化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学Ⅱ
科目番号 0033 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 化学基礎(第一学習社)、化学(数研出版)、フォローアップドリル3冊(数研出版)
担当教員 ハー ザイ

到達目標

1. 酸化還元反応について説明でき,諸量を互いに算出できること。
2. 気体・液体の性質について説明でき,諸量を互いに算出できること。
3. 非金属元素およびその化合物の特徴を説明できること。
4. 金属元素の特徴およびその化合物の特徴を説明できること。
5. 有機化合物の分類や用途について説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酸化還元反応について明確に説明でき,諸量を互いに正確に計算できる。酸化還元反応について説明でき,諸量を互いに計算できる。酸化還元反応について明確に説明できず,諸量を互いに正確に計算できない。
評価項目2気体・液体の性質について明確に説明でき,諸量を互いに正確に計算できる。気体・液体の性質について説明でき,諸量を互いに計算できる。気体・液体の性質について明確に説明できず,諸量を互いに正確に計算できない。
評価項目3非金属元素およびその化合物の特徴について明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。非金属元素およびその化合物の特徴について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。非金属元素およびその化合物の特徴について明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目4金属元素の特徴およびその化合物の特徴について明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。金属元素の特徴およびその化合物の特徴について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。金属元素の特徴およびその化合物の特徴について明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目5有機化合物の分類や用途について明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。有機化合物の分類や用途について説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。有機化合物の分類や用途について明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
理論化学のうち,酸化還元反応,気体の性質,溶解について,講義および演習を通して学習するともに,無機化学の基礎,身の回りの有機化合物について学ぶ。
授業の進め方・方法:
・授業は予習を前提とします。教科書を読んでわからなかったところをマークして,授業に臨んでください。
・授業は講義と演習を中心とし,時々課題を課す他,小テストを実施します。
注意点:
・教科書中の主な化学用語は、英語でも書けるようにしておくこと。
・原則として,中間試験,定期試験未受験者は再試験を認めないものとします。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 <ガイダンス>
【化学基礎】pp.172-177
「金属のイオン化傾向」
➀ 金属のイオン化傾向について説明できる。
➁ 金属のイオン化列をもとに金属の反応性について説明できる。
2週 【化学基礎】pp.178-183 【化学】pp.116-123
「電池」
➀ ダニエル電池の原理を理解し,正極,負極における反応をイオン反応式で書ける。また,電極の種類と起電力の関係,電解質の濃度の工夫について説明できる。
➁ 鉛蓄電池について,正極,負極における反応および全体反応をイオン反応式で書ける。また放電時および充電時の電解質濃度の変化について説明できる。
➂ 実用電池を一次電池と二次電池に分類できる。
3週 【化学基礎】pp.186-190 【化学】pp.124-126, 130-132 「電気分解」 ➀ 水溶液の電気分解において,陰極および陽極における反応をイオン反応式で書ける。
➁ 電気分解を応用した様々な物質の工業的製法について説明できる。
4週 【化学基礎】pp.191-192【化学】pp.126-129
「電気分解」
電気分解における量的関係を理解し,電気量と物質の生成量(発生する気体の体積や析出する金属の質量など)を互いに計算できる。
5週 【化学】pp.26-35
「物質の三態と熱運動」
➀ 状態変化と熱の出入りを理解し,必要な熱量を求めることができる。
➁ 気体の圧力について理解し,圧力の単位換算ができる。
➂ 蒸気圧曲線から沸点や外圧を求められる。
6週 【化学】pp.38-45
「気体の性質➀」
➀ ボイルの法則,シャルルの法則,ボイル・シャルルの法則を説明でき,これらを用いて諸量を算出できる。
➁ 気体の状態方程式について説明でき,諸量を求めることができる。
➂ 気体の状態方程式を用いて,気体の分子量を算出できる。
7週 【化学】pp.46-52
「気体の性質➁」
➀ 混合気体の分圧や全圧を算出できる。
➁ 混合気体の平均分子量を算出できる。
➂ 理想気体と実在気体の違いについて説明できる。
8週 ★ 前期中間試験
【化学基礎】pp.172-193
【化学】pp.26-52, 116-133
2ndQ
9週 ☆前期中間試験解説
【化学】pp.60-64
「溶解と溶液」
➀ 溶解のしくみについて説明できる。
➁ 溶媒,溶質と溶解性の関係について説明できる。
➂ 固体の溶解度から結晶の析出量を算出できる。(結晶水を含む結晶も対象)
10週 【化学】pp.65-71
「溶解と溶液」
➀ 気体の溶解度から,溶解する気体の量を算出できる。
➁ 質量モル濃度を算出できる。
11週 【化学】pp.72-78
「希薄溶液の性質」
