化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0015 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 化学基礎(数研出版/化基708) / 化学図録 フォトサイエンス(数研出版)/ リードα化学基礎(数研出版)/ フォローアップドリル化学基礎
担当教員 森下 佳代子

到達目標

1. 物質を純物質・混合物、単体・化合物に分類することができる。
2. 原子・イオンの構造および電子配置と周期律の関係を説明できる。
3. さまざまな化学結合のしくみと性質を説明できる。
4. 物質量(モル)の概念や化学反応式を説明でき,化学反応式の量的関係から諸量を計算により求められる。
5. 酸・塩基や中和反応を説明でき,量的関係やpHを計算により求められる。
6. 酸化還元反応を説明でき,量的関係を計算により求められる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達したいミニマムレベルの目安未到達レベルの目安
物質の成分物質を、純物質・混合物、単体・化合物に分類できる。また混合物の適切な分離方法を選択できる。物質を、純物質・混合物、単体・化合物に分類できる。純物質・混合物、単体・化合物に分類される物質を例示できる。物質を、純物質・混合物、単体・化合物に分類することができない。
物質の構成粒子原子・イオンの構造および原子の電子配置について説明することができ、元素の性質について価電子と周期律から考えることができる。原子・イオンの構造および原子の電子配置について説明することができる。原子・イオンの構造を説明することができる。原子・イオンの構造を説明することができない。
粒子の結合さまざまな化学結合のしくみと結晶の性質について説明でき、物質の結合状態について説明できる。さまざまな化学結合のしくみと結晶の性質について説明でき、物質を各結晶に分類できる。さまざまな化学結合のしくみと結晶の性質について説明できる。さまざまな化学結合のしくみと性質について説明することができない。
物質量と化学反応式化学反応式を記述し、化学量論の計算ができる。原子量、分子量、式量、濃度、物質量の基本的な計算ができ、化学反応式を記述することができる。原子量、分子量、式量、濃度、物質量の基本的な計算ができる。原子量、分子量、式量、濃度、物質量の基本的な計算ができない。
酸と塩基の反応酸・塩基の定義や中和反応と塩、中和滴定について説明でき、中和反応の結果より酸と塩基の量的関係やpHを計算できる。酸・塩基の定義や中和反応と塩について説明でき、pHや中和反応の基本的な計算ができる。酸・塩基の定義や中和反応について説明できる。酸・塩基の定義や中和反応について説明できる。
酸化還元反応酸化還元の定義を説明でき、金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。また電池や電気分解反応について説明できる。酸化還元の定義を説明でき、金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。酸化還元の定義を説明でき、酸化数を求めることができる。また、金属をイオン化傾向について説明できる。酸化還元の定義や金属のイオン化傾向について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業では,化学が物質を対象とする科学であることや,化学が人間生活に果たしている役割について学びます。また,化学の基本的な概念や原理・法則を理解し,科学的な見方や考え方を養います。具体的には次の事柄を学びます。
(1)化学結合と物質の性質との関係
(2)化学反応式の量的関係,酸・塩基の反応,酸化還元反応
授業の進め方・方法:
この授業は「化学Ⅰ(講義)」と「理科演習(演習・実験)」から成り立っています。
〖持ち物〗教科書,ノートPC等,自主学習ノート,単元に該当するフォローアップドリルを持参してください。総合演習時はリードαを持参してください。
〖授業前〗教科書を音読し,読み方や内容がわからないところをチェックして授業に臨んでください。
〖授業時〗授業毎に講義プリントをまとめてください。
〖授業終了時〗授業毎に到達度を自己評価し,LMSで回答してください。【評価(リフレクション)】
〖授業後〗授業等で誤答した問題は自主学習ノートに書き写し,必ず解きなおしてください。【評価(課題)に含む】
〖試験時〗自主学習ノートを指定期間に提出してください。【指定期間=試験初日から化学Ⅰの試験日の12:45まで,評価(課題)に含む】
〖その他〗実験終了後と長期休暇にレポートを課す予定です。【実験後,長期休暇後の最初の化学Ⅰの授業前に提出,評価(課題)に含む】
【評価】それぞれの評価項目の平均点の総和
注意点:
・進捗状況によってシラバスを変更することがあります。変更する際には、LMS上で周知の上、このカラムに修正内容を略記します。
・授業時や演習時の質問は大歓迎です。【オフィスアワーは,火曜日 16時~17時】とします。
・自主学習ノートは化学Ⅰ専用とし,B5版の綴じノートにしてください。ルーズリーフやレポート用紙等は受け付けません。ノートの表の面に,クラス,番号,名前を油性ペンで明記してください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ◎ガイダンス
pp.22-33 第1編 第1章 物質の構成 1ー1ー➀純物質と混合物、1ー1ー➁ 物質とその成分
➀純物質・混合物、単体・化合物を分類できる。/ ➁混合物の分離法について説明でき、適切な分離法を選択できる。/ ➂同素体について説明できる。
2週 pp.34-40 第1編 第1章 物質の構成 1ー1ー➁ 物質とその成分、1ー1ー➂ 物質の三態と熱運動 ➀成分元素の検出方法について説明できる。/ ➁物質の三態と熱運動について説明できる。/ ➂水の状態変化について説明できる。
3週 pp.42-49 第1編 第2章 物質の構成粒子 1ー2ー➀ 原子とその構造 ➀原子の構造について説明できる。/ ➁同位体、放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。/ ➂原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができ、価電子の働きについて説明できる。
4週 ★第1編 第1章 単元テスト
pp.50-53 第1編 第2章 物質の構成粒子 1ー2ー➁ イオン
★ 第1編第1章の基本問題を解くことができる。
➀代表的なイオンの名称、イオン式を書くことができる。/ ➁イオン化エネルギー,電子親和力について説明できる。/ ➂イオンの大きさについて説明できる。
