機械数学

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械数学
科目番号 0071 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 自作プリント
担当教員 山下 進,鈴木 栄二

到達目標

・機械工学の中で扱うさまざまな現象(力学、電気、熱伝導、流体など)を理解し、数理モデル(微分方程式)を構築することができる。
・微分方程式をさまざまな手法(定数変化法、未定係数法、差分法など)を用いて解くことができ、解いた結果の検証と評価ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械工学における微分方程式の役割を明確に説明できる.機械工学における微分方程式の役割を説明できる.機械工学における微分方程式の役割を説明できない.
評価項目2常微分方程式を自力で解くことができる.常微分方程式を教員に聞きながら解くことができる.常微分方程式を解くことができない.
評価項目3電気回路に対する計算式を理解し自力で解くことができる。電気回路に対する計算式を教員に聞きながら理解しかつ解くことができる。電気回路に対する計算式を理解できず、解くこともできない。
評価項目4非定常熱伝導に対する計算式を理解し自力で解くことができる。非定常熱伝導に対する計算式を教員に聞きながら理解しかつ解くことができる。非定常熱伝導に対する計算式を理解できず、解くこともできない。
評価項目5流体の運動に対する計算式を理解し自力で解くことができる。流体の運動に対する計算式を教員に聞きながら理解しかつ解くことができる。流体の運動に対する計算式を理解できず、解くこともできない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半:簡単な常微分方程式の解法と工学への応用について学ぶ。
後半:機械工学に現れる基礎的問題(主に熱流体、電気の分野)について、微分方程式の導出の考え方や解法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
前半:例題の説明を行った後、演習問題を数題解いてもらう。演習プリントを課題として提出してもらう。
後半:問題の解説を行うとともに、適宜、ミニテストや課題を課す。また、計算機を利用した簡単な数値解析を行う。
注意点:
前半:指数関数、対数関数、三角関数、微分、積分の復習をしておくことが必要。
後半:前半の授業で学ぶ常微分方程式の解法について、必要に応じて復習し十分に理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機械工学と微分方程式 機械工学と微分方程式の関わりが理解できること
2週 1階常微分方程式の解き方(1)変数分離形 1階常微分方程式(変数分離形)が解けること
3週 1階常微分方程式の解き方(2)同次形 1階常微分方程式(同次形)が解けること
4週 1階常微分方程式の解き方(3)線形 1階常微分方程式(線形)が解けること
5週 2階常微分方程式の解き方(1)同次 2階常微分方程式(同次)が解けること
6週 2階常微分方程式の解き方(2)非同次 2階常微分方程式(非同次)が解けること
7週 微分方程式の機械工学への応用 機械工学の中で現れる微分方程式が解けること
8週 中間試験 これまでの範囲が理解できること
4thQ
9週 直流回路網:基本的な直流回路網において、電流・電圧に関する計算式を立て解を求める。 基本的な直流回路網において、行列式を適用した解法が理解できる。
10週 R-L-C回路:基本的なR-L-C回路において、電流・電圧の過渡現象に関する計算式を立て解を求める。 基本的なR-L-C回路の過渡現象において、微分方程式を適用した解法が理解できる。
11週 非定常熱伝導:基本的な非定常熱伝導問題に関する計算式を立て解を求める。 基本的な非定常熱伝導問題において、微分方程式を適用した解法が理解できる。
12週 非定常熱伝導:基本的な非定常熱伝導に関する計算式を立て差分化して数値計算により解を求める。 基本的な非定常熱伝導に関する微分方程式を差分化し、数値計算による解法が理解できる。
13週 非定常熱伝導:基本的な非定常熱伝導に関する計算式を立て、時間ステップや格子数を変化させて数値解の収束条件等を調査する。 基本的なの非定常熱伝導に関して、数値解の収束条件や精度について考察できる。
14週 空気中の水滴の運動:空気中を落下する水滴について計算式を立て解を求める。 空気中を落下する水滴の運動において、微分程式を適用した解法が理解できる。
15週 平板間を流れる流体の運動:平板間を流れる流体に関する計算式を立て解を求める。 平板間を流れる流体において、微分方程式を適用した解法が理解できる。
16週 期末試験 これまでの範囲が理解できること

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
電気電場・電位について説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3
物体に作用する浮力を計算できる。3
定常流と非定常流の違いを説明できる。3
流線と流管の定義を説明できる。3
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。3
層流と乱流の違いを説明できる。3
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000