化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0016 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子創造工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 化学基礎(数研出版/化基708) / フォローアップドリル化学基礎 / リードα化学基礎(数研出版)/ 化学図録 フォトサイエンス(数研出版)
担当教員 森下 佳代子

到達目標

1. 物質を純物質・混合物、単体・化合物に分類することができる。
2. 原子・イオンの構造および電子配置と周期律の関係を説明できる。
3. さまざまな化学結合のしくみと性質を説明できる。
4. 物質量(モル)の概念や化学反応式を説明でき,化学反応式の量的関係から諸量を計算により求められる。
5. 酸・塩基や中和反応を説明でき,量的関係やpHを計算により求められる。
6. 酸化還元反応を説明でき,量的関係を計算により求められる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達したいミニマムレベルの目安未到達レベルの目安
物質の成分物質を、純物質・混合物、単体・化合物に分類できる。 混合物の適切な分離方法およびその結果を説明できる。物質を、純物質・混合物、単体・化合物に分類できる。 混合物の分離方法について説明できる。純物質・混合物、単体・化合物に分類される物質を例示できる。 混合物の分離方法の一部を説明できる。物質を、純物質・混合物、単体・化合物に分類することができない。 混合物の分離方法について説明することができない。
物質の構成粒子原子・イオンの構造および原子の電子配置について説明することができ、元素の性質について価電子と周期律から考えることができる。原子・イオンの構造および原子の電子配置について説明することができる。原子・イオンの構造を説明することができる。原子・イオンの構造を説明することができない。
粒子の結合さまざまな化学結合のしくみと結晶の性質について説明でき、物質の結合状態について説明できる。さまざまな化学結合のしくみと結晶の性質について説明でき、物質を各結晶に分類できる。さまざまな化学結合のしくみと結晶の性質について説明できる。さまざまな化学結合のしくみと性質について説明することができない。
物質量と化学反応式化学反応式を記述し、化学量論の計算ができる。原子量、分子量、式量、濃度、物質量の基本的な計算ができ、化学反応式を記述することができる。原子量、分子量、式量、濃度、物質量の基本的な計算ができる。原子量、分子量、式量、濃度、物質量の基本的な計算ができない。
酸と塩基の反応酸・塩基の定義や中和反応と塩、中和滴定について説明でき、中和反応の結果より酸と塩基の量的関係やpHを計算できる。酸・塩基の定義や中和反応と塩について説明でき、pHや中和反応の基本的な計算ができる。酸・塩基の定義や中和反応について説明できる。酸・塩基の定義や中和反応について説明できる。
酸化還元反応酸化還元の定義を説明でき、金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。また電池や電気分解反応について説明できる。酸化還元の定義を説明でき、金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。酸化還元の定義を説明でき、酸化数を求めることができる。また、金属をイオン化傾向について説明できる。酸化還元の定義や金属のイオン化傾向について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業では,化学が物質を対象とする科学であることや,化学が人間生活に果たしている役割について学びます。また,化学の基本的な概念や原理・法則を理解し,科学的な見方や考え方を養います。具体的には次の事柄を学びます。
(1)化学結合と物質の性質との関係
(2)化学反応式の量的関係,酸・塩基の反応,酸化還元反応
授業の進め方・方法:
◎ 授業科目【化学Ⅰ】 は,「化学Ⅰ(講義)」と「理科演習(実験・演習)」で構成されています。
【持ち物】教科書,ノートPC等,多段階認証用端末,自習ノート,フォローアップドリル,教員が指示した教材を持参してください。

講義は,授業内反転のスタイルで実施します。講義の基本的な進め方は次の通りです。
➀出席確認 ➁到達目標の確認 ➂講義プリントの記述(各自) ➃講義 ➄問題演習 ➅リフレクション
記述式の講義プリントを毎回配布し,講義スライドをWebClassで展開します。

