生物科学

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 生物科学
科目番号 0013 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子創造工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「生物基礎」「生物」数研出版
担当教員 上村 孝

到達目標

1.太陽系の誕生・地球の生い立ちと構造に関して説明できること。
2.生物の誕生が地球におよぼした影響と、地球生命体の特徴が説明できること。
3.分類学や生態学の視点から生物進化を理解し、生態ピラミッドや多様性について説明できること。
4.代謝(同化と異化)について理解し、生体触媒である酵素(タンパク質)の分子構造やその特性が説明できること。
5.メンデルの法則からDNAの複製・転写・翻訳に至るまで、広く遺伝現象が説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1太陽系の誕生から地球の特殊性が説明できる。太陽系の成り立ちから惑星・衛星の構成が説明できる。太陽系・惑星・衛星等の説明ができない。
評価項目2太陽系で、地球だけが生命が存在していることによる影響が説明できる。地球型生命体の特徴が説明できる。地球だけに生命が存在しているのか説明できない。
評価項目3生命が誕生してから地球だけが特別な惑星に変化していったことが説明できる。生命が誕生した地球環境について説明できる。生命の進化が地球にどのような影響を与えたか説明できない。
評価項目4代謝(同化と異化)について理解し、地球で生命体が繁栄してきたことが説明できる。代謝(同化と異化)について説明できる。生体内の複雑な反応について代謝の概念が説明できない。
評価項目5メンデルの法則からDNAの構造・タンパク質の構造・多様性等が生命現象を担っていることを説明できる。DNAがタンパク質の設計図であり転写・翻訳に関する説明ができる。DNA・RNA・タンパク質の関連性が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 宇宙の始まりから銀河・太陽系・惑星・衛星・彗星等の基本的な知識を身に着け、その後、地球だけが特殊な環境で有ったかを認識し生命の誕生を理解する。また、生命によって地球だけが特別な進化を経て来たことを化学的・生物学的観点から理解しうえで、現在の生き物の多様性や生態系について学習する。
一方、19世紀にメンデルが提唱した法則にも触れたうえで、20世紀後半から急速に発達してきた分子生物学についてもある程度高いレベルで学習し、生物学に限らず、医学・薬学・農学等の理学系全般に応用のきく知識を身に着ける。
授業の進め方・方法:
 講義中心であるが演示実験や野外調査等も行う場合有り。テーマによっては課題提出を義務づける。また、教科書の内容に準じて講義を進めるのではなく、(教科書は参考書として使用) 随時、解説プリントや演習問題プリントを配布する。
注意点:
臨機応変に多岐にわたる新しい項目(流行した病気・天災・バイオテクノロジーの話題など科学全般)を取り入れていく予定である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.ガイダンス:生物学の位置づけ 基本知識のアンケート 生物学の位置づけと一般的常識の確認
2週 2.太陽系の誕生・地球の生い立ちと生命 太陽系誕生から惑星・衛星の成り立ちが説明できる。
3週 3.地球の大気と内部構造 地球の歴史における大気や内部構造について説明できる。
4週 4.生物の分類と進化(学名・和名・種の定義)生態系の形成 分類学の立場から生物の進化・現在の生態系が成り立った経緯を説明できる。
5週 5.細胞の構造と機能(状況によって学内の植生調査) 基本的な細胞内小器官について説明できる。
6週 6.生体膜の成分と分子構造・細胞内小器官の進化 生体膜の分子構造と細胞内小器官の進化について説明できる。
7週 7.地球環境と生物の多様性・生態系・バイオーム 現在繁栄している生物相のメカニズムについて説明できる。
8週 8.前期中間試験(進度によっては課題提出) 授業の進み具合によっては、課題を提出し評価の対象とする。
2ndQ
9週 9.答案返却と説明 理解度の低かった項目について説明できるように再度解説を重ねる。
10週 10.代謝:同化と異化(光合成・呼吸等の仕組み) 光合成と好気呼吸を中心に、代謝について説明できる。
11週 11.物質循環とエネルギーの流れ 有機物を中心にした炭素の循環について説明できる。
12週 12.光合成色素と可視光線 代表的な光合成色素を認識し、可視光線と光合成との関係について説明できる。
13週 13.タンパク質の分子構造 アミノ酸の構造式からペプチド~三次・四次構造が説明できる。
14週 14.酵素の性質・働きと分子構造 触媒としての酵素の性質について説明できる。
15週 15.酵素の反応速度 酵素濃度・基質濃度・反応速度・生成物量の関係が説明できる。
16週 16.答案返却と説明 メンデルの法則(二遺伝子雑種) 二つの遺伝子が関わる現象について説明できる。
後期
3rdQ
1週 17.一遺伝子~n遺伝子雑種・自家受粉等) 二つ以上の遺伝子の関係と子孫に伝わる遺伝形質の発現が説明できる。
2週 18.自家受粉と他花受粉・遺伝子の多様性等 演習問題 自家受粉の演習問題と進化における意味を説明できる。
3週 19.特殊な遺伝 一般的なメンデル則に従わない遺伝現象も説明できる。
4週 20.性染色体と伴性遺伝 演習問題  X染色体Y染色体が説明でき、♀♂の決定様式が説明できる。
5週 21.遺伝子の正体 遺伝子がDNAであることが証明されるまでの経緯が説明できる。
6週 22.DNA・RNAの分子構造 DNAと三種類のRNAの構造が説明できる。
7週 23.後期中間試験 メンデルの法則と、その後の分子遺伝学につながる内容の理解度を試す。
8週 24.答案返却と説明  遺伝のメカニズム 理解度の低かった項目の説明とDNAの役割を説明できる。
4thQ
9週 25.セントラルドグマ:複製・転写・翻訳 DNAの複製と転写・翻訳について説明できる。
10週 26.転写・翻訳に関する計算問題 練習プリントを配布し、前週の内容を確認する。
11週 27.バイオテクノロジーの概要と展望 バイオテクノロジーの概念と今後の展開について説明できる。
12週 28.遺伝子組み替え・細胞融合 定番となったバイオテクノロジーの技術が説明できる。
13週 29.PCR法・アンチセンス法 他 DNAに関係する技術が、現在どのように応用されているのか説明できる。
14週 30.科学全般 最近の話題 状況によって、地震・津波・気候変化や近年流行した病気等についてトピックスとして解説する。
15週 31.答案返却と評価方法の説明
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3前2
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3前2
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3前2,前3
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3前3
マグマの生成と火山活動を説明できる。3前3
地震の発生と断層運動について説明できる。3前3
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3前3
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3前3
地球上の生物の多様性について説明できる。3前7
生物の共通性と進化の関係について説明できる。3前6
生物に共通する性質について説明できる。3前6
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3前2,前3
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3前3
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3前3
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3前3
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。3前7
世界のバイオームとその分布について説明できる。3前7
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。3前7
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3前4
生態ピラミッドについて説明できる。3前4
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3前4,前11
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3前7
有害物質の生物濃縮について説明できる。3前11
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3前11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000