化学I

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学I
科目番号 0015 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高等学校化学基礎(数研出版),スクエア最新図説(第一学習社),リードα化学基礎(数研出版)
担当教員 森下 佳代子

到達目標

1. 原子の構造および電子配置と周期律の関係を説明できる。
2. さまざまな化学結合の仕組みと性質を説明できる。
3. 物質量(モル)の概念や化学反応式を説明でき,化学反応式の量的関係から諸量を計算により求められる。
4. 酸・塩基や中和反応を説明でき,量的関係を計算により求められる。
5. 酸化還元反応を説明でき,量的関係を計算により求められる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造および電子配置と周期律の関係を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。原子の構造および電子配置と周期律の関係を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。原子の構造および電子配置と周期律の関係を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目2さまざまな化学結合の仕組みと性質を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。さまざまな化学結合の仕組みと性質を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。さまざまな化学結合の仕組みと性質を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目3物質量(モル)の概念や化学反応式を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。物質量(モル)の概念や化学反応式を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。物質量(モル)の概念や化学反応式を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目4酸・塩基や中和反応を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。酸・塩基や中和反応を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。酸・塩基や中和反応を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目5酸化還元反応を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。酸化還元反応を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。酸化還元反応を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業では,化学が物質を対象とする科学であることや,化学が人間生活に果たしている役割について学びます。また,化学の基本的な概念や原理・法則を理解し,科学的な見方や考え方を養います。具体的には次の事柄を学びます。
(1)化学結合と物質の性質との関係
(2)化学反応式の量的関係,酸・塩基の反応,酸化還元反応
授業の進め方・方法:
この授業は「化学Ⅰ(授業)」と「理科演習(実験・演習)」から成り立っています。
〖持ち物〗教科書,ノートPC等,自主学習ノート,リードαを持参してください。
〖授業前〗教科書を音読し,授業前日までに予習課題に取り組んでください。【評価(予習課題)に含む】
〖授業終了時〗授業毎にプリントを提出してください。【評価(プリント)に含む『日付,クラス,番号,氏名を明記』】
〖授業終了時〗授業毎に,到達度を自己評価し,manabaで回答してください。【出席に含む】
〖授業後〗授業等で誤答した問題は,自主学習ノートに書き写し,必ず解きなおしてください。【評価(課題)に含む】
〖試験時〗自主学習ノートを指定期間に提出してください。【指定期間=試験初日から化学Ⅰの試験日の12:45まで,評価(課題)に含む】
〖その他〗実験終了後と長期休暇にレポートを課す予定です。【実験後,長期休暇後の最初の化学Ⅰの授業前に提出,評価(課題)に含む】
注意点:
・自主学習ノートは,B5版の綴じノートにしてください。(ノートの表の面に,クラス,番号,名前を油性ペンで明記)
・オフィスアワーは,原則,火曜日 16時~17時としますが,授業時や演習時の質問も大歓迎です。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(前➀-3 教科書の使い方)
pp.11-19 Ⅰー1ー1⃣ 純物質と混合物
⓪ 授業の進め方について説明できる。
➀ 純物質と混合物を区別できる。
➁ 混合物の分離法について説明できる。
➂ 適切な分離操作を選択できる。
2週 pp.20-25 Ⅰー1ー2⃣ 物質とその成分 ➀ 単体と化合物を区別できる。
➁ 同素体について説明できる。
➂ 成分元素の検出方法について説明できる。
3週 pp.26-29 Ⅰー1ー3⃣ 物質の三態と熱運動 * ➀ 「熱運動」について説明できる。
➁ 水の状態変化について説明できる。
➂ 物質の三態とその状態変化を説明できる。
4週 pp.31-35 Ⅰー2ー1⃣ 原子とその構造 ⓵
➀ 原子の構造について説明できる。
➁ 同位体について説明できる。
➂ 放射性同位体と代表的な用途について説明できる。
