機械力学

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械力学
科目番号 0096 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 例題で学ぶ機械振動学(森北出版)
担当教員 日下田 淳

到達目標

1.不減衰一自由度線形振動系(自由振動,強制振動)の振動問題について,運動方程式を導出し解くことができ,それらの運動の様子を説明することができる。
2.減衰一自由度線形振動系(自由振動,強制振動)の振動問題について,運動方程式を導出し解くことができ,それらの運動の様子を説明することができる。
3.ラプラス変換を用いて上記の振動問題を解くことができる。
4.ラグランジュの運動方程式の導出を用いて,一自由度・二自由度振動系の運動方程式を導出することができる。
5.二自由度振動系の(自由振動,強制振動)の振動問題について,解くことができ,それらの運動の様子を説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1不減衰一自由度振動系の振動問題を正確に解くことができる。また,運動の様子を正確に説明できる。不減衰一自由度振動系の振動問題を解くことができる。また,運動の様子を説明できる。不減衰一自由度振動系の振動問題を解くことができない。また,運動の様子を説明できない。
評価項目2減衰一自由度振動系の振動問題を正確に解くことができる。また,運動の様子を正確に説明できる。減衰一自由度振動系の振動問題を解くことができる。また,運動の様子を説明できる。減衰一自由度振動系の振動問題を解くことができない。また,運動の様子を説明できない。
評価項目3ラプラス変換を用いて,振動問題を正確に解くことができる。ラプラス変換を用いて,振動問題を解くことができる。ラプラス変換を用いて,振動問題を解くことができない。
評価項目4ラグランジュの運動方程式の導出を用いて,一自由度・二自由度振動系の運動方程式を正確に導出することができる。ラグランジュの運動方程式の導出を用いて,一自由度・二自由度振動系の運動方程式を導出することができる。ラグランジュの運動方程式の導出を用いて,一自由度・二自由度振動系の運動方程式を導出することができない。
評価項目5二自由度振動系の(自由振動,強制振動)の振動問題について,正確に解くことができる。また,それらの運動の様子を正確に説明することができる。二自由度振動系の(自由振動,強制振動)の振動問題について,解くことができる。また,それらの運動の様子を説明することができる。二自由度振動系の(自由振動,強制振動)の振動問題について,解くことができない。また,それらの運動の様子を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる
JABEE (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
自動車や航空機などの輸送機械をはじめとするあらゆる機械に所望の運動をさせるとき,副産物として機械各部に必ず振動が生じる。大きな振動や定常的な振動を受ける部分では,その部品が破壊してしまう場合もあり得るので,そのような振動は極力回避するように機械を設計しなければならない。機械力学は主に機械の振動を解析する学問である。
授業では,簡単な機械の振動問題を一自由度および二自由度の粘弾性モデルに定式化でき,かつ,そのモデルを用いて機械の振動挙動を解析できる(解く)ことを目標にする。
また,ラグランジュの運動方程式を用いて複雑な系の運動方程式の導出やラプラス変換を用いて振動問題を解くことも目標にする。
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に行う。
授業内容に応じて演習問題を課題として出し,解答の提出を求める。
注意点:
すでに学習した,物理,工業力学Ⅰ・Ⅱ,応用物理,微分積分,応用数学など,力学や数学に関係する科目の内容を復習しておくこと。特に,振動と常微分方程式に関する項目は復習しておくと,授業を理解しやすい。
授業の進捗や学生の理解度によって,実施週が前後する可能性がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械力学とは,自由度と運動方程式 機械力学とはどのような科目であるかを理解できる。
自由度と運動方程式の導出方法を理解できる。
2週 力学モデルと構成要素 力学モデルを描き,そこにはたらく力などを図示することができる。
3週 不減衰系の自由振動(1) 一自由度振動系の運動方程式の解を三角関数で仮定して解くことができる。
4週 不減衰系の自由振動(2) 一自由度振動系の運動方程式の解を指数関数で仮定して解くことができる。
5週 減衰系の自由振動 一自由度振動系の減衰系の解を導き,分類することができる。
6週 調和外力による強制振動(不減衰系) 調和外力を理解し,不減衰一自由度振動系の運動方程式を解くことができる。
7週 調和外力による強制振動(減衰系) 調和外力を理解し,減衰一自由度振動系の運動方程式を解くことができる。
8週 前期中間試験 これまでに学習した内容を理解し,振動問題を解くことができる。
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説 試験で間違えた箇所を理解し,再度解くことができる。
10週 力伝達率,調和変位による強制振動(不減衰系) 力伝達率を理解することができる。
調和変位を理解し,一自由度振動系の運動方程式を解くことができる。
11週 調和変位による強制振動(減衰系),一般の外力による振動 調和変位を理解し,一自由度振動系の運動方程式を解くことができる。
一般的な外力による振動を理解することができる。
12週 ラプラス変換の基礎 ラプラス変換について理解することができる。
13週 ラプラス変換による一自由度自由振動系の解析(1) ラプラス変換により,不減衰一自由度自由振動系の解を導出することができる。
14週 ラプラス変換による一自由度自由振動系の解析(2) ラプラス変換により,減衰一自由度自由振動系の解を導出することができる。
15週 ラプラス変換による一自由度強制振動系の解析 ラプラス変換により,不減衰一自由度強制振動系の解を導出することができる。
16週 前期定期試験 これまでに学習した内容を理解し,振動問題を解くことができる。
後期
3rdQ
1週 前期定期試験の返却と解説 試験で間違えた箇所を理解し,再度解くことができる。
2週 ラグランジュの方程式の基礎(1) 並進運動と回転運動の運動エネルギを理解し,導出することができる。
3週 ラグランジュの方程式の基礎(2) ポテンシャルエネルギ,散逸関数を理解し,導出することができる。
4週 ラグランジュの方程式の基礎(3) ラグランジュの運動方程式を理解し,物体が持つエネルギの関係を理解することができる。
5週 ラグランジュの方程式による運動方程式の導出(1) ラグランジュの方程式を用いて,一自由度振動系の運動方程式を導出することができる。
6週 ラグランジュの方程式による運動方程式の導出(3) ラグランジュの方程式を用いて,二自由度振動系の運動方程式を導出することができる。
7週 ラグランジュの方程式による運動方程式の導出(3) ラグランジュの方程式を用いて,複雑な系の運動方程式を導出することができる。
8週 後期中間試験 これまでに学習した内容を理解し,振動問題を解くことができる。
4thQ
9週 二自由度振動系の基礎 二自由度振動系を表す運動方程式と振動方程式を理解することができる。
10週 ベクトルと行列による表現 二自由度振動系の運動方程式をベクトルと行列を用いて表すことができる。
11週 固有モードベクトルとモード行列 固有モードベクトルとモード行列を用いて運動方程式の解を導くことができる。
12週 減衰系の自由振動 二自由度振動系の減衰系の解を導くことができる。
13週 調和外力による強制振動(不減衰系) 調和外力を理解し,二自由度振動系の運動方程式を解くことができる.
14週 調和外力による強制振動(減衰系)(1) 調和外力を理解し,二自由度振動系の運動方程式を解くことができる.
15週 調和外力による強制振動(減衰系)(2) 調和外力を理解し,二自由度振動系の運動方程式を解くことができる.
16週 後期定期試験 これまでに学習した内容を理解し,振動問題を解くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート等合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000