➀ 希薄溶液において沸点上昇や凝固点降下が起きる理由を説明できる。
➁ 沸点や凝固点を算出できる。
12週 【化学】pp.90-95
「反応熱と熱化学方程式」
熱の出入りとさまざまな反応熱について理解し,熱化学方程式が書ける。
13週 【化学】pp.100-107
「反応熱の測定」「ヘスの法則」「結合エネルギー」
➀ 液体の諸量(質量,比熱,温度上昇)と物質の熱量を互いに算出できる。
➁ ヘスの法則を用いて,生成熱,反応熱,結合エネルギーを互いに算出できる。
14週 【化学】pp. 222-223,194-197
「気体の捕集方法と乾燥剤」
「水素とその化合物」「希ガス」
気体の実験室的製法と性質について理解する。水素と希ガスの性質について理解する。
15週 <総合演習>
前期定期試験範囲の応用問題を解けるようにする。
16週 ★ 前期定期試験
【化学】pp.60-78, 90-95, 100-107、222-223、194-197
後期
3rdQ
1週 ☆前期定期試験解説
【化学】pp.199-200
「ハロゲン」
ハロゲン単体の性質,実験室的製法および反応について説明できる。
2週 【化学】pp.201-203
「ハロゲン」
「酸素とその化合物」
➀ ハロゲンの化合物の性質,実験室的製法および反応について説明できる。
➁ 酸素とその化合物の性質および反応について説明できる。
➂ 酸化物とオキソ酸,水酸化物について説明できる。
3週 【化学】pp.204-210
「硫黄とその化合物」
➀ 硫黄とその化合物の性質,製法および反応について説明できる。
➁ 硫酸の工業的製法および性質について説明できる。
4週 【化学】pp. 211-215
「窒素・リンとその化合物」
➀ 窒素・リンとその化合物の性質および反応について理解する。
➁ アンモニア,硝酸の工業的製法および性質について説明できる。
5週 【化学】pp. 217-221
「炭素・ケイ素とその化合物」
<総合演習>
➀ 炭素・ケイ素とその化合物の性質および反応について説明できる。
➁ 一酸化炭素,二酸化炭素の実験室的製法および性質について説明できる。
6週 【化学】pp. 226-229
「アルカリ金属とその化合物」
➀ アルカリ金属とその化合物の性質および反応について説明できる。
➁ アルカリ化合物の特徴について説明できる。
➂ アンモニアソーダ法について説明できる。
7週 【化学】pp. 230-233
「2族元素とその化合物」
➀ アルカリ土類金属の性質および反応について説明できる。
➁ アルカリ土類金属の化合物の性質(例えば水溶性)について説明できる。
8週 ★ 後期中間試験
【化学】pp.199-215, 217-221, 226-233
4thQ
9週 ☆ 後期中間試験解説
【化学】pp. 234-238
「アルミニウムとその化合物」
アルミニウムとその化合物の相互関係および反応について説明できる。
10週 【化学】pp.252-253, 240-246
「亜鉛とその化合物」
「遷移元素」「鉄とその化合物」
➀ 亜鉛とその化合物の相互関係および反応について説明できる。
➀ 遷移元素の特徴について説明できる。
➁ 鉄(Ⅱ)イオンと鉄(Ⅲ)イオンの反応や生成物の色を説明できる。
11週 【化学】pp.247-251
「銅とその化合物」「銀とその化合物」
➀ 銅および銅イオンの反応や生成物の色を説明できる。
➁ 銀および銀イオンの反応や生成物の色を説明できる。
12週 【化学】pp.260-265
「金属イオンの定性分析」
➀ 金属イオンと陰イオン(分属試薬)との反応を説明できる。
➁ 金属イオンの系統分離に関する問題を解ける。
13週 【化学】pp.270-279
「有機化合物;特徴と分類」
➀ 有機化合物の特徴を説明できる。
➁ 有機化合物を炭化水素の形および官能基にもとづいて分類できる。
➂ 示性式から官能基を把握し,化合物の一般名を決定できる。
14週 【化学】pp.270-279
「構造式の決定」
➀ 有機化合物の構造式決定の手順を説明できる。
➁ 構造元素の確認法を説明できる。
➂ 元素分析から組成式や分子式を決定できる。
15週 <総合演習> 後期定期試験範囲の応用問題が解けるようにする。
16週 ★後期定期試験
【化学】pp.234-238,240-253、260-265、270-279)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前3,後9,後10,後11,後13
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3後13
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前5
水の状態変化が説明できる。3前5
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前5
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前6
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前6
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
酸化還元反応について説明できる。3前1
イオン化傾向について説明できる。3前1
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3前1
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3前2
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3前2
一次電池の種類を説明できる。3前2
二次電池の種類を説明できる。3前2
電気分解反応を説明できる。3前3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3前3
ファラデーの法則による計算ができる。3前4

評価割合

試験課題小テスト合計
総合評価割合602020100
基礎の能力602020100
ゴールの能力0000
部門を横断する能力0000