物の特徴的な反応性について理解する。
10週 電子論に基づいたアミン化合物の合成 アミン化合物の合成について理解する。
11週 電子論に基づいたアミン化合物の反応性 電子論に基づいたアミン化合物の特徴的な反応性について理解する。
12週 電子論に基づいた芳香族化合物の合成 芳香族化合物の合成法について理解する。
13週 電子論に基づいた芳香族化合物の反応性(1) 電子論に基づいた芳香族化合物の特徴的な反応性について理解する。
14週 電子論に基づいた芳香族化合物の反応性(2) 芳香族化合物のアルキル化、アシル化、ニトロ化について理解する。
15週 (期末試験)
16週 総復習 前期の総まとめを行う。
後期
3rdQ
1週 有機化合物の構造と命名 国際命名法に基づいた有機化合物の命名法について理解する。
2週 σ結合とπ結合 各結合の差違と反応性について理解する。
3週 酸と塩基 有機化合物における酸・塩基、その強弱の基本概念、誘起効果、共鳴効果について理解する。
4週 付加反応(1) 付加反応の分類、求電子付加について理解する。
5週 付加反応(2) 求核付加反応について理解する。
6週 付加反応(3) 分子付加について理解する。
7週 (中間試験)
8週 置換反応(1) 求核置換の種類、性質について電子的に理解する。
4thQ
9週 置換反応(2) 求電子置換の種類、性質、配向性について理解する。
10週 脱離反応(1) 脱離反応の概念、置換反応との競争について理解する。
11週 脱離反応(2) ザイツェフ則、ホフマン分解による脱離形式について理解する。
12週 転位反応 カルボカチオンの安定性、それに基づく転位反応について理解する。
13週 転位反応 人名反応について理解する。
14週 酸化・還元反応、縮合反応 酸化・還元反応の基本と応用について理解する。
15週 (期末試験)
16週 総復習 後期の総まとめを行う。

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000