5週 pp.36-38 Ⅰー2ー1⃣ 原子とその構造➁
➀ 原子の電子配置について電子殻を用いて書き表すことができる。
➁ 価電子の働きについて説明できる。
➂ 原子番号から価電子の数を見積もることができ,価電子から原子の性質について考えることができる。
6週 pp.39-41 Ⅰー2ー2⃣ イオン
pp.42-44 Ⅰー2ー3⃣ 周期表
p.184 イオンの大きさ・原子の大きさ
➀ イオンの生成,分類について説明できる。
➁ イオン化エネルギー,電子親和力について説明できる。
➂ 元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から説明できる。
➃ イオンの大きさについて説明できる。
7週 pp.46-50 Ⅰー3ー1⃣ イオン結合とイオン結晶 ➀ イオン結合について説明できる。
➁ 組成式が書ける。
➂ イオン結晶について説明できる。
8週 ★前期中間試験 (試験範囲;pp.11-45)
2ndQ
9週 pp.51-55 Ⅰー3ー2⃣ 共有結合と分子 ➀ 共有結合と分子について説明できる。
➁ 分子の電子式や構造式が書ける。
➂ 配位結合と錯イオンについて説明できる。
10週 pp.56-61 Ⅰー3ー3⃣ 分子間にはたらく力 *
➀ 分子の形を説明できる。
➁ 電気陰性度と極性について説明できる。
➂ 分子間力と分子結晶について説明できる。
11週 pp.62-63 Ⅰー3ー3⃣ 発展
pp.64-65 Ⅰー3ー4⃣ 高分子化合物
pp.66-67 Ⅰー3ー5⃣ 共有結合の結晶
⓵ 分子間力と沸点・融点について説明できる。
➁ 代表的なプラスチックなど有機材料について,その性質,用途について説明できる。
➂ 共有結合の結晶について説明できる。
12週 pp.68-71 Ⅰー3ー6⃣ 金属結合と金属結晶
pp.72-73 Ⅰー3ーまとめ 化学結合と結晶
➀ 金属結合について説明できる。
➁ 代表的な金属について,その性質や用途について説明できる。
➂ 様々な結晶の性質や構造について比較し,説明できる。
13週 p.202-203 資料 ➌ 化学で扱う数値ー指数
p.204-205 資料❹ 化学で扱う数値-有効数字
➀ 測定値と誤差について説明できる。
➁ 有効数字について説明できる。
➂ 有効数字の取り扱いに留意して四則演算ができる。
14週 pp.76-80 Ⅱー1ー1⃣ 原子量・分子量・式量 ➀ 原子の相対質量を算出できる。
➁ 原子量および同位体の天然存在比を相互に算出できる。
➂ 分子量・式量を算出できる。
15週 ◇総合演習
♣ 実験➀ 石灰石と塩酸の反応 (1-2Qの理科演習時)
16週 ★前期定期試験 (試験範囲;pp.46-75)
♠ 課題 pp.161-165 or 166-167
♤ 「食品保存の化学」または「化粧品の化学」に関するレポートをまとめる。
後期
3rdQ
1週 ☆前期定期試験解説
pp.81-83 Ⅱー1ー2⃣ 物質量⓵
➀ アボガドロ定数を理解し粒子の個数と物質量を互いに算出できる。
➁ 物質量と質量の関係を理解し,モル質量を用いて物質量と質量を互いに算出できる。
2週 pp.84-89 Ⅱー1ー2⃣ 物質量➁ ➀ 物質量と気体の体積の関係を理解し,物質量と気体の体積を互いに算出できる。
➁ 気体の質量と体積,およびモル体積とモル質量から,気体の密度を算出できる。
3週 pp.90-91 Ⅱー1ー3⃣ 溶液の濃度
pp.92-94 Ⅱー1ー4⃣ 化学反応式と物質量⓵
➀ 質量パーセント濃度とモル濃度を計算できる。
➁ 質量パーセント濃度とモル濃度を互いに換算できる。
➂ 化学反応式の意味を説明できる。
4週 pp.95-97 Ⅱー1ー4⃣ 化学反応式と物質量➁ ➀ 化学反応式から諸量を計算できる。
5週 pp.98-99 Ⅱー1ー4⃣ 化学反応式と物質量➂
p.190-191 化学の諸法則
➀ 過不足のある反応の量的関係を計算できる。
➁ 化学の基本法則と原子説・分子説を説明できる。
6週 pp.102-108 Ⅱー2ー1⃣ 酸・塩基 ➀ 酸と塩基の定義を説明できる。
➁ 酸と塩基の価数について説明できる。
➂ 酸・塩基の強弱と電離度について説明できる。
7週 pp.109-114 Ⅱー2ー2⃣ 水素イオン濃度とpH ➀ 酸・塩基の水素イオン濃度を算出できる。
➁ 酸・塩基のpHを算出できる。
➂ pH 指示薬について説明できる。
8週 ★後期中間試験 (試験範囲;pp.76-101)
♠ 冬休みの課題 pp.168-171
♤ 「浄水場の化学」に関するレポートをまとめる。
4thQ
9週 ☆後期中間試験解説
pp.115-119 Ⅱー2ー3⃣ 中和反応と塩
➀ 中和反応について説明できる。
➁ 塩の種類を分類でき,正塩の水溶液の性質が説明できる。
➂ 塩の反応について説明できる。
10週 pp.120-125 Ⅱー2ー4⃣ 中和滴定 * ➀ 中和の量的関係に関する演習問題が解ける。
➁ 中和滴定の操作について説明できる。
➂ 中和滴定曲線を描くことができる。
11週 pp.128-134 Ⅱー3ー1⃣ 酸化と還元 ➀ 酸化還元反応について説明できる。
➁ 酸化数を求めることができる。
➂ 酸化数の増減から酸化・還元を判断できる。
12週 pp.135-141 Ⅱー3ー2⃣ 酸化剤と還元剤の反応 ➀ 酸化剤・還元剤について説明できる。
➁ 酸化剤・還元剤の半反応式を作れる。
➂ 酸化還元反応式を作ることができる。
13週 pp.142-143 Ⅱー3ー2⃣ 酸化還元反応の量的関係 ➀ 酸化還元の量的関係について説明できる。
➁ 酸化還元滴定に関する問題を解くことができる。
14週 pp.144-148 Ⅱー3ー3⃣ 金属の酸化還元反応 ➀ 金属のイオン化傾向について説明できる。
➁ 金属の反応性について説明できる。
15週 ◇総合演習
♣ 実験➁ 金属イオンの反応 (3-4Qの理科演習時)
