機械力学I

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械力学I
科目番号 0101 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 例題で学ぶ機械振動学(森北出版)
担当教員 日下田 淳

到達目標

1.不減衰一自由度線形振動系(自由振動,強制振動)の振動問題について,運動方程式を導出し解くことができ,それらの運動の様子を説明することができる。
2.減衰一自由度線形振動系(自由振動,強制振動)の振動問題について,運動方程式を導出し解くことができ,それらの運動の様子を説明することができる。
3.ラプラス変換を用いて上記の振動問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1不減衰一自由度振動系の振動問題を正確に解くことができる。また,運動の様子を正確に説明できる。不減衰一自由度振動系の振動問題を解くことができる。また,運動の様子を説明できる。不減衰一自由度振動系の振動問題を解くことができない。また,運動の様子を説明できない。
評価項目2減衰一自由度振動系の振動問題を正確に解くことができる。また,運動の様子を正確に説明できる。減衰一自由度振動系の振動問題を解くことができる。また,運動の様子を説明できる。減衰一自由度振動系の振動問題を解くことができない。また,運動の様子を説明できない。
評価項目3ラプラス変換を用いて,振動問題を正確に解くことができる。ラプラス変換を用いて,振動問題を解くことができる。ラプラス変換を用いて,振動問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる
JABEE (A) 説明 閉じる
JABEE (d-1) 説明 閉じる
JABEE (g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
自動車や航空機などの輸送機械をはじめとするあらゆる機械に所望の運動をさせるとき,副産物として機械各部に必ず振動が生じる。大きな振動や定常的な振動を受ける部分では,その部品が破壊してしまう場合もあり得るので,そのような振動は極力回避するように機械を設計しなければならない。機械力学は主に機械の振動を解析する学問である。
授業では,簡単な機械の振動問題を一自由度の粘弾性モデルに定式化でき,かつ,そのモデルを用いて機械の振動挙動を解析できる(解く)ことを目標にする。
また,ラプラス変換を用いて振動問題を解くことも目標にする。
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に行う。
授業内容に応じて演習問題を課題として出し,解答の提出を求める。
注意点:
すでに学習した,物理,工業力学Ⅰ・Ⅱ,機械数学,微分積分,応用数学など,力学や数学に関係する科目の内容を復習しておくこと。特に,振動と常微分方程式に関する項目は復習しておくと,授業を理解しやすい。
教科書は,5年の機械力学Ⅱでも使用するので,各自保管しておくこと。
授業の進捗や学生の理解度によって,実施週が前後する可能性がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機械力学とは,自由度と運動方程式 機械力学とはどのような科目であるかを理解できる。
自由度と運動方程式の導出方法を理解できる。
2週 力学モデルと構成要素 力学モデルを描き,そこにはたらく力などを図示することができる。
3週 不減衰系の自由振動(1) 一自由度振動系の運動方程式の解を三角関数で仮定して解くことができる。
4週 不減衰系の自由振動(2) 一自由度振動系の運動方程式の解を指数関数で仮定して解くことができる。
5週 減衰系の自由振動 一自由度振動系の減衰系の解を導き,分類することができる。
6週 調和外力による強制振動(不減衰系) 調和外力を理解し,不減衰一自由度振動系の運動方程式を解くことができる。
7週 調和外力による強制振動(減衰系) 調和外力を理解し,減衰一自由度振動系の運動方程式を解くことができる。
8週 後期中間試験 これまでに学習した内容を理解し,振動問題を解くことができる。
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解説 試験で間違えた箇所を理解し,再度解くことができる。
10週 力伝達率,調和変位による強制振動(不減衰系) 力伝達率を理解することができる。
調和変位を理解し,一自由度振動系の運動方程式を解くことができる。
11週 調和変位による強制振動(減衰系),一般の外力による振動 調和変位を理解し,一自由度振動系の運動方程式を解くことができる。
一般的な外力による振動を理解することができる。
12週 ラプラス変換の基礎 ラプラス変換について理解することができる。
13週 ラプラス変換による一自由度自由振動系の解析(1) ラプラス変換により,不減衰一自由度自由振動系の解を導出することができる。
14週 ラプラス変換による一自由度自由振動系の解析(2) ラプラス変換により,減衰一自由度自由振動系の解を導出することができる。
15週 ラプラス変換による一自由度強制振動系の解析 ラプラス変換により,不減衰一自由度強制振動系の解を導出することができる。
16週 後期定期試験 これまでに学習した内容を理解し,振動問題を解くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
振動の種類および調和振動を説明できる。4
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4

評価割合

試験レポート等合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000