5週 pp.54-58 第1編 第2章 物質の構成粒子 1ー2ー➂ 周期表
*第1編第2章の演習
➀原子番号から価電子の関係について考えることができる。/ ➁元素の性質を価電子と周期律から説明できる。
6週 pp.60-64 第1編 第3章 粒子の結合 1ー3ー➀ イオン結合とイオン結晶 ➀イオン結合のしくみについて説明できる。/ ➁組成式が書ける。/ ➂イオン結晶の性質について説明できる。
7週 ★第1編 第2章 単元テスト
pp.65-70, 237 第1編 第3章 粒子の結合 1ー3ー➁ 共有結合と分子
★ 第1編第2章の基本問題を解くことができる。
➀共有結合について説明できる。/ ➁分子の電子式や構造式が書ける。/ ➂分子のおよその形について説明できる。
8週 pp.71-75, 78-79 第1編 第3章 粒子の結合 1ー3ー➂ 配位結合、1ー3ー➃ 分子間にはたらく力 ➀配位結合と錯イオンについて説明できる。/ ➁電気陰性度と極性について説明できる。/ ➂分子間力と分子結晶について説明できる。
2ndQ
9週 pp.80-87 第1編 第3章 粒子の結合 1ー3ー➄ 高分子化合物、1ー3ー➅ 共有結合の結晶、1ー3ー➆ 金属結合と金属の結晶 ➀代表的なプラスチックなど有機材料について,その性質,用途について説明できる。/ ➁共有結合の結晶の性質について説明できる。/ ➂金属結合と金属結晶の性質について説明できる。
10週 pp.76-77, 92-95 第1編 第3章 粒子の結合 【発展】 分子間力と沸点・融点、【まとめ】 化学結合と結晶の結晶
*第1編第3章の演習
➀極性と水素結合について説明できる。/ ➁分子間力と沸点・融点について説明できる。/ ➂さまざまな結晶の結合の種類と性質を説明できる。
11週 pp.241-245 資料 ➌ 化学で扱う数値ー指数、資料❹ 化学で扱う数値-有効数字 ➀測定値と誤差について説明できる。/ ➁有効数字について説明できる。/ ➂測定値の計算ができる。
12週 ★第1編 第3章 単元テスト
pp.100-103 第2編 第1章 物質量と化学反応式 2ー1ー➀ 原子量・分子量・式量
★ 第1編第3章の基本問題を解くことができる。
➀原子の相対質量を算出できる。/ ➁原子量および同位体の天然存在比を相互に算出できる。/ ➂分子量・式量を算出できる。
13週 pp.104-109 第2編 第1章 物質量と化学反応式 2ー1ー➁ 物質量 ➀物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。/ ➁物質量と質量の関係を互いに算出できる。/ ➂物質量と気体の体積を互いに算出できる。/ ➃気体の質量と体積,およびモル体積とモル質量から,気体の密度を算出できる。
14週 ◇夏休みの課題(pp.216-227 他)についての説明
*第2編第1章(pp.100-115)の演習
15週 ★第2編 第1章(pp.100-115) 単元テスト
*前期総合演習
★第2編第1章(pp.100-115)の基本問題を解くことができる。
16週 ★前期定期試験 (試験範囲;pp.22-115,p.134 1⃣‐3⃣)
♣ 実験➀ 石灰石と塩酸の反応 (1-2Qの理科演習時)
◇夏休みの課題
後期
3rdQ
1週 ☆前期定期試験解説
pp.116-119 第2編 第1章 物質量と化学反応式 2ー1ー➂ 溶液の濃度
➀質量パーセント濃度とモル濃度を計算できる。/ ➁質量パーセント濃度とモル濃度を互いに換算できる。/ ➂溶解度に関する計算ができる。
2週 pp.120-126 第2編 第1章 物質量と化学反応式 2ー1ー➃ 化学反応式と物質量 A, B ➀化学反応式について反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。
3週 pp.127-131 第2編 第1章 物質量と化学反応式 2ー1ー➃ 化学反応式と物質量 C ➀化学反応式を用いて化学量論計算ができる。(粒子の個数,質量,気体の体積などを互いに計算できる。過不足のある反応の量的関係を計算できる。)
4週 pp.132-133 第2編 第1章 物質量と化学反応式 【参考】 化学の基礎法則
*第2編第1章(pp.116-133)の演習
➀ 化学の基礎法則を説明できる。
5週 pp.136-141 第2編 第2章 酸と塩基の反応 2ー2ー➀ 酸・塩基 ➀酸と塩基の定義を説明できる。/ ➁酸と塩基の価数について説明できる。/ ➂酸・塩基の強弱と電離度について説明できる。
6週 ★第2編 第1章(pp.116-133) 単元テスト
pp.143-148 第2編 第2章 酸と塩基の反応 2ー2ー➁ 水素イオン濃度とpH
★第2編第1章(pp.115-133)の基本問題を解くことができる。
➀酸・塩基の水素イオン濃度を算出できる。/ ➁酸・塩基のpHを算出できる。/ ➂pH 指示薬について説明できる。
7週 pp.149-154 第2編 第2章 酸と塩基の反応 2ー2ー➂ 中和反応と塩 ➀中和反応について説明できる。/ ➁塩の種類を分類でき,正塩の水溶液の性質が説明できる。/ ➂塩の反応について説明できる。
8週 pp.155-161,166-167 第2編 第2章 酸と塩基の反応 2ー2ー➃ 中和滴定 ➀中和の量的関係に関する計算ができる。/ ➁中和滴定の操作について説明できる。/ ➂中和滴定曲線を描くことができる。
4thQ
9週 pp.162-165 第2編 第2章 酸と塩基の反応 【参考】【思考学習】
*第2編第2章の演習
10週 pp.170-176 第2編 第3章 酸化還元反応 2ー3ー➀ 酸化と還元 ➀酸化還元反応について説明できる。/ ➁酸化数を求めることができる。/ ➂酸化数の増減から酸化・還元を判断できる。
11週 ★第2編 第2章 単元テスト
pp.177-183 第2編 第3章 酸化還元反応 2ー3ー➁ 酸化剤と還元剤 A, B
★第2編第2章の基本問題を解くことができる。
➀酸化剤・還元剤について説明できる。/ ➁酸化剤・還元剤の半反応式を作ることができる。/ ➂酸化還元反応式を作ることができる。
12週 pp.187-191 第2編 第3章 酸化還元反応 2ー3ー➁ 酸化剤と還元剤 C ➀酸化還元の量的関係について説明できる。/ ➁酸化還元滴定に関する計算ができる。
13週 pp.192-196 第2編 第3章 酸化還元反応 2ー3ー➂ 金属の酸化還元反応
*第2編第3章の演習
➀ 金属のイオン化傾向について説明できる。
➁ 金属の反応性について説明できる。
14週 pp.197-207 第2編 第3章 酸化還元反応 2ー3ー➃ 酸化還元反応の利用
➀ 金属のイオン化傾向について説明できる。
➁ 金属の反応性について説明できる。