16週 ★学年末試験 (試験範囲;pp.102-148, 158-159)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前11,前12
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前16
物質が原子からできていることを説明できる。3前4
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
純物質と混合物の区別が説明できる。3前1
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前1
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前3
水の状態変化が説明できる。3前3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前4
同位体について説明できる。3前4
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前5
価電子の働きについて説明できる。3前5
原子のイオン化について説明できる。3前6
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前6
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前6
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前6
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前6
イオン結合について説明できる。3前7
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前7
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前7
共有結合について説明できる。3前9
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前9
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前12
金属の性質を説明できる。3前12
原子の相対質量が説明できる。3前14
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前14
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3後1
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前14,後1,後2
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3後2
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後4
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後4,後5
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前6
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3後3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3後3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3後6
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3後6
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後6
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後7
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3後9
中和滴定の計算ができる。3後10
酸化還元反応について説明できる。3後11,後12,後13
イオン化傾向について説明できる。2後14
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。2後14
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前15,後15
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前15,後15
測定と測定値の取り扱いができる。3前13
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前13,前15
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前15,後15
ガラス器具の取り扱いができる。3前15,後15
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前15,後15
試薬の調製ができる。3前15,後15
代表的な気体発生の実験ができる。3前15,後15
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3後15

評価割合

試験予習課題プリント小テスト課題CBT合計
総合評価割合401010102010100
基礎的能力401010102010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000