〖授業前〗教科書を音読し,読み方や内容がわからないところをチェックして授業に臨んでください。
〖授業時〗授業毎に到達度を自己評価し,WebClassの<リフレクション>で回答してください。 【評価;A リフレクション】
〖授業後〗該当範囲のFDを解いて,次回の授業時間までにWebClassで提出してください。【評価;B 課題】
〖その他〗実験レポートと夏休みのレポートを,指定日までにWebClassで提出してください。 【評価;B 課題】
〖単元テスト〗原則,単元終了回の次々回の授業時で基礎的な単元テストを実施します。 【評価;C 単元テスト】
〖試験〗中間試験は実施しません。定期試験は応用問題を中心とした筆記試験です。 【評価;D 試験】
〖CBT〗高専学生必須のCBTを受検し,その結果を化学Ⅰの評価に反映します。 【評価;E CBT】

【評価】A リフレクション(10点満点), B 課題(10点満点), C 単元テスト(50点満点), D 試験点(100点満点), E CBT(30点満点)
★総合評価は次式の通り算出します。 🍀 【総合評価=A の平均+Bの平均+Cの平均+Dの平均×0.2+E÷3】
注意点:
・進捗状況によってシラバスを変更することがあります。変更する際には、LMS上で周知の上、この欄に修正内容を略記します。
・授業時や演習時の質問は大歓迎です。
・自習ノートは化学Ⅰ専用とし,B5版の綴じノートにしてください。
【オフィスアワー(前期) 火曜日 15~17時】

