科学技術倫理

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 科学技術倫理
科目番号 0045 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 使用しない。
担当教員 上野 哲

到達目標

1.科学技術時代の到来に伴い新たな倫理基準が必要になった背景を理解できる。
2.応用倫理学の諸分野が抱える課題について多角的に説明できる。
3.科学技術に関わる倫理的問題解決策について,他者と協力しながら説得力を伴う持論を展開できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1科学技術時代の到来に伴い新たな倫理基準が必要になった背景を充分に理解できる。科学技術時代の到来に伴い新たな倫理基準が必要になった背景を理解できる。科学技術時代の到来に伴い新たな倫理基準が必要になった背景を充分に理解できない。
評価項目2応用倫理学の諸分野が抱える課題について充分説明できる。応用倫理学の諸分野が抱える課題について説明できる。応用倫理学の諸分野が抱える課題について充分説明できない。
評価項目3科学技術に関わる倫理的問題解決策について,他者と協力しながら説得力を伴う持論を充分に展開できる。科学技術に関わる倫理的問題解決策について,他者と協力しながら説得力を伴う持論を展開できる。科学技術に関わる倫理的問題解決策について,他者と協力しながら説得力を伴う持論を展開できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
応用倫理学とりわけ科学技術倫理をめぐる理解を深めることで,直面するインシデントの何が原因でどこに問題点がありどのようにすれば解決策を見いだせるのかを他者と協力しながら考えることに重点をおく。これらの一連の作業を通して,技術者としての倫理観を高めることにつなげる。
授業の進め方・方法:
本授業は【講義A】形式(授業30時間+自学自習60時間=2単位)の学修単位科目である。
したがって,本授業受講者は以下の3項目に積極的に取り組むことが求められる。
(1)講義内容の理解:
第1,2,4,6,9,11,13,15週は授業担当者による講義である。講義内容を充分に理解することが求められる。講義内容の理解度については「中間試験」「定期試験」の結果によって判断する。
(2-1)講義で扱った内容理解の深化と説明(1):
第3,5,7,10,12,14週は受講者によるグループ単位のプレゼンを行う。プレゼンの評価に対しては,視聴する受講者によるピアレビューを採用する。
(2-2)講義で扱った内容理解の深化と説明(2):
受講者は全員,教員が指定したテーマに関するレポートを作成提出する必要がある。受講者一人一人に異なるテーマを与える。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論:科学技術時代の新しい倫理 左記内容を理解する
2週 生命倫理分野の問題(1):生殖技術の発展と権利
生命倫理分野の問題(2):日本の生命観と西欧の生命観
左記内容を理解する
3週 生命倫理分野の問題(1)(2)に関する多面的検討 左記内容を多面的に検討し,他者に対して分かりやすく説明する
4週 生命倫理分野の問題(3):スポーツとドーピング 
生命倫理分野の問題(4):「性」と「身体」
左記内容を理解する
5週 生命倫理分野の問題(3)(4)に関する多面的検討 左記内容を多面的に検討し,他者に対して分かりやすく説明する
6週 生命倫理分野の問題(5):「健康」と「標準値」の関係生命倫理分野の問題(6):脳死と臓器移植 左記内容を理解する
7週 生命倫理分野の問題(5)(6)に関する多面的検討 左記内容を多面的に検討し,他者に対して分かりやすく説明する
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 環境倫理分野の問題(1):環境を「保全する」とは  環境倫理分野の問題(2):ハード/ソフトゾーニング 左記内容を理解する
10週 環境倫理分野の問題(1)(2)に関する多面的検討 左記内容を多面的に検討し,他者に対して分かりやすく説明する
11週 科学倫理分野の問題(1):科学ジャーナリズム    科学倫理分野の問題(2):エセ科学との対決 左記内容を理解する
12週 科学倫理分野の問題(1)(2)に関する多面的検討 左記内容を多面的に検討し,他者に対して分かりやすく説明する
13週 企業倫理分野の問題(1):ホイッスルブローイング
企業倫理分野の問題(2):企業の社会的責任
左記内容を理解する
14週 企業倫理分野の問題(1)(2)に関する多面的検討 左記内容を多面的に検討し,他者に対して分かりやすく説明する
15週 企業倫理分野の問題(3):市民・消費者の社会的責任 左記内容を理解する
16週 前期定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合404000020100
基礎的能力404000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000