機械力学

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機械力学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「振動工学 解析から設計まで」,背戸一登・丸山晃一,森北出版 (2002).http://www.morikita.co.jp/books/book/1411
担当教員 朱 勤

到達目標

1. ラグランジュの運動方程式を応用できる.
2. 1自由度・2自由度線形振動方程式を解き,物体の非減衰自由振動,粘性減衰振動,強制振動の様子を説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 ラグランジュの運動方程式を用いて,機械システムの運動方程式を正確に導出できる.  ラグランジュの運動方程式を用いて,機械システムの運動方程式を導出できる. ラグランジュの運動方程式を用いて,機械システムの運動方程式を導出できない.
評価項目2 1自由度線形振動の応用問題を正確に解ける. 1自由度線形振動の応用問題を解ける. 1自由度線形振動の応用問題を解けない.
評価項目3 2自由度線形振動の応用問題を正確に解ける. 2自由度線形振動の応用問題を解ける. 2自由度線形振動の応用問題を解けない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる
JABEE (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 機械システムを設計するには,動力学の基礎的な知識が不可欠である.本授業では,機械力学とその適応分野である振動工学の基礎知識について理解することを目的とする.
 剛体の平面運動,ラグランジュの運動方程式,1自由度および2自由度系の自由振動と強制振動,振動絶縁,動吸振器などが主な講義項目である.
 
授業の進め方・方法:
 予習(自己学習),講義,レポート(自己学習)

【参考書】
 1. 「演習 機械振動学」, 佐藤秀紀・岡部佐規一・岩田佳雄,サイエンス社(1996).
http://www.saiensu.co.jp/?page=book_details&ISBN=ISBN978-4-7819-0813-7&YEAR=1996

 2. 「例題で学ぶ機械振動学」, 小寺忠・矢野澄雄,森北出版(2009).
http://www.morikita.co.jp/books/book/1441

 3. 「解析力学の基礎」,安里光裕,技術評論社(2010).
http://gihyo.jp/book/2010/978-4-7741-4311-8

   講義の関連情報: http://www.oyama-ct.ac.jp/M/nds/html/diary.html
講義ノートなど(学内): http://172.16.12.122/index.php

注意点:
 1.自宅での自学自習を必ず行うこと.教科書と授業ノートを読み,内容を理解した上で課題を解くこと.
 2. 試験での教科書,参考書,ノートおよびそれらのコピーの持ち込みは不可とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械力学の基礎-力学モデルと自由度  機械力学の歴史,力学モデル,自由度,運動方程式などの用語を理解し説明できる.
2週 慣性モーメント  慣性モーメントの定義を理解し,直交軸の定理と平行軸の定理を利用できる.また,複雑な形状の物体の慣性モーメントを求めることができる.
3週 剛体の平面運動  剛体の平面内での運動に対して運動方程式を導くことができる.
4週 ラグランジュの運動方程式(1)  一般化座標,一般化力の定義を理解し,機械運動系の運動エネルギー,ポテンシャルエネルギーおよび消散関数を計算きる.
5週 ラグランジュの運動方程式(2)  ラグランジュの運動方程式を理解し,剛体の運動方程式を導くことができる.
6週 ラグランジュの運動方程式(3)                        同上
7週 中間試験                      学習した知識の確認ができる.
8週 試験の講評,復習   学習した知識の再確認ができる.
2ndQ
9週 線形振動の基礎-ばねとばね定数,調和振動  合成ばね定数を計算できる.調和振動の合成ができる.
10週 1自由度非減衰振動-運動方程式の導出と解法  減衰のない1自由度振動系の運動方程式の解が求められる.
11週 様々な振動系  1自由度直線・回転振動系の運動方程式を導くことができ,固有振動数を求めることができる.
12週 減衰を伴う1自由度の自由振動-粘性減衰振動(1)  粘性減衰を有する1自由度系の運動方程式の解が求められる.過減衰運動,臨界減衰運動および粘性減衰振動の性質を説明することができる.運動方程式から固有振動数と臨界減衰係数が計算できる.
13週 減衰を伴う1自由度の自由振動-粘性減衰振動(2)  対数減衰率の定義を理解し計算できる.
14週 減衰を伴う1自由度自由振動-クーロン摩擦による減衰振動  振動系の運動方程式の解を導くことができ,クーロン摩擦による減衰振動の特徴を説明することができる.
15週 前期定期試験  学習した知識の確認ができる.
16週 試験の講評,復習  学習した知識の再確認ができる.
後期
3rdQ
1週 1自由度強制振動-力による強制振動(1)  粘性減衰を伴う1自由度系の強制振動方程式(力強制,変位強制)を導くことができる.
2週 1自由度強制振動-力による強制振動(2)  調和外力による強制振動系の方程式の解が求められる.定常応答,共振曲線を描くことができ,共振現象を理解し説明できる.
3週 1自由度強制振動-変位による強制振動(1)  調和変位による強制振動系(絶対座標による表現)の方程式の解が求められる.
4週 1自由度強制振動-変位による強制振動(2)  調和変位による強制振動系(相対座標による表現)の方程式の解が求められる.
5週 振動の伝達  振動絶縁の原理が説明できる.
6週 振動の測定原理  変位振動計の原理と加速振動計の原理が説明できる.
7週 2自由度系の振動-自由振動  減衰のない2自由度振動系の運動方程式の解が求められる.系の固有振動数と振動モードが計算できる.
8週 中間試験  学習した知識の確認ができる.
4thQ
9週 試験の講評,復習  学習した知識の再確認ができる.
10週 2自由度系の振動-強制振動  減衰のない2自由度振動系の強制振動方程式の解が求められる.
11週 動吸振器(1)  減衰がない場合と減衰がある場合の動吸振器の原理を理解し説明できる.
12週 動吸振器(2)                        同上
13週 回転軸の危険速度  回転軸の危険速度を求めることができる.
14週 機械システムのカオス振動  カオス振動の特徴を理解し説明できる.
15週 復習  学習した内容を整理することができる.
16週 後期定期試験  学習した知識の確認ができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学振動の種類および調和振動を説明できる。3

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力90100000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000