15週 ★第2編 第3章(pp.170-196) 単元テスト
◇後期総合演習 (試験範囲;pp.120-203)
★第2編第3章(pp.170-196)の基本問題を解くことができる。
16週 ★学年末試験 (試験範囲;pp.120-203)
♣ 実験➁ 金属イオンの反応 (3-4Qの理科演習時)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前11,前12
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前16
物質が原子からできていることを説明できる。3前1
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前1
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前1
純物質と混合物の区別が説明できる。3前1
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前1
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前2
水の状態変化が説明できる。3前2
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前3
同位体について説明できる。3前3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前3
価電子の働きについて説明できる。3前3
原子のイオン化について説明できる。3前4
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前4
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前5
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前5
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前4
イオン結合について説明できる。3前6,前10
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前6,前10
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前6,前10
共有結合について説明できる。3前7,前10
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前7,前10
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前9,前10
金属の性質を説明できる。3前9,前10
原子の相対質量が説明できる。3前12,前14
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前12,前14
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前13,前14
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前13,前14
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前13,前14
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後2,後4
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後3,後4
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前4
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3後1,後4
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3後1,後4
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3後5,後9
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3後5,後9
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3後5,後9
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3後6,後9
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3後7,後9
中和滴定の計算ができる。3後8,後9
酸化還元反応について説明できる。3後10,後11,後12,後13
イオン化傾向について説明できる。3後13
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後13
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後14
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3後14
一次電池の種類を説明できる。3後14
二次電池の種類を説明できる。3後14
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前16,後15
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前16,後15
測定と測定値の取り扱いができる。3前13
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前13
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前16,後15
ガラス器具の取り扱いができる。3前16,後15
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前16,後15
試薬の調製ができる。3前16,後15
代表的な気体発生の実験ができる。3前16,後15
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3前16,後15

評価割合

A. 単元テストB. リフレクションC. 定期試験D. 課題E. CBT合計
総合評価割合5010201010100
基礎的能力5010201010100
専門的能力000000
分野横断的能力000000