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ◎ガイダンス
◎授業の進め方や評価の方法,教科書の構成について理解する。
◎WebClassの使い方を修得する。
2週 pp.22-33 1-1-➀純物質と混合物、1-1-➁ 物質とその成分
pp.34-40 1-1-➁ 物質とその成分、1-1-➂ 物質の三態と熱運動
➀純物質・混合物、単体・化合物を分類できる。/ ➁混合物の分離法について説明でき、適切な分離法を選択できる。/ ➂同素体について説明できる。
➀成分元素の検出方法について説明できる。/ ➁物質の三態と熱運動について説明できる。/ ➂水の状態変化について説明できる。
3週 pp.42-49, 236 1-2-➀ 原子とその構造 ➀原子の構造について説明できる。/ ➁同位体、放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。/ ➂原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができ、価電子の働きについて説明できる。
4週 ★第1編 第1章 単元テスト(教科書pp.22-40)
pp.50-53 1-2-➁ イオン
★「物質の構成」に関する基本問題を解くことができる。
➀代表的なイオンの名称、イオン式を書くことができる。/ ➁イオン化エネルギーと電子親和力について説明できる。/ ➂イオンの大きさについて説明できる。
5週 pp.54-58 1-2-➂ 周期表
*第1編第2章の演習
➀元素の周期律について説明できる。/ ➁元素の分類について説明できる。/ ➂元素の周期表と元素の分類を対応させて説明することできる。
6週 pp.60-64 1-3-➀ イオン結合とイオン結晶 ➀イオン結合のしくみについて説明できる。/ ➁組成式を書くことができる。/ ➂イオン結晶の性質について説明できる。
7週 ★第1編 第2章 単元テスト(教科書pp.42-58)
pp.65-70, 237 1-3-➁ 共有結合と分子
★「物質の構成粒子」に関する基本問題を解くことができる。
➀共有結合について説明できる。/ ➁分子の電子式や構造式が書ける。/ ➂分子のおよその形について説明できる。
8週 pp.71-75, 78-79 1-3-➂ 配位結合、1-3-➃ 分子間にはたらく力 ➀配位結合と錯イオンについて説明できる。/ ➁電気陰性度と極性について説明できる。/ ➂分子間力と分子結晶について説明できる。
2ndQ
9週 pp.80-87 1-3-➄ 高分子化合物、1-3-➅ 共有結合の結晶、1-3-➆ 金属結合と金属の結晶 ➀代表的なプラスチックなど有機材料について,その性質,用途について説明できる。/ ➁共有結合の結晶の性質について説明できる。/ ➂金属結合と金属結晶の性質について説明できる。
10週 pp.76-77, 92-95 【発展】 分子間力と沸点・融点【まとめ】 化学結合と結晶の結晶
*第1編第3章の演習
➀極性と水素結合について説明できる。/ ➁分子間力と沸点・融点について説明できる。/ ➂さまざまな結晶の結合の種類と性質を説明できる。
11週 pp.241-245 資料 ➌ 化学で扱う数値ー指数、資料❹ 化学で扱う数値-有効数字 ➀測定値と誤差について説明できる。/ ➁有効数字について説明できる。/ ➂測定値の計算ができる。
12週 ★第1編 第3章 単元テスト(教科書pp.60-95)
pp.100-103 2-1-➀ 原子量・分子量・式量
★「粒子の結合」に関する基本問題を解くことができる。
➀原子の相対質量を算出できる。/ ➁原子量および同位体の天然存在比を相互に算出できる。/ ➂分子量・式量を算出できる。
13週 pp.104-109 2-1-➁ 物質量 ➀物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。/ ➁物質量と諸量(質量や気体の体積)の関係を互いに算出できる。/ ➂気体の質量と体積,およびモル体積とモル質量から,気体の密度を算出できる。
14週 ◇夏休みの課題(pp.216-227 他)についての説明
*第2編第1章(pp.100-115)の演習
15週 ★第2編 第1章➀,➁ 単元テスト (教科書pp.100-115)
*前期総合演習
★「原子量・式量・分子量・物質量」に関する基本問題を解くことができる。
16週 ★前期定期試験 (試験範囲;pp.22-115,p.134 1⃣‐3⃣)
♣ 実験➀ 石灰石と塩酸の反応 (1-2Qの理科演習時)
◇夏休みの課題
後期
3rdQ
1週 ☆前期定期試験解説
pp.116-119 2-1-➂ 溶液の濃度
➀質量パーセント濃度とモル濃度を計算できる。/ ➁質量パーセント濃度とモル濃度を互いに換算できる。/ ➂溶解度に関する計算ができる。
2週 pp.120-126 2-1-➃ 化学反応式と物質量 A, B ➀与えらえた情報を使って化学反応式をつくることができる。/ ➁与えられた情報以外を補完して化学反応式をつくることができる。/ ➂イオン反応式をつくることができる。
3週 ★第2編 第1章➂ 単元テスト (教科書pp.116-119)
pp.127-131 2-1-➃ 化学反応式と物質量 C
★「溶液の濃度」に関する基本問題を解くことができる。
➀化学反応式を用いて諸量(粒子の個数, 質量, 気体の体積など)を互いに計算できる。/ ➁過不足のある場合において,化学反応式を用いて諸量を互いに計算できる。/ ➂不純物や反応しない物質を含む場合において,化学反応式を用いて諸量を互いに計算できる。
4週 pp.132-133 【参考】 化学の基礎法則
*第2編第1章(pp.116-133)の演習
➀化学の基礎法則を発見した研究者の名前がわかる/ ➁化学の基礎法則の定義を説明できる。/ ➂様々な化学反応と関係が深い化学の基礎法則を答えることができる。
5週 pp.136-141 2-2-➀ 酸・塩基 ➀酸と塩基の定義を説明できる。/ ➁酸と塩基の価数について説明できる。/ ➂酸・塩基の強弱と電離度について説明できる。
