化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0015 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子創造工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 化学基礎(東京書籍),化学(東京書籍)
担当教員 森下 佳代子

到達目標

1. 原子の構造および電子配置と周期律の関係を説明できる。
2. さまざまな化学結合の仕組みと性質を説明できる。
3. 物質量(モル)や反応熱の概念を理解し,諸量を計算できる。
4. 酸・塩基や中和反応を説明でき,量的関係を計算により求められる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造および電子配置と周期律の関係を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。原子の構造および電子配置と周期律の関係を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。原子の構造および電子配置と周期律の関係を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目2さまざまな化学結合の仕組みと性質を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。さまざまな化学結合の仕組みと性質を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。さまざまな化学結合の仕組みと性質を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目3物質量(モル)や反応熱の概念を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。物質量(モル)や反応熱の概念を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。物質量(モル)や反応熱の概念を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。
評価項目4酸・塩基や中和反応を明確に説明でき,これに関する演習問題を正確に解くことができる。酸・塩基や中和反応を説明でき,これに関する演習問題を解くことができる。酸・塩基や中和反応を明確に説明できず,これに関する演習問題を正確に解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学Ⅰでは,化学が物質を対象とする科学であることや化学が人間生活に果たしている役割について学びます。
また,化学の基本的な概念や原理・法則を理解し,科学的な見方や考え方を養います。具体的には,次の事柄を学びます。
(1)化学結合と物質の性質との関係を理解し,物質について微視的な見方ができるようにする。
(2)化学反応に関する基本的な概念や法則を理解するために,化学反応の量的関係,酸と塩基の反応について学ぶ。
授業の進め方・方法:
・授業は予習を前提とします。教科書を読んでわからなかったところをマークして,授業に臨んでください。
・授業は講義と演習を中心とし,時々課題を課す他,小テストを実施します。
注意点:
・原則として,中間試験,定期試験未受験者は再試験を認めないものとします。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,人間生活のなかの化学 人間生活と化学のかかわりについて理解する。
2週 物質の成分,物質の構成元素 純物質と混合物,単体と化合物について理解する。
3週 物質の三態 物質の三態と状態間の変化について理解する。
物質の状態と熱運動の関係性を理解する。
4週 原子の構造 原子を構成する粒子と原子の表し方,および同位体について理解する。
5週 電子配置と周期表① 原子の電子配置と価電子について理解する。
6週 電子配置と周期表② 元素の周期律と周期表について理解する。
7週 イオンとイオン結合 イオンの生成,分類,イオン化エネルギーについて理解する。またイオン結合とイオン結晶について説明でき,組成式が書けるようにする。
8週 前期中間試験 これまでの範囲を理解する。
2ndQ
9週 前期中間試験解説, 分子と共有結合① 共有結合と分子の形成について理解する。
10週 分子と共有結合② 分子の構造式や分子の形を説明できるようにする。
11週 【実験】混合物の分離 第2週で学んだ混合物の分離法を応用して実験計画を立て,計画書にしたがって作業し,分離できるかどうか実験的に確認する。また,ガラス器具の取扱いについて理解する。
12週 配位結合,電気陰性度と分子の極性 配位結合について理解する。
電気陰性度と分子の極性について理解する。
13週 分子結晶,共有結合の結晶 分子結晶と教諭結合の結晶について,構造や性質を理解する。
14週 金属結合,化学結合と物質の分類・用途 金属結合について理解する。
様々な化学結合と物質の分類について理解する。
15週 大きな数と小さな数,有効数字とその計算法 指数表記および指数計算ができるようにする。
有効数字の計算が解けるようにする。
16週 前期定期試験 これまでの範囲を理解する。
後期
3rdQ
1週 前期定期試験解説,原子量・分子量・式量 原子量・分子量・式量についての演習問題が解けるようにする。
2週 物質量,【実験】アボガドロ数を求める 物質量について説明できるようにする。
観察実験を通して,物質量を計算できるようにする。
3週 物質量(演習),溶液の濃度 物質量,溶液の濃度に関する演習問題が解けるようにする。
4週 化学反応式,化学の基本法則と原子説・分子説 化学反応式の意味を理解する。
化学の基本法則と原子説・分子説を説明できるようにする。
5週 化学反応式の表す量的関係 化学反応式から諸量を計算できるようにする。
6週 化学反応と熱の出入り,熱化学方程式 化学反応にともなう熱の出入りを理解し,熱化学方程式が書けるようにする。
7週 いろいろな反応熱,温度と熱量の関係 さまざまな反応熱を説明できるようにする。また,温度と熱量の関係を理解し,演習問題を解けるようにする。
8週 後期中間試験 これまでの範囲を理解する。
4thQ
9週 後期中間試験解説,ヘスの法則 ヘスの法則を利用して,反応熱や生成熱を計算できるようにする。
10週 酸と塩基 酸と塩基について説明できるようにする。
11週 水素イオン濃度とpH 水素イオン濃度とpHに関する演習問題が解けるようにする。
12週 中和反応と塩の生成 中和反応と塩の生成について説明できるようにする。
13週 中和滴定 中和滴定に関する演習問題が解けるようにする。
中和適的曲線が説明できるようにする。
14週 【実験】酸の様々な反応 実験を通して,ガラス器具や試薬の取扱いを習得する。
15週 総合演習 これまでの範囲の演習問題が解けるようにする。
16週 後期定期試験 これまでの範囲を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。2
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。2
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2
水の状態変化が説明できる。2
物質の三態とその状態変化を説明できる。2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3
中和滴定の計算ができる。3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
ガラス器具の取り扱いができる。3
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3
試薬の調製ができる。3
代表的な気体発生の実験ができる。3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力60000040100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000