制御工学

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 制御工学
科目番号 0095 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 1.前期の教科書:「はじめての制御工学・改訂第2版」、佐藤和也・平元和彦・平田研二,  講談社(2018).https://www.kspub.co.jp/book/detail/5137475.html  2.後期の教科書:「はじめての現代制御理論」,佐藤和也,・下本陽一・熊澤典良,講談社(2012). https://www.kspub.co.jp/book/detail/1565081.html
担当教員 MD,ABDUS,SAMAD KAMAL

到達目標

1. 伝達関数に基づくフィードバック制御:
    制御系の伝達関数モデルを求めることができる.
    制御系の応答が計算できる.
    安定判別ができる.
    フィードバック制御の概念を説明でき,限界感度法を適用できる.

2.状態方程式に基づく制御:
    状態方程式を求めることができる.
    状態方程式の時間的な応答が計算できる.
    可制御性・可観測性・安定性を調べることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 制御系の伝達関数モデルおよび制御系の応答を正確に求めることができる. 制御系の伝達関数モデルおよび制御系の応答を求めることができる. 制御系の伝達関数モデルおよび制御系の応答を求めることができない.
評価項目2 状態方程式および状態方程式の時間的な応答を正確に求めることができる. 状態方程式および状態方程式の時間的な応答を求めることができる. 状態方程式および状態方程式の時間的な応答を求めることができない.
評価項目3 制御系の安定性および可制御性・可観測性を正確に判定できる. 制御系の安定性および可制御性・可観測性を判定できる. 制御系の安定性および可制御性・可観測性を判定できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる
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JABEE (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 自動制御の技術は,あらゆる産業の基本的技術の一つである.本講義では,古典制御と現代制御分野について理解することを目的とする.前半期は古典制御と呼ばれる伝達関数に基づく制御,後半期は現代制御と呼ばれる状態方程式に基づく制御に関して,それぞれの制御対象の記述および制御系の解析・設計手法を解説する.
 
授業の進め方・方法:
 予習(自己学習),講義,復習・レポート(自己学習)
【参考書など】
1. 「演習で学ぶ基礎制御工学」,森泰親,森北出版(2014), https://www.morikita.co.jp/books/mid/091842
2. 「演習で学ぶ現代制御理論」,森泰親,森北出版(2014),  https://www.morikita.co.jp/books/mid/091782
3. 「制御工学」, 岩井善太・石飛光章・川崎義則,朝倉書店(1999). https://www.asakura.co.jp/detail.php?book_code=23703
4. 「自動制御」,阪部俊也・飯田賢一,コロナ社 (2007).http://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339044713/
5. 講義資料
注意点:
 1.自宅での自学自習を必ず行うこと.教科書と授業ノートを読み,内容を理解した上で課題を解くこと.
 2.試験での教科書,参考書,ノートおよびそれらのコピーの持ち込みは不可とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御工学を学ぶにあたって 制御工学の歴史,制御系の分類,シーケンス制御とフィードバック制御系の構成を理解し説明できる.
2週 システムの数学モデル 微分方程式システムの特徴を説明できる.ラプラス変換,逆ラプラス変換の応用ができる.
3週 基本的伝達要素の伝達関数モデル
微分方程式と伝達関数の関係を説明でき,基本的伝達要素の伝達関数モデルを求めることができる.
4週 ブロック線図と等価変換
ブロック線図と等価変換を理解し,フィードバック結合の伝達関数を導出できる.複雑なブロック線図の簡単化ができる.
5週 動的システムの応答 インパルス応答とステップ応答の定義を説明でき, 出力応答の計算式を導出できる.
6週 システムの応答特性
1次遅れ要素と2次遅れ要素の応答が求められる.過渡応答と定常応答を理解できる.
7週 システムの極と安定性
伝達関数での安定性の必要十分条件を理解し,制御系の安定性の定義を説明できる.ラウスの方法によってフィードバック制御系の安定性を判定できる.
8週 中間試験 学習した知識の確認ができる.
2ndQ
9週 試験の講評 学習した知識の再確認ができる.
10週 フィードバック制御系の定常特性 制御系の構成と安定性を理解し、フィードバック制御系の定常特性求められ、説明できる.
11週 制御系の設計・PID 制御 PID制御の定義と性質を説明できる.PID制御のパラメータチューニングができる.
12週 制御系の設計-根軌跡,補償器 安定度,定常特性,速応性・減衰特性を示す指標を説明できる.
13週 周波数特性の解析 伝達関数と周波数伝達関数の違いが説明できる.周波数応答のナイキスト線図を描くことができる.
14週 ボード線図の特性と周波数伝達関数 周波数応答のボード線図を描くことができる.
15週 ナイキストの安定判別法 周波数応答のナイキスト線図から安定性を説明できる.
16週 前期定期試験 学習した知識の確認ができる.
後期
3rdQ
1週 試験の講評と古典制御の復習 学習した知識の再確認ができる.
2週 現代制御とは ~ 状態空間表現の基礎~ 現代制御の概念の説明、古典制御との比較し、状態変数と状態方程式の定義を理解し,説明できる.
3週 状態方程式によるシステム表現 制御対象の微分方程式から状態方程式とと出力方程式を求めることができる.
4週 状態方程式と伝達関数の関係 状態方程式から伝達関数の変換できる.
5週 状態方程式の応答計算 状態遷移行列の性質を理解し,n次状態方程式のゼロ入力応答が求められる.
6週 入力による状態方程式の完全応答計算 入力を考慮して完全応答を状態方程式から求められる.
7週 状態方程式で表されるシステムの安定性 状態方程式で表されるシステムの内部安定性と入出力安定性を判別できる.
8週 中間試験 学習した知識の確認ができる.
4thQ
9週 試験の講評 学習した知識の再確認ができる.
10週 可制御性と状態フィードバック制御 状態フィードバック制御の可制御性の概念とその判別条件を理解し、可制御性を判定できる.
11週 状態フィードバックによるレギュレータ制御設計 状態フィードバックによるレギュレータ制御の定義を理解し,極配置法によってフィードバック係数ベクトルが計算できる.
12週 可観測性とオブザーバの設計 可観測性の判別条件を理解し、可観測性を判定し、オブザーバを設計できる.
13週 出力フィードバック制御の設計 オブザーバとフィードバック制御系の結合の安定性を説明し、それらのゲインを計算できる.
14週 状態フィードバックによるトラッキング制御 フィードフォワードと状態フィードバックによるトラッキング制御系の構成を説明し、設計できる.
15週 最適レギュレータ 最適レギュレータの構成を理解し、説明できる.
16週 後期定期試験  学習した知識の確認ができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3
伝達関数を説明できる。4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
制御系の周波数特性について説明できる。4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力90100000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000