6週 ★第2編 第1章➃ 単元テスト (教科書pp.120-131)
pp.143-148 2-2-➁ 水素イオン濃度とpH
★「化学反応式と物質量」の基本問題を解くことができる。
➀酸・塩基の水素イオン濃度を算出できる。/ ➁酸・塩基のpHを算出できる。/ ➂pH 指示薬について説明できる。
7週 pp.149-154 2-2-➂ 中和反応と塩 ➀中和反応について説明できる。/ ➁塩の種類を分類でき,正塩の水溶液の性質が説明できる。/ ➂塩の反応について説明できる。
8週 pp.155-161, 166-167 2-2-➃ 中和滴定 ➀中和の量的関係に関する計算ができる。/ ➁中和滴定の操作について説明できる。/ ➂中和滴定曲線を描くことができる。
4thQ
9週 pp.162-165 【参考】【思考学習】
*第2編第2章の演習
10週 pp.170-176 2-3-➀ 酸化と還元 ➀酸化還元反応について説明できる。/ ➁酸化数を求めることができる。/ ➂酸化数の変化から酸化・還元を判断できる。
11週 ★第2編 第2章 単元テスト (教科書pp.136-161)
pp.177-183 2-3-➁ 酸化剤と還元剤 A, B
★「酸と塩基の反応」に関する基本問題を解くことができる。
➀酸化剤・還元剤とそのはたらきについて説明できる。/ ➁酸化剤・還元剤の半反応式を作ることができる。/ ➂酸化還元反応式を作ることができる。
12週 pp.187-191 2-3-➁ 酸化剤と還元剤 C ➀酸化還元反応の量的関係から諸量を求めることができる。/ ➁酸化還元反応のイオン反応式の係数から諸量を求めることができる。/ ➂酸化還元滴定に関する計算ができる。
13週 pp.192-196 2-3-➂ 金属の酸化還元反応
*第2編第3章の演習
➀ 金属のイオン化傾向について説明できる。/ ➁ イオン化傾向と金属の反応性について説明できる。/ ➂金属の推定ができる。
14週 *第2編第3章の演習
15週 ★第2編 第3章 単元テスト(教科書pp.170-196)
◇後期総合演習
★「酸化還元反応」における基本問題を解くことができる。
16週 ★学年末試験 (試験範囲;pp.120-196)
♣ 実験➁ 金属イオンの反応 (3-4Qの理科演習時)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学化学化学と現代の社会課題との関連性について説明できる。3前1,前16
物質が原子からできていることについて説明できる。3前3
単体と化合物について説明できる。3前2
同素体について説明できる。3前2
純物質と混合物の区別について説明できる。3前2
混合物の分離法について理解し、適切な分離法を選択できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に熱運動していることについて説明できる。3前2
水の状態変化について説明できる。3前2
物質の三態とその状態変化について説明できる。3前2
ボイル-シャルルの法則について説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式について説明でき、必要な計算ができる。3
原子の構造(原子核・電子)や原子番号、質量数について説明できる。3前3
同位体・放射性同位体について説明できる。3前3
原子の電子配置について電子殻を用いて書き表すことができる。3前3
価電子の働きについて説明できる。3前3
イオン化エネルギーと電子親和力について説明できる。3前4
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前4
原子番号と価電子の数との関係について考えることができる。3前5
元素の性質について価電子と周期律から考えることができる。3前5
イオンの化学式とイオンの名称について説明できる。3前4
イオン結合について説明できる。3前6
イオン結晶の性質について説明できる。3前6
共有結合について説明できる。3前7
極性と水素結合について説明できる。3前8
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前7
自由電子と金属結合について説明できる。3前9
金属の性質について説明できる。3前9
原子の相対質量と原子量について説明できる。3前12
物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前13
分子量・式量について説明できる。3前12
気体の体積と物質量の関係について説明できる。3前13
化学反応式について反応物、生成物、係数を理解し、組み立てることができる。3後2
化学反応式を用いて化学量論的な計算ができる。3後4
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前4
質量パーセント濃度について説明でき、質量パーセント濃度の計算ができる。3後1
モル濃度について説明でき、モル濃度の計算ができる。3後1
酸・塩基の定義(アレニウスの定義、ブレンステッド・ローリーの定義)について説明できる。3後5
酸・塩基の化学式と酸・塩基の価数について説明できる。3後5
電離度と酸・塩基の強弱について説明できる。3後5
pHについて説明でき、pHと水素イオン濃度の計算ができる。3後6
中和反応を化学反応式で表すことができる。3後7
中和滴定の計算ができる。3後8
酸化還元反応について説明できる。3後10
イオン化傾向について説明できる。3後13
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後13
化学実験化学実験実験器具(電子天秤やガラス器具など)を目的と精度に応じて選択し正しく使うことができる。3前16,後16
試薬(粉体及び液体)の取扱いができる。3前16,後16

評価割合

A. リフレクションB. 課題C. 単元テストD. 定期試験E. CBT合計
総合評価割合1010502010100
基礎的能力1010502010100
専門的能力000000
分野